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ゲーセンで大ジャンプ!ブレイク間近なケビンスの“正体”|吉本芸人×歌舞伎町 Vol.7

歌舞伎町

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アミューズメント お笑い ゲームセンター 吉本芸人×歌舞伎町
DATE : 2023.03.14
吉本興業の多くの芸人たちにとって、「ルミネtheよしもと」からほど近い歌舞伎町は馴染み深い街だ。そんな街で、ゆかりのお店や気になるスポットをめぐっていく連載第7回。
今回登場いただいたのは、結成2年目のケビンス。見るからに快活そうなボケの山口コンボイさんと、漫才師然としたスーツ姿のツッコミ・仁木恭平さんのコンビは、昨年末の『M-1グランプリ2022』で準決勝進出を果たし、敗者復活戦ではしっかりした構成の漫才とコンボイさんの身体能力の高さでインパクトを残した。年明けに開催したライブ『ケビンスno寄席』は配信チケット約4100枚を売り上げるなど、人気も知名度も上昇中の2人と、歌舞伎町のゲームセンター「GAO歌舞伎町店」を訪れた。

YouTubeチャンネル「コンボイファンクラブ【ケビンス】」でもゲームセンターを訪れていた2人。

『ゲームセンターで2人でガチバトルしたよ!の巻』

ツッコミの仁木さんは劇場の合間やちょっとした空き時間があれば、ついゲームセンターに寄ってしまうと話す。

仁木:ゲームにこだわりがあるわけじゃなくて、ぬいぐるみやお菓子のUFOキャッチャーで遊んだり、喫煙所でタバコ吸って時間を潰せるのが良いんですよね。友だちと一緒にフラッと寄って楽しみたい。だから、一番の理想は旅先の旅館にあるゲームコーナーなんです。

早速UFOキャッチャーをプレイする2人。コンボイさんはボタンを押してからガラスの側面まで走っていき、アームの奥行きを執拗なまでにチェックしてから操作する。

UFOキャッチャーに真剣な2人。

すると、なんと大きなぬいぐるみを1回目でゲット! 撮影用にアームの力を変更しているわけでもないので、正真正銘、実力での一発取りを果たした。

お目当てのぬいぐるみが落ちて喜ぶコンボイさん、半笑いになる仁木さん。

コンボイ:ヤバい! 一発で取っちゃった! 人生で初めてだ! なんか普通にテンション上がる!!

仁木:逆にめちゃくちゃサムいって! 失敗のシーンとかあったほうが絶対良かったでしょ。

「ぽってりジュゴンさん」がとれた。

普段のキャラクター通りにテンション高めのコンボイさんのボルテージはどんどん上がっていき、「GAO歌舞伎町店」オリジナルの着ぐるみキャラクターであるローズとしろっぴーとの撮影の際には、一人で「名前、なんて言うの!? 何? 聞こえない! 一緒に頑張ろうな!!」と話しかけている。そんなコンボイさんを呆れたように見つめる仁木さんの鋭い目が印象的だ。

店内に佇む2匹に元気よく絡むコンボイさんと、呆れ気味の仁木さん。

そして、コンボイさんの代名詞でもあるジャンボイ(ジャンプコンボイの略)の撮影へ。真剣にUFOキャッチャーを操作する仁木さんの後ろで、何度も大ジャンプを繰り返すコンボイさん。さすがTwitterで20万超の「いいね」を獲得しただけのことはある、バズる跳躍力だ。

観光で歌舞伎町を訪れていたであろう外国人のお客さんも、その異様な光景を訝しげに眺めていた。

一発撮りでこの高さが出た。

ちなみに、UFOキャッチャーが好きという仁木さんだが、獲得したぬいぐるみなどは基本的に誰かにあげてしまうそう。誰にも引き取ってもらえない場合、芸人のZAZYさんやママタルト・檜原洋平さん、大久保八億さんとルームシェアをしていた頃は自宅マンション「カサグランデ」に持ち帰っていたらしい。

さまざまな種類のぬいぐるみたちが筐体の中にひしめき合う。

ゲームセンターでの撮影を思う存分楽しんだ後、移動する道中ではコンボイさんが歌舞伎町の激安居酒屋でよく飲んでいたという思い出や、現在も新宿にあるボイストレーニングスクールに通っているという話も聞かせてくれた。

