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気持ちのいい風が吹く、一年で一番の路上ライブ日和! Kabukicho Music Live vol.18

歌舞伎町

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Kabukicho Music Live イベント 音楽
DATE : 2024.07.17
2024年6月14、15日の二日間、歌舞伎町のシネシティ広場にて「Kabukicho Music Live vol.18」が開催された。公認のライブスペースを設けることで、ストリートで活動するミュージシャンを支援するこのイベント。穏やかな天気に恵まれ、ミュージシャン、オーディエンスともにリラックスした雰囲気で過ごした模様をリポートする。

夏の訪れを感じる音楽と空気感

海羽

仕事帰りの人、遊びに行く人、観光に来た人々で混みあう金曜夜の歌舞伎町。埼玉県出身のシンガーソングライター海羽は、アコースティックギター一本を持ってステージに上がる。「涙の裏」を歌いはじめると、一歩一歩前に進むかのような歌とギターの音色がシネシティ広場に響き渡る。「暑いなかでも集まってくれた心優しいみなさんに、どうかどうか幸せが訪れる世界でありますように」と願いを込めて「どうかあなたには幸せを」を披露。普段はあぐらをかいて座りながら路上ライブをしているそうだが、今日はステージに立ち、集まったオーディエンスを見渡しながらパフォーマンスしている。2年前に自分を救うために作ったという「今日もひとりごと」では、アルペジオにのせて「今日だけ 今日だけ」と胸中を吐露。「東京の空は好きですか? 私は大好きで大嫌い」と話して歌ったのは「都」。近くて遠い、東京への相反する気持ちが綴られる。

16歳から路上でライブをしているという彼女。最近はやっていなかったが、路上で歌うのが好きだという「仔犬」を久しぶりに披露。途中歌詞を飛ばしてしまうも、観客からのあたたかい声援を受けて完奏した。続いては、「夢ばかり見て現実を観ていない人は嫌い」と言われた経験から生まれたという「暮らし」。人生は大切なものがひとつでも見つかればいい、というメッセージを丁寧に届ける。「真面目な曲ばっかりで疲れてきましたか?」と、ユーモラスな曲調の「メンタルの豆腐具合が絹」をパフォーマンス。「そんなに真面目な顔で聞かないで」と笑いながら楽しそうに歌っていた。「今日はじめて私を見た人?」と尋ねると半数が挙手。その数の多さに喜び、「好きなものはオレンジです。よく寝てよく食べます!」とあらためて自己紹介。ライブの終盤には「ユメオイビト」と最新リリース曲「ヒーローの唄」を熱唱し、オーディエンスの大きな拍手のなかステージを降りた。

「すごい緊張して、歌詞も飛んでしまったんですけど、はじめての方に聞いてもらえる機会を作っていただけてとてもうれしいです。歌っているうちにだんだん人が増えていって、フェス気分でとても楽しかったですね。新宿では昔よく路上ライブをやっていて。最近は取り締まりも厳しくなったので、公認でやれるのはありがたいです。今も埼玉に住んでいて、新宿にはライブのときくらいしか来ないんですけど、夜の風景というか、ビルの光り方とかが全然違うんですよね。新宿のまんなかでライブをするなんて、昔じゃできなかったことなのでありがたいなと。テレビとかでよく映っている街ですけど、音楽をやる場所として新しく変わっていくのはすごく素敵なことですよね。私もまた来れるように頑張りたいと思いました。フェスにも出てみたいので、それも頑張ります!」

海羽(みう)

シンガーソングライター。今見えたもの、感じたことをそのまま歌詞にしてオリジナル楽曲をつくっています。16歳からライブ活動を始めました。「今日もひとりごと」「ヒーローの唄」をはじめオリジナル楽曲は200曲以上です。私のライブであなたの溜め込んだ涙を流せたら。

 

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Tam Yos Ten

出演を予定していたアーティストが体調不良のためキャンセルになり、前日に急遽ピンチヒッターとしてアナウンスされたTam Yos Ten。5人組のバンドとして活動しているが、この日は山口ルビィ(Vo)、中野壮一朗(Vo,Gt)の二人によるアコースティックセットでステージに上がった。「こんばんは、Tam Yos Tenです」という山口のシンプルな挨拶からはじまり、「Drive my car」、「Beach girl」、「Oh well」と披露。ネオ・ベイサイドポップのコンセプト通り、海へのドライブに120%ぴったりな軽快さで、日が落ち涼しくなってきた風との相性も抜群だ。

