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THIS IS パン、サンドウィッチを食べながら『M-1』を振り返る|吉本芸人×歌舞伎町 Vol.6

歌舞伎町

インタビュー ガイド 食べる
お笑い フード 吉本芸人×歌舞伎町
DATE : 2023.01.13
吉本興業の多くの芸人たちにとって、「ルミネtheよしもと」からほど近い歌舞伎町は馴染み深い街だ。そんな街で、ゆかりのお店や気になるスポットをめぐっていく連載第6回。
今回登場いただいたのは、昨年末に開催された『M-1グランプリ2022』敗者復活戦で“恐竜漫才”を披露したコンビ・THIS IS パン。ダイアンの津田篤宏さんやケンドーコバヤシさんをはじめ数多くの芸人のモノマネ・形態模写に定評がある岡下雅典さんと、コンビ名の由来となるほどのパン好きで、バラエティ番組『得する人損する人』(日本テレビ)で“バタこやん”としても活躍した吉田結衣さんの男女コンビだ。吉田さんのパン好きにちなんで、歌舞伎町で営業する高級サンドウィッチ店「NEW YORK WITCHES」のサンドウィッチを食す。

今回2人が訪れたのは、新宿・区役所通り沿いにある手作り高級サンドウィッチ店「NEW YORK WITCHES」。店舗はプレミアムカラオケモディス新宿区役所通りに併設されており、カラオケ店の受付でサンドウィッチはテイクアウトできる。サンドウィッチ店とは思えないほどのきらびやかなエントランスだ。

「本当にここでサンドウィッチを……?」と思うエントランスだが、ここで合っている。

イートインのほか、テイクアウトやデリバリーでの利用も多いとのことで、今回はサンドウィッチをテイクアウトすることに。サンドウィッチ屋らしからぬ店員さんからテイクアウトの袋を受け取りながら、ついつい笑いがこぼれてしまう一幕も。

ショップのロゴ入りバッグを受け取って、中身が気になる吉田さんと雰囲気とのギャップに笑う岡下さん。

2017年に結成して今年6年目となるTHIS IS パンは、以前は大阪を中心に活動し、2018年4月に上京。東京での露出も着実に増えはじめ、近年は『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』(フジテレビ)にもコンスタントに出場するなど、幅広い活躍を見せている。サンドウィッチを手に移動する道すがら、岡下さんは新宿歌舞伎町での印象深い出来事を話してくれた。

無事受け取りました。

岡下:東京に来たての頃、よしもと本社の裏にある配達専門のお弁当屋さんでバイトしてたんです。一度、配達した先が看板も何もないお店で、ドアを開けたらタキシードを着たお兄さんが出てきてすぐに引っ込んでしまって……中をのぞこうとしたけど全然見えなくて。僕、あそこは闇カジノだったんちゃうかなって疑ってます(笑)。

歌舞伎町名物のひとつでもある新宿バッティングセンターの横を通った際には、大阪出身のよしもと芸人のつながりを感じさせるエピソードも飛び出した。

岡下:上京したタイミングで、かまいたちの濱家(隆一)さんがすぐに「お前、東京来たらしいな」って電話をくれて。

吉田:後輩シバくために呼び出すときの言い方やん。

岡下:濱家さんもまだそんなに東京に慣れてない時期だったんですけど、とろサーモンの久保田(かずのぶ)さん行きつけの宮崎料理屋に連れて行ってもらって。それがこのバッティングセンター近くで、その時に“ザ・東京”を感じたのを覚えてます。夜はホストもウロウロしてて、これが歌舞伎町やー!!って。

歌舞伎町らしい風景の中で、受け取ったサンドウィッチを見せ合う2人

もともと別々のコンビで活動していた同期の2人は、同時期にそれぞれ解散。大阪でピン芸人として活動しながら吉田さんは東京に行こうと決心を固めていた。事務所にそれを伝えると「今はまだ少し早い。ちゃんと土台をつくってから東京に行きなさい」と言われたそう。これに対し、吉田さんは会社側に「この1年大阪で頑張るから、来年行けるようにもう準備しといてください」と返したことからも、その固い決意がうかがえる。

吉田:その後、THIS IS パンを組むことになっても思いは変わりませんでした。組んだタイミングで一から大阪でやるのも東京でやるのも一緒やと思ったんです。だから、私から「東京行ってみない?」と提案しました。

