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ポールダンスにドラァグクイーン、DJも! 歌舞伎町のカルチャーが集結した『歌舞伎超祭2022』

歌舞伎町

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イベント ナイトエンタメ ナイトライフ 歌舞伎超祭
DATE : 2022.12.05
2022年11月3日(祝)、新宿歌舞伎町「シネシティ広場」で『歌舞伎超祭2022』が開催された。昨年に引き続き2回目の開催となった今年も、アンダーグラウンドで眠っている人材をMVやCMなどのメジャーシーンに送り出してきたキャスティングディレクターのOi-chan氏がイベントプロデューサーを、そして歌舞伎町商店街振興組合常任理事を務めるSmappa!Group会長の手塚マキ氏がオーガナイザーを務めた。DJやダンサー、ドラァグクイーンなど、歌舞伎町を体現するパフォーマーが多数出演しただけでなく、初めて飲食店ブースも設置され、煌びやかな街がいつにも増して熱気を帯びた一夜となった。

道行く人も思わず足を止めるDJ&ダンス

11月にしては暖かくなったこの日。16時を過ぎると、大きな羽飾りを頭に付けたDJ MONDOがステージにて、リズムを刻み始めた。観客も続々と集まってきたところで、『歌舞伎超祭』の開催が告げられた。

DJ MONDO

トップバッターは、衝撃の骨伝導パフォーマンスを披露した美術家でホーメイ歌手の山川冬樹。体全体で音を自由に操り、「歌舞伎町ー!!」と叫ぶ姿から、「何か“すごいこと”が始まるぞ」というゾクゾクとした期待感が、会場全体に漂った。

山川冬樹

次に登場したのは、「弁財天とお付きのTUKI」こと、KUMIと高村月。開会を伝えるマイクパフォーマンスでは、観客とのやり取りの中で、来場した子どもから「プリンセスになりたい」と聞くと、「そなたはもうプリンセスじゃ」と返すKUMIのトーク力で観客は笑いに包まれた。最後は「大丈夫じゃなくても、大丈夫」と繰り返しながらステージを去った二人。「今日だけはいろいろな不安も手放して、思う存分この場を楽しんでほしい」と背中を押された気分だった。

KUMIと高村月

会場が温まったところで、ダンサーの平位蛙が、空気を止めるかのようなキレのあるロボットダンスを披露。かと思えば、ドラァグクイーンの肉襦袢ゲブ美は、コンビニのおでんを食べながらのパフォーマンスで会場を笑いに包む。さらに、ちびシャクレー(Kily shakley+ちびもえこ)は、お揃いのパステルピンクのドレスで、ガーリー・ファンシー・セクシーなバーレスクを見せてくれた。

平位蛙
肉襦袢ゲブ美
ちびシャクレー(Kily shakley+ちびもえこ)

最後に、ドラァグクイーン歴33年のhossyが貫禄のあるステージを見せ、第一部は終了。すでにこの時点で、歌舞伎町のカオスな魅力が惜しげもなく溢れ出ていた。

hossy(photo by 寺谷公一)

幕間には、DJ MONDOの鳴らす音楽に引き寄せられた子どもたちがステージに集まり、ダンサーのJacky&HIDENORIと一緒に自由に踊るシーンも。普段の歌舞伎町ではなかなか見られない風景に心が和む。

Jacky&HIDENORI

ド派手な衣装とトークで笑いも感動もかっさらう

あっという間に第二部のスタート。切り絵のような美しい衣装を身につけた、ヒロスミ&ヨシユキ+Cerestia Grownのパフォーマンスで、会場は一気に神聖な空気に包まれた。

ヒロスミ&ヨシユキ+Cerestia Grown

フラの衣装でポールダンスを披露したLilika。ステージ上でメイクを落とし会場を熱狂させたレイチェル・ダムール。即興ダンスで儚さと強さを表現した色即是空(Rion Watley+Riku+Chikako Takemoto)も続く。

Lilika
レイチェル・ダムール
色即是空(Rion Watley+Riku+Chikako Takemoto)

第二部のラストは「SML3姉妹」こと、もしもしチューリップ(KUMI+山田ホアニータ+ちびもえこ)が、坂本冬美「夜桜お七」や中森明菜「DESIRE」など、お馴染みの楽曲に合わせてキュートでポップなステージを披露した。