コンボイ:新宿は嫌なバイトが終わってから飲みに来て、面白い先輩や後輩に会いに行く街って感じですね。

「すごい好かれるか、すごい嫌われるか」コンボイの素顔

撮影を終えたケビンスの2人に、『M-1』の反響や今後の活動について話を聞いた。

— 昨年の『M-1グランプリ2022』は敗者復活戦を含めて、多くの人がおふたりの名前を知ったきっかけだったと思います。反響はいかがですか?

仁木:テレビで観て知ってくれた人が多くて、ファミリー層の多い劇場では以前と比べてツカミをそこまでやらなくてもウケるようになってきました。SNSでも、劇場までは足を運ばないお客さんも応援してくれるようになりましたね。僕自身が若い頃にテレビで観ていた“1回も生では見たことないけど好き”な芸能人やタレントみたいな人気者に近づけているのかな、と感じてます。

— 一昨年の『M-1』予選時にはジャンボイのツイートがバズりましたが、そのときと比べても敗者復活戦の影響力は大きかったですか?

仁木:それはもう。そもそもバズったツイートは、ジャンプが高く跳べてるってだけなんで。あれでTwitterアカウントをフォローするようなことじゃないです。

コンボイ:いいだろ! ジャンプが高いからみんな俺のTwitterアカウントをフォローしてくれてるんだよ!! でも、最近はジャンプの写真をあげてないからアップしないと……そうしたらもっとフォローしてもらえるし。

— 過去の写真と比較されて、「ジャンプ力が下がってきてる」とか言われそうですね。

コンボイ:まさに足元見られるみたいな感じで!!

一同 ……。

ジャンボイ・マルチアングル。

— コンボイさんは『M-1グランプリ2022』はいかがでしたか?

コンボイ:めちゃくちゃ楽しかったです。昔クビになったバイト先の人から連絡が来たのが一番うれしかったですね。俺、バイト10個くらいクビになってるんですよ。バイトしてた当時、俺のことを「面白くもないし、仕事もできないし」って言ってた先輩からDMが来て、「めっちゃ面白かったよ! 頑張ってね!」と言われて、形勢逆転したな、と思いました。

仁木:ホン(台本)が面白かったんだろうな。

コンボイ:それはそうなんだけど……でも、結局は俺のジャンプが高かったからだと思います。

仁木:ジャンプを過信しすぎだって。

— バイトを10個クビになったとおっしゃってましたが、なんでそんなことになったんですか?

コンボイ:仕事ができないからですよ! インタビューだからって、なんでも言わせようとしないでください!!

仁木:「やらないでください」って言われたことをやるし、何より隠蔽体質なんですよ。割ったグラスをゴミ箱に隠してすぐにバレて怒られたりしてたらしいです。バイトだけじゃなくて、劇場のライブで即興の一発ギャグを振られるコーナーで自分の持ちギャグをやって、俺が「あるやつじゃん」って指摘すると「言わなきゃバレねぇだろ!」って逆ギレします。

コンボイ:やめろよ、マジ良くねぇって。ライブシーンで良くない行動ナンバーワンだから、それ……。

仁木:最近だと、お偉いさんが集まる打ち合わせに少し遅刻して、しかもサンダルで来たのを「外反母趾の治療してる」って嘘ついてました。

コンボイ:サンダルで来たことを隠蔽……隠蔽というか、理由をつけようと頭をフル回転させて外反母趾が思いついたんです。

— 爽やかな快男児のイメージなのに意外ですね。過去のインタビューで、ケビンス結成のエピソードとして仁木さんが“人としてパワーのある人間”を探していてコンボイさんに声をかけたとお話しされていました。仁木さんは、最初からコンボイさんのそういった性格はご存知だったんですか?

仁木:いや、思ってたのと真逆でしたね(笑)。がっかりしますよ。だから、そういうときは芸人としてじゃなく人として本気で注意します。

コンボイ:「グラス割っちゃった!」って言うのが爽やかなんでしょうけど、俺からしたらミスがバレないのが一番爽やかなんで。

仁木:隠すのが一番生々しいんだよ。

— そういうコンボイさんの行動から着想を得てネタに反映することもありますか?