岡下:僕も30歳を越えて年も年やったんで、そっちのほうがいいかな、とすぐに決めましたね。

吉田:来て良かったです。仕事の幅も増えたし、大阪とは違う先輩や後輩との関わりもできた。今は東京の仕事はめっちゃ楽しいですし、大阪に行っても慣れ親しんだ同期や後輩がいて楽しくやれています。どこにいてもいちばん居心地の良い状態ですね。

パンのほかに百貨店も好きな吉田さんは新宿駅前に林立する百貨店をめぐったり、東京生活を満喫している様子。しかし、上京したての時期には風土や文化の違いに戸惑う場面もあったという。

吉田:東京に来て初めての仕事が新宿で、駅から現場まで徒歩10分というので新宿駅に15分前に着いておけば間違いないだろうと動いてたんです。そしたら、駅の大きさと人の多さで思うように歩けずに遅刻して……。「新宿って普通に歩いてても遅刻すんねや」と、洗礼を受けた感じがしました。大阪も人は多いですけど、新宿や渋谷みたいに人の流れが交錯はしないんで、初めて人の波に呑まれる経験をしましたね。

敗者復活戦初出場で感じた『M-1』の影響力と悔しさ

そうこうするうちに、テイクアウトしたサンドウィッチを持って編集部へと到着。コンボボックスを開封しながら撮影する写真の仕上がりに、取材陣が「ブライダルフォトみたい」と感想を漏らすと、岡下さんのほうを向きながら吉田さんが「気持ち悪い」と一蹴するなど、和やかな雰囲気に包まれていた。

チョケる岡下さんに醒めた視線の吉田さん

パン屋でのアルバイトをきっかけに、パンシェルジュ検定を取得したりホームベーカリーを導入したりと、パンにのめり込んでいったという吉田さん。「NEW YORK WITCHES」のサンドウィッチをほおばって「おいしい」と笑みを浮かべる。

吉田:一口サイズに具がたっぷり入っていて、いろんな種類をちょっとずつ食べられるのはうれしい! 揚げた卵焼きやミルフィーユ豚カツといったガッツリ系もあるし、低温調理の大山鶏サンドはヘルシーで、女性も罪悪感なしで食べられますね。

吉田さんの手元のボックスに入っているのは「特製タルタルフィッシュフィレサンド」「極上の玉子サンド」。

岡下:タルタルフィッシュフィレサンドとか、コンビニでは見かけないですよね。こういう珍しい種類があるのも良いですね。現場のケータリングに置いてあったら、めっちゃ人気出そう。

吉田:私、フィッシュサンドとかちょっと前に流行ったサバサンドがすごい好きで、見つけるとすぐ買っちゃうんですよ。サンドウィッチって、タンパク質や炭水化物、野菜も入っていればビタミンも摂れるから完全栄養食やないですか。パンだけだと「お昼ごはん、これで済ませていいのか?」って気持ちになりますけど、サンドウィッチだとちゃんとご飯食べてる気持ちにもさせてもらえますし。

岡下:仕事終わりに東京・大阪間で新幹線に乗るとき、お金に余裕があったら駅で高めのサンドウィッチとビールを買って車内で食べてます。贅沢してる気分になって、好きなんですよね。

サンドウィッチのパンは、店舗で丁寧に焼き上げたこだわりの一品とのこと。

サンドウィッチを食べてご満悦の2人。そもそも「THIS IS パン」という一風変わったコンビ名は、ピン芸人時代の芸名が「THIS IS 岡下」だった岡下さんとパン好きだった吉田さん、それぞれの要素を取って名付けられた。

岡下:先輩のアインシュタイン・河井ゆずるさんからは、コンビ組んだときから「名前がダサすぎるからマジで変えろ」ってずっと言われてます。

吉田:いまだに自分でも「変な名前やな」って思うときもありますけど、良くも悪くもインパクトがあって覚えてもらいやすくて、最近は馴染んできた感じがします。

実は本取材が行われたのは『M-1』放送の数日後。ネタの確かさでそのコンビ名をお茶の間に印象づけたであろう2人に、敗者復活戦を振り返ってもらった。

M-1グランプリ2022 敗者復活戦

岡下:『M-1』は業界の人全員が見てんのやなと、あらためてその影響力の大きさを感じました。仕事で人と会うたびに「良かったよ」と言ってもらえたり、先日は一緒の現場になったブラックマヨネーズさんからも声をかけていただけたり。それこそ、この取材前にファミレス行ったら、隣の席の学生からむちゃくちゃ顔指されました。

