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進化は続く! 歌舞伎町とともに歩み続ける路上ミュージシャン Kabukicho Music Live vol.16

歌舞伎町

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Kabukicho Music Live イベント 音楽
DATE : 2024.05.17
2024年4月13、14日の二日間、歌舞伎町シネシティ広場で「Kabukicho Music Live vol.16」が行われた。昨年4月に開業した東急歌舞伎町タワーの1周年イベントと併せて開催されたこのイベントに、路上を中心に活動しているミュージシャンが6組参加。ようやく春めいた気候と相まって、開放的でハッピーな空間が広がった。

10代も40代も熱い歌声で真剣勝負

KOKONA

トップバッターは若干15歳のシンガーソングライターKOKONA。この春に中学校を卒業し、進学せず音楽に専念することを選んだ。毎週末、地元の静岡から上京して路上ライブを中心に活動している。1曲目は路上で活動するミュージシャンにとっての定番であるHump Back「拝啓、少年よ」、続けて清水翔太「花束の代わりにメロディーを」をカバー。3曲目に歌われた「無名15」は今年1月に彼女にとってはじめての楽曲リリースとなった曲。「こうするのが普通」という世間の当たり前に対する反抗がテーマだ。一転、「依依恋恋」は中学卒業で会えなくなった大切な人に向けて歌われたラブソング。先日、シンガーソングライター優里のYouTubeチャンネルで披露された曲だ。途中、ギターの弦が切れるアクシデントに見舞われながらも歌いきった。

ギターを置き、オケに乗せて最新リリース「メランコリー」をパワフルにパフォーマンスすると、自然とオーディエンスから手拍子が起こった。歌い出す直前に「この一年は自分を信じて突っ走っていきたい」と宣言したのが、楽曲のエモーションを底上げしたのかもしれない。再びギターを手に、中島みゆき「ファイト!」、斉藤和義「歌うたいのバラッド」をカバー。ラストは「こうやって聴いてくれるみんながいるからここにいられます。みんなの明日のために!」と高橋優「明日はきっといい日になる」のカバーを全力で歌った。

「今日は思ったより寒かったし、4曲目で弦が切れちゃってあわあわして焦っちゃったんですけど、すごく楽しくできたと思います。(TOHOビルの)ゴジラがずっとこっちを見てて、圧倒されたりもしたんですけど(笑)、負けないようにがんばりました。私は身長が小さいので、いつもは埋もれちゃう感じなんですけど、今日はステージがあったからみんなの顔がちゃんと見れてうれしかったです。通りすがりの人もけっこう立ち止まって見てくれましたよね。歌舞伎町はちょっと怖いイメージがあったんですけど、思ったよりあったかい街だなと思いました。映画とかドラマがすごく好きなので、今年は何かの主題歌を歌えることを目標にがんばっていきます!」

KOKONA

15歳シンガーソングライター。歌でしか伝えられない葛藤と衝動。その声と言葉を心の奥に響かせる。SNS投稿が同世代の注目を集め、路上ライブでは多くの人が足を止め、その声に耳を傾ける。2024年3曲のオリジナル曲をリリース。2月17日、国立代々木競技場 第一体育館で行われた『A.V.E.S.T project -鼓動-』のオープニングアクトに大抜擢され、堂々としたパフォーマンスが大きな注目を集めている。

 

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杉本ラララ

杉本ラララは2007年から路上で歌いはじめ、バンド活動を経て現在再びソロのシンガーソングライターとしてさまざまな場所で歌を届けている。SEにのせて登場すると深々と一礼。アカペラで高らかに歌いはじめたのは「狐の嫁入り」。民謡を思わせる節回しとメロディーが耳に残る。「海蛍、悲しくて」では自分の喉という楽器を120%鳴らしきっているかのような抜群の歌唱力を披露。「人生をもがき楽しむ、死ぬほど生きる歌うたい杉本ラララです」と自己紹介し、「サイダー」、「死神ナイトフィーバー」と次々パフォーマンス。ファンキーなギターカッティングとブルージーなメロディーで歌舞伎町の夜を彩る。おそらく初見の観客が思わず「歌うまーい」とつぶやいていた。続く「妄想とエーデルワイス」ではパーカッシブなギタープレイを見せつける。

