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「あーとの禱り」が冬の歌舞伎町を盛り上げる! ダンス、音楽、初音ミクの熱い共演をレポート

歌舞伎町

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イベント ダンス 東急歌舞伎町タワー 音楽
DATE : 2024.01.30

17:00、DJライブがマジックタイムの新宿・歌舞伎町を音楽で染める

さて、太陽が西に傾き夕暮れの雰囲気を帯び始めたシネシティ広場では、最終日のもうひとつのメインイベントであるDJライブがスタート。MONE SHIROSHINA、ALEXANDER M、DRUNKEN KONG、トリを務めるのはKEN ISHII。名実ともに実力揃い、錚々たるDJたちが揃い踏みだ。このパーティーをもって、9日間にわたる「あーとの禱り」もいよいよ終演となる。

クリスマスイブの歌舞伎町に響き渡るダンスミュージック。続々と集まり、音楽にあわせて思い思いに踊る人々。シネシティ広場は、たちまちクラブパーティーの会場に! 重低音とオーディエンスのエネルギーが、シネシティ広場の“フロア”をズン、ズンと揺らす。ヤグラの前面に備えたLEDパネルには、音楽にあわせてサイケデリックな映像が展開していく。

広場から少し離れた通りからも、「何をやっているんだろう?」とたくさんの人が近づいてくる。慌ただしいクリスマスイブの喧騒を、音楽が「禱り」の風景に塗り替えていくようだ。

20:00ごろ、トリのKEN ISHIIが登場すると、ひときわ大きな歓声が上がる。フランク・シナトラ「White Christmas」からビルドアップ。朗々と響き渡る歌声に観客からため息のような声が漏れる。緩急をつけながら収束・発散を繰り返すライブに、フロアのボルテージは上がりっぱなしだ。涼しい顔でミキサーを操る、KEN ISHIIのクールな佇まいもたまらない。

夜が深くなるにつれ、寒さも少しずつ増していくが、反比例するように会場の熱気は上昇していく。序盤こそ冬アウターで踊る観客の姿に新鮮さを覚えたものだが、気づけば半袖で踊りまくる人の姿も。

「あーとの禱り」の最後を告げる1曲が鳴り終わった後もしばらく、多くの人が名残惜しそうにヤグラへ歓声と拍手を送り続けていた。

KEN ISHIIインタビュー
「新宿は、自分のキャリアを育ててくれた場所」

KEN ISHII

今回大トリを務め上げた、テクノアーティスト・KEN ISHII。出演前のわずかな時間に話を聞くことができた。

─ 新宿・歌舞伎町の街のど真ん中で開催される今回のイベント。音楽好きから通りすがりの方まで、たくさんの人が集まっていますが、どんなパフォーマンスをお届けしますか?

基本的にはいつも通りに。ただ、いろんなお客さんに聞いてもらえるのはうれしいことですし、たまたま足を止めてくれた人にも楽しんでもらえるライブにできるといいなと思っています。

─ KEN ISHIIさんにとって、新宿や歌舞伎町はどんなイメージですか?

実は歌舞伎町には、20年以上前……90年代にテクノのバイブルみたいな場所があって。それが(今回のイベント会場の)近くにあったLIQUIDROOM(リキッドルーム)です。日本のテクノが大きく育っていった場所で、僕も一時期は毎月のように出演していました。そんな思い出もあって、僕にとって新宿は“特別な街”。遊びに来る場所というよりは、自分のキャリアを育ててくれた場所という印象があります。

─ 「あーとの禱り」のような、都心でのフリーイベントは日本ではまだ珍しいと思いますが、KEN ISHIIさんはどう思いますか。

歌舞伎町は世界的に有名な街で、各国から観光客が来ていますよね。そういった場所で、来る人を限定せず音楽を楽しめるイベントは、とてもいい試みだと思います。プレイする側にとってもそうですし、遊びに来るみなさんにとっても、普段と違った文化と触れ合う機会になるはず。「あーとの禱り」のようなイベントが、ずっと続くといいですね。

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