岡下さんのボックスには「ピリ辛ぷりぷり海老カツサンド」と、こちらも「極上の玉子サンド」。

吉田:影響力の大きさは感じますね。ただ、私は二度と敗者復活戦には行きたくないと思いました。だって、ファイナリストは暖かい部屋で一人ひとり椅子が与えられて、決勝のときを待ちわびてるのに、敗者復活戦の出場者たちは寒空の下テントに詰め込まれて、着替えるところもなければ椅子の数も足りてない(笑)。ほんまに敗北ってこういうことなんやろな……って実感しました。それに、準決勝で1度負けてまた敗者復活戦で負けると、結果2回負けたことになるんですよね。その敗北感は久しぶりで堪えました。だから、2023年はストレートで決勝に行きたい。

岡下:初めて敗者復活戦に出たことで、自分たちが「『M-1』に携わってる」という感覚もあったんです。もちろん悔しさは大きかったんですけど、『M-1』の決勝や優勝というのもかなり現実味を帯びたように感じました。

2023年は躍進の年になることが期待される。どんな目標や野望を抱いているのだろうか。

岡下:もちろんテレビにもいろいろ出たいし、そのための説得力をつけたいと思ってるんです。今はYouTubeやTikTokで面白く見せる人もいっぱいいて、自分たちのやり方であればなんでもいいけど、見てる人から「この人ら、なんでテレビに出れてんの?」とは思われたくない。だから、みんなに面白いと知ってもらうためには、やっぱり『M-1』優勝がいちばん手っ取り早いんですよね。

吉田:もちろん芸人をやってる限り、漫才はやり続けるし追求していきます。でも、“芸人=『M-1』”にしてしまうとそこで結果を残せなかったときにすべてがダメになってしまうので、私は『M-1』で優勝することは副産物くらいに考えています。売れればなんでもいいんです。だから、新しいこともいっぱいやりたいですね。去年はいろいろな経験をさせていただいて、本当に周りの人に支えられてるのを実感した1年だったので、今年は周囲に恩返しできる1年になるよう自分も頑張って健康第一でいきたいです。

岡下:そうやな。僕も『M-1』は大事ですけど、それ以外のいろんなお仕事をさせていただけるような、今までに経験したことがない1年にしたいです。

吉田:あと、絶対にアクション映画に出たい。私の人生、映画『ワイルド・スピード』シリーズに出演できたら全クリなんで。

岡下:運動神経悪いのに……。でも東京って、どの角度から飛んできたのかわからない仕事がいっぱいあるんですよ。

吉田:この前も私、矢井田瞳さんの前でパンを作るって仕事あったもんな。収録が同期の結婚式とかぶっててドタキャンすることになったけど、「矢井田さんとパン焼かなあかんねん」って説明したら、「ほなしゃあないな、行ってきて」って快く許してくれました。また矢井田さんとお会いしたいなぁ。

岡下:ほんま何が来るかわからんからなぁ。せっかくなんで、後で笑い話になるような仕事をしたいですね。

吉田:『ジュラシック・ワールド』の宣伝とか、恐竜の仕事も来たらええな(笑)。

THIS IS パン(でぃすいずぱん)

岡下雅典(おかした・まさのり/1986年8月13日生まれ、大阪府出身)と吉田結衣(よしだ・ゆい/1989年3月17日生まれ、大阪府出身)のコンビ。NSC大阪30期の同期で2017年結成。ヨシモト∞ホールにて、看板芸人として各種公演に出演している。

YouTube「THIS IS パン チャンネル

 

▼岡下雅典

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▼吉田結衣

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ラジオ『おいでよ!青春る』

文化放送/毎週火曜日19:00~21:00

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NEW YORK WITCHES

住所:東京都新宿区歌舞伎町2丁目18-5 プラーズタワー東新宿2F

TEL:0800-888-7737

イートイン&テイクアウト受け取り:全日19:00~翌5:00(モディス新宿区役所通りの営業時間に準じる)

デリバリー:前日18時までに要予約(エリアにより要追加送料)

HP

Photo:石田 寛

Text:須賀原みち

Edit:斎藤岬

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