仁木:たまにありますね。もちろん脚色しますし、すごく面白いことはなかなか起きないんですけど……。僕らのネタに、ボケとしてデリカシーのない行動をするというのがあって。実際の出来事としては、コンボイがネタ中に初歩的な大きなミスをして、ライブが終わった後で僕が真剣に怒りながら説教をしたときがあったんです。

コンボイ:(無言で斜め下のほうをジッと見つめる)

仁木:コンビにおいて大切な話でもあったんですが、こいつはずっと口の中で飴舐めながら返事してたんですよ。その行動が面白いなと思って、ネタに入れましたね。

コンボイ:良い話だった! あぶねー!!

仁木:いや、良くない意味で面白いヤツだな、ってことだよ。マジで考えられないことを普通にするんで。

— コンボイさんは別のインタビューで尊敬する先輩にあばれる君さんやパンサーの尾形貴弘さんを挙げていました。お話を聞いていてもリアクションが大きいですし、ドッキリ番組でドッキリをかけられた後、隠蔽するような……コロコロチキチキペッパーズのナダルさんのような反応も見られそうですね(笑)。

仁木:ナダルが持ってるズルがしこさみたいなのもありますからね。だから、すごい好かれるかすごい嫌われるかだと思うんです。

コンボイ:とんでもない。

仁木:え、褒めてないよ?

— ただそうなると、売れるにしたがってコンボイさんのキャラが雑にイジられる場面も出てきそうでは。

仁木:出てくるでしょうけど、それはひとつの目標ですね。

コンボイ:そうなったら最高です。この前も、公園でジャンプの撮影をしていたら子どもが写り込んじゃって、「今、子どもが入っちゃったかも」ってカメラマンさんと話してたんです。そしたら、子どもが「ごめんごめん、入っちゃったわ」って言って、その後もケツ蹴られたりして、俺めっちゃ舐められてるんですよ。でもそれがうれしい。子どもとかにはずっと舐められていたいです。

もう「面白ければ売れる」時代ではないとみんなわかってる

— 『M-1』も含め快進撃といって差し支えない速度で売れつつあると思います。ご自身としては、この急躍進をどう考えていますか?

仁木:僕は今31歳なんですけど、コンボイには「多分、俺は33歳になった時に売れるから」と言ってあるので、順調かなと思っています。29歳でコンビを組むときに、今後のプランをコンボイに説明したんです。今まで売れてきた芸人の流れを見ると「最短ペースで売れても4年はかかる」という感覚があって、そんな話をしました。コンボイはその話を覚えてなかったらしいんですけど。

コンボイ:ちょっと失念してた。でも、「33歳で売れよう」って言われたときの返しは覚えてる。「いいの? 最高じゃん」って言いましたね。

— 実際、そのとっかかりとして結成からわずか1年半で、∞ホールのバトルを勝ち上がって劇場のレギュラーメンバー入りを果たされています。

※現在の∞ホールでは、40組の「ムゲンダイユース」がネタバトルを行い、3カ月に1回開催されるユースカップ決勝戦で勝利した1組が「ムゲンダイレギュラー」に昇格できる。ケビンスは2022年6月にレギュラーメンバー入り。

コンボイ:前のコンビの時は最高でも「セカンド」だったので(編注:以前の∞ホールでは「ファースト」「セカンド」などに階層分けされたバトルシステムが行われていた)、俺の芸歴が10年になる前に仁木くんが一番上に連れて行ってくれて、単純にめちゃくちゃうれしかったですね。2022年5月にケビンス初の単独ライブをやって、ここから頑張るぞ! ってタイミングでレギュラーになれたので。

— 仁木さんは2020年までは他事務所で活動されていて、ケビンス結成のタイミングで吉本興業に移籍したばかりだったんですよね。

コンボイ:仁木くんはアジャスト(調整)するのがすごい早い、と思いました。あ、難しい言葉使わないようにしよう……俺、アジャストって英語で書けないし。∞のシステムに合わせるのがすごい早かったです。