「実は今日は喉の調子がよくないんです。本来なら歌声でビルのガラスが全部割れるんですけど」と真顔でMCし、バラードの「とわのまほろば」を歌う。「ゴライコー」では、他人の苦しみに寄り添える繊細な自分を大切にしてほしいという願いが込められた絶唱を響かせた。NHK『釣りびと万歳』のテーマ曲でもある「きみの町まで」をオーディエンスの手拍子とともに歌うと、シネシティ広場の体温は上昇し、大きな歓声が送られた。

「ビルに反響して音がめちゃくちゃいいし、すごく気持ちいいですね。後ろのビジョンは大きすぎて恥ずかしいですけど(笑)、こんなに綺麗に映していただいて夢のような時間でした。クローズドな会場とは違って通りがかりの人にも聴いてもらえるという路上の良さを、しかも公認のイベントでできるというのはすごいことだと思います。許可を取ることも想像しただけで大変なので、そういうステージに自分が立たせていただいたと思うと胸が一杯です。昔から路上でライブをやると海外の方がたくさん立ち止まってくれるので、海外の方が多い歌舞伎町はそういう意味でも自分に合ったステージだなと思いました。自分は今年で40歳になるんですけど、同世代でも挑戦してる人はたくさんいますし、自分もそうありたいです。歌を聴いてくださった方が明日も頑張ろうって思ってもらえるような、そんな歌がこれからも歌えたらと思いますし、そこに磨きをかけていきたいですね」

杉本ラララ

山口県下関市出身。“人生をもがき楽しむ、死ぬほど生きる”を座右の銘に全国を旅して活動するシンガーソングライター。生きづらさを抱える人たちに向けて、生きる希望や喜びを歌にして届ける。NHK『釣りびと万歳』番組テーマソング担当中。一緒に生きていきましょう!

 

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和佳奈

ボイストレーナーとしても活動しながら、路上ライブなども精力的に行う和佳奈。この日は1ヶ月以上ぶりの路上ライブだそうで、鍵盤奏者と二人でステージに登場した。MISIA「アイノカタチ」のカバーでスタート。どんどん人が集まってくる。次に歌った「Memories」は友人に向けて書いたラブソングで、昨年12月に配信リリースしたばかり。「自分がこうしてシンガーソングライターをやっているルーツの曲を歌いたい」とMr.Children「Sign」、あいみょん「桜が降る夜は」、Mr.Children「365日」をカバー。特に「365日」については「ミスチルさんで一番好きな曲。いつになったらこんなに素敵な歌詞が書けるのかなって。今年は自分の歌詞でみなさんに何か届けられるようにがんばります」と決意を新たにしていた。

「自分の歌声を誰が聞いてるかわからないことを最近実感するんです。いつも新鮮な気持ちで歌わないといけないなって。そんな気持ちで歌います」と、秦基博「鱗」、シェネル「君に贈る歌~Song For You~」をカバー。カバー動画がSNSで話題になり、本人曰く「ここに立てるきっかけになった曲」である小田和正「たしかなこと」をしっとりとカバーし、ライブを締めくくった。

「気持ちよかったです。久しぶりの路上ライブだったので、こんなにたくさんの方々が立ち止まってくれたのもとてもうれしかったですね。先日、東急歌舞伎町タワーの横でも歌わせてもらったんですけど、今日は路上ライブというレベルではないイベントというか。大きいビジョンもありますし、歌声だけじゃなく視覚からも新しい方が私を認知してくれる機会になってうれしかったです。自分のワンマンが4月20日にあるんですけど、それにむけてオリジナル曲をいろいろ書いていて、そうしたら自分のルーツの曲が聴きたくなって。その影響で今日はそういった曲のカバーも多めに歌いました。今後はカバーはもとよりオリジナル曲で足を止めてもらえるアーティストになりたいので、今年は楽曲制作に力を入れるのと、1000人規模のライブハウスを埋める、ピアノの弾き語りだけで武道館に立つ、そういった目標に向かってがんばっていきたいです」

和佳奈

シンガーソングライター。幼い頃から幅広くクラシック音楽に触れる。培った知識や表現力から織りなす歌声が人々を魅了。都内でボイストレーナーとしても活動する傍ら、路上ライブなども精力的に行い、TikTokではその様子を切り取った動画が1000万回以上再生される。

 

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