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“好きな空間”という共通項がひとを繋ぐ。DJが語る、クラブの魅力

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DATE : 2023.08.02
約3年弱にも渡るコロナ禍で、いわゆる「夜遊び」シーンは縮小を余儀なくされていた。その関係で、「クラブに行ったことがない」という20代も多いのではないだろうか。MASH UP!KABUKICHOでは、そんなクラブへ行ったことのない若者たちが、クラブシーンで生きる人々に話を聞くという座談会を催した。「そもそもクラブってどういう楽しみ方をするところなのか」など初心者向けにいろいろ語ってくれたクラブラバーたち。その中でも、都内で精力的に活動するDJであるお二人、ChibichaelさんとSam is Ohmさんのお話を紹介しよう。

ダンスミュージックとの出会いから自然とDJの道へ

Chibichael(以降チビケル)さんのDJネームは「自身の音楽のルーツ」だという、マイケルジャクソンの「Michael」から取ったのだとか。

「両親は音楽好きで、物心ついたときからいつも音楽が流れているという環境だったんです。マイケルジャクソンが亡くなった当時、僕は小3だったのですが、その頃マイケルのビデオを見てハマりましたね。やっぱり衝撃的なパフォーマンスで。その後ヒップホップのダンスを始めるきっかけになったんです」

学生時代はダンスに傾倒し、マイケル関連のイベントに出演したこともあるのだそう。DJプレイ中にオーディエンスを盛り上げるパフォーマンスが激しいことで知られるチビケルさん。マイケルがルーツと聞いてかなり納得してしまう。ではなぜダンスからDJに移行していったのだろうか。

「実はいつどうやってDJを始めたかというのはあまり明確に覚えていないんですが、DJプレイが楽しめるスマホアプリをいじったのが始まりだと思