仁木:当時、ちょうど劇場のシステムが変わったときだったんです。予選がお客さん投票だったので、まずお客さんを増やすことを頑張りました。僕もハロプロを応援してた時期があるから、そもそもどういう人か知らないと応援できないとわかっていたので、そういう面を多く見せていったり。かといって、多くを見せすぎたら追う必要もなくなっちゃうんですよね。そういうことは考えてました。

自分らが楽しみながらやるのは大前提ではあるんですけど、その中でも絶対に戦略は必要になってきます。多分、もう芸人は全員「面白ければ売れる」ってストロングスタイルで勝ち残っていける時代ではないと思っているはず。だって、みんな面白いんで。

— 今後は劇場以外のテレビなどでも人気が出るような戦略も考えていますか?

仁木:そこに向けて調整をしてしまうと、好いてくれる人もいれば離れていく人もいると思うんです。だから理想は、自分たちがやってることを面白いと思ってくれる人を増やすこと。調整としては、今イジってるモノの規模を大きくすることでしかないのかなと思います。

例えば、僕らはママタルトと仲が良くてママタルトをイジる企画もやっていて、彼らも俺らをイジって面白がってくれてます。そうすると、どちらかのコンビが売れたら、お互いの企画を面白がってくれる規模も大きくなっていくはず。ママタルトや真空ジェシカさん、カナメストーンさんとかとは、そんなふうに誰かが売れたらみんなで人気者になれる装置を作っている気がします。もちろん、そんな打算で仲良くしているわけじゃないですけどね。

— 仁木さんの考え方は、自分たちの劇場を持っていて同じ事務所内での芸人のつながりも強い“吉本”っぽくない部分がやはりある気がします。NSC東京校出身で、ずっと吉本で活動されてきたコンボイさんから見て、考え方の違いを感じることはありますか?

コンボイ:いや、ないですね。

仁木:今、やっと話せるチャンスなのにさ(笑)。もったいないって。

コンボイ:考え方の違いはマジでなくて、ただ仁木くんが新風を吹かせてくれた感じはあります。一番大きいのは、俺の友だちと仁木くんの友だちを交換し合ったんです。……交換じゃないか。2人の友だちを互いに会わせたんですよ。そうしたら、俺の先輩や後輩が仁木くんのことを「めっちゃ面白いじゃん」ってライブに呼んでくれたり、その逆もたくさんあったり。そうやって芸人の輪がすごい規模に膨らんでいった気がします。

— お話を聞いて、自分たちの「面白い」や「楽しい」を多くの人に伝えようとしているのだな、と感じました。最後に、おふたりの今後の目標を聞かせてください。

仁木:仲間や自分たちだけが「楽しい」で完結してしまうと良くないとは思っています。だから、自分や仲間たちも楽しいし、見てる人にも面白いと思ってもらいたい。僕自身、ハロプロ!やガッキー(新垣結衣)のファンだったときは、毎日が楽しくて生活も充実してる感じがしました。そんなふうに人に影響を与えられるようになりたいです。ケビンスの活動を通じて、生活が変わってくれる人がいたら良いですね。

— 人気者、今でいう“推し”になることで、「楽しい」や「面白い」を伝播させていこう、ということですね。コンボイさんはいかがでしょう?

コンボイ:(即答で)『SASUKE』に出たいです!

— (笑)。本日はありがとうございました!

参考:https://magazine.fany.lol/51168/

ケビンス

仁木恭平(にき・きょうへい/1991年6月19日生まれ、北海道出身)と山口コンボイ(やまぐち・こんぼい/1993年5月25日生まれ、新潟県出身)のコンビ。2021年結成。

YouTube「コンボイファンクラブ【ケビンス】

▼仁木恭平
Twitter
Instagram

▼山口コンボイ
Twitter
Instagram

『メテオラ』

日時:2023年3月19日15:45開場16:00開演
場所:ヨシモト∞ドーム ステージⅠ
出演:ケビンス/スカチャン/10億円/きしたかの/ママタルト/村田大樹/都トム 他
会場チケット完売/配信チケット販売中

公式サイト

Photo:向後真孝
Text:須賀原みち
Edit:斎藤岬

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