「こんにちは・さようなら」では中野のボーカルにスイッチ。ロックンロール濃度が高いギターとボーカルが冴える。歌い終わると「めちゃくちゃ気持ちいい!」と満面の笑み。「ハニービターアイスクリーム」は山口の透明なボーカルが一際映えるメロウな一曲。続く「グッドバイ」、中野ボーカルの「Long vacation」と演奏し、「東京」ではツインボーカルの魅力を遺憾なく発揮した。「金曜なのでお仕事終わりの方もいると思います。みなさん1週間お疲れ様でした」と山口がオーディエンスを労う。最後の曲は、7月に配信リリース予定の「youth」。夏のはじまりに相応しい、爽やかなアップテンポで締めくくった。

中野「めちゃくちゃ楽しかったです。すごく開放的で、気持ちよくて。ありがたい経験でした」

山口「私も外でライブするのがはじめてだったので、すごく気持ちよかったです。外でやるのってこんなに気持ちいいんだなって、いい機会になりました」

中野「今回は急に連絡をもらってびっくりしたんですけど、挑戦してみたかったことなので、二つ返事で出演させてもらいました。普段は下北沢とか高円寺のライブハウスに出ることが多くて、良くも悪くもだと思うんですけど、やっぱり室内は閉鎖的なので音が渋滞して詰まるというか。音を鳴らしている人とか、観てる人の熱がこもるということでもあるので。それがライブハウスの良さというか、特徴だと思うんですけど、ここは自分が鳴らした音が街中に溶けていく感じで。個人的にはやりやすかったです」

山口「部屋みたいに広さが決まっていないので、私たちの声がどこまでも届いていくような気持ちよさがありますね」

中野「今後の目標は、海外に行きたいです。グラストンベリーに出たい」

山口「うん、夏フェスに出たいとおもってます」

Tam Yos Ten(たむよすてん)

5人組バンド、Tam Yos Ten。中野壮一朗が作り出すどこかノスタルジックで風通しの良い楽曲、そこに乗るボーカル山口ルビイのローファイで無垢な声が、早耳インディーファンたちにプチバズり中。現在はネオ・ベイサイドポップという音楽ジャンルを掲げて活動している。7月3日に2ndシングル「Youth」を配信予定。

 

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丸山純奈

丸山純奈は、2017年9月にテレビ朝日「ミュージックステーション」にて番組史上初のオーディション企画『Mステへの階段ウルトラ』を2000組以上の応募者から勝ち抜いて優勝し、アマチュア初として同番組『ウルトラFES2017』に出演。同年12月にはテレビ朝日「今夜、誕生!音楽チャンプ」にも出演し、その歌唱動画は1000万回再生を記録した実力派。

昨年9月には「Kabukicho Music Live vol.9」に出演。それから今回の出演までに、大阪でのワンマンライブや、宇都宮、高崎、梅田、海老名など、ざまざまな土地での路上ライブを経て、シンガーとしての経験を積んできたそう。熱量の高いファンも集まり、シネシティ広場の密度がグッと上昇する。キャップを目深にかぶってステージに登場すると、「こんにちは、丸山純奈です」とシンプルな自己紹介。絢香「三日月」を訥々と、誠実に歌い出す。続いてはsupercell「うたかた花火」。歌い終わると「ありがとうございます」と深く頭を下げる。

新宿で路上ライブを頻繁にやっていた時期によく歌っていた曲だという手嶌葵「明日へ手紙」を披露。次はアコースティックギターを手に持ち、miwa「Love me」、宇多田ヒカル「Be My Last」を弾き語った。16歳で上京し、はじめて作った曲だという「この街」を丁寧に歌い、オーディエンスも聴き入る。これが最後の曲の予定だったが、「涼しいので、もう一曲歌います」と竹内まりや「いのちの歌」を急遽カバー。「ありがとうございました。気をつけて帰ってください」と観客全員に向かって手を振った。

丸山純奈(まるやますみな)

徳島県出身 シンガーソングライター。

 

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