19:00、日中から続くダンスバトルの王座に輝いたのは……？
一方、遡ること19:00からはいよいよZepp Shinjuku (TOKYO)にて「MIKU BREAK Xmas Party」が開演。ともにライブを作るパフォーマンス集団・CONDENCEのメンバーとともに、初音ミクが縦横無尽にクリスマスイブのステージを彩った。歌あり、ダンスあり、即興ラップありと、ミクの八面六臂の活躍にオーディエンスは大歓声で応える。
そして中盤、行われた「VLOCK PARTY」の決勝戦。
CREW Battleの頂点に輝いたのは、8人組のチーム・MONSTER！ “ミクリスペクト”のグリーンの靴下をお揃いで身につけ、それぞれの衣装にもあしらった緑の差し色が目を惹く。
優勝直後のチームを直撃し、喜びの声を聞いた。「めちゃくちゃうれしいです。この日のためにたくさん練習してきたので、優勝といういちばんいいかたちになって本当にうれしい。最高！」とメンバーのソレイユ翼さん。メンバー全員、ボカロが好き。ミクへの熱い思いを胸に、日々の練習に向き合ったという。
MONSTERは普段からダンスバトルに取り組んでいるそうだが、この日のバトルの雰囲気は「すごく踊りやすかった」とのこと。「ダンスを見に来た人だけでなく、たまたま通りがかった人も足を止めて声援を送ってくれて。とても温かいイベントでした。観客の声って本当に“上がる”んです」と口々に語る。
「偶然足を止めてくれた人に、『ボカロ曲かっこいいな』と思ってもらいたい」と、最後までボカロ愛に溢れたメンバーたちだった。
街とアートが共存した9日間
あっという間に9日間の幕を閉じた「あーとの禱り」。ダンスバトルもDJライブも、通常は屋内の会場で行われ、観客はチケットを購入して入場するパターンがほとんどだ。だが「あーとの禱り」は広場でのフリーイベントだったことで、新宿の街にとっても、出演者にとっても、観客のみなさんにとっても、これまでにない化学反応を起こしたのではないだろうか。
それはまさに“予定調和を超えた出会い”であり、街とアートが共存するさまを、目撃させられた9日間だったように思う。
「あーとの禱り」は今後も毎回コンセプトを変えて開催予定とのこと。次回はどんな光景を見せてくれるのか、今から期待したい。
文：徳永留依子
写真：坂本美穂子