もしもしチューリップ(KUMI+山田ホアニータ+ちびもえこ)

会場には、小さな子どもを連れた家族から、マルシェで買ったビールを片手に盛り上がる外国人、車椅子のおじいちゃんなど、老若男女が集まった。また、会場の外でも、ステージの熱気に触発され踊り出す若者や、ステージの様子を見守る地元の人もいた。そんな観客たちの姿に、「“歌舞伎町らしい人”なんていない。誰でも受け入れてくれるのが歌舞伎町なんだ」と、この街の懐の深さを感じる。

ポールやボールを使う、魂ゆさぶるパフォーマンス

そして、アオイツキ(アオイヤマダ+高村月)のステージとともに、第三部がスタート。桃太郎のおとぎ話に合わせて、コール&レスポンスで会場を巻き込みながらパフォーマンスを披露。「鬼が悪者なのではなく、鬼を退治しようとする私たちが鬼なのではないか。鬼探しは、もう辞めよう」と力強いメッセージを投げかけた。

アオイツキ(アオイヤマダ+高村月)

それに呼応するかのように、スティーヴ エトウはドラム缶を鉄棒で叩いて地鳴りのような音を響かせ、銀の旗を振りかざした。

スティーヴ エトウ

再び登場したKUMIは、真っ白な女神を思わせる衣装でポールダンスを披露。「残酷な天使のテーゼ」に乗せた、切なくも美しいステージだった。

KUMI

Kazane+Kengoの2人は、バスケットボールとサッカーボールを体の一部かのように滑らせて、超絶技巧で会場を盛り上げる。

Kazane+Kengo

清水舞手が率いるメランコリー集団、DropShitQaos(清水舞手、UFO、P→★、カミヤサキ、RITA、YAGAMI SEIYA、SHIO、KENVOSE)のダークなステージで、場内のボルテージはさらに上昇。

DropShitQaos(清水舞手、UFO、P→★、カミヤサキ、RITA、YAGAMI SEIYA、SHIO、KENVOSE)(photo by 寺谷公一)

大トリで登場したのは、昨年に引き続きドラァグクイーンのリル・グランビッチ。ドナ・サマーの「Last Dance」を披露。ダイナミックな表情と立ち振る舞いで、その場を共有した全員が踊りたくなるような、「これぞエンターテインメント」と言わんばかりの圧巻のステージだった。

リル・グランビッチ

そんなリル・グランビッチの呼びかけで出演者全員がステージに集まり、祭りはフィナーレへ。最後に流れたのは“この街のための曲”と言っても過言ではない、椎名林檎の「歌舞伎町の女王」。色とりどりの演者たちが思い思いに舞い踊り、煌びやかな歌舞伎町の夜は、ここから再び始まっていく。そんな予感さえした。

photo by 寺谷公一

この街の歴史は常に更新を続けている。けれど、変わらないのはそこに「文化」が息づいていることだろう。誰しもが自由に自分を表現し、他者を理解できる文化。その広がりの一端を見ることができた一夜だった。

歌舞伎超祭2022

日 時:2022年11月3日(木・祝)16:00~20:00
内 容:特設ステージ上でのダンスやショーなどのパフォーマンスイベント、歌舞伎町の飲食店によるフード販売
場 所:シネシティ広場 (東京都新宿区歌舞伎町1丁目19番先)
入場料:無料
主 催:歌舞伎町商店街振興組合
後 援:新宿区
協 力:一般社団法人歌舞伎町タウン・マネージメント、東急株式会社、株式会社東急レクリエーション、Smappa!Group
イベントプロデューサー:Oi-chan(OIP)

 

出演者
レイチェル・ダムール / スティーヴ エトウ / DropShitQaos / ちびシャクレー(Kily shakley+ちびもえこ) / KUMI / アオイツキ(アオイヤマダ+高村月) / 山川冬樹 / hossy / リル・グランビッチ / 肉襦袢ゲブ美 / ヒロスミ&ヨシユキ+Cerestia Grown / もしもしチューリップ(KUMI+山田ホアニータ+ちびもえこ) / 平位蛙 / Lilika / 色即是空(Rion Watley+Riku+Chikako Takemoto) / Kazane+Kengo / DJ MONDO / Jacky&HIDENORI

Text:矢野颯子

Photo:Smappa!Group提供(「photo by 寺谷公一」と記載の写真を除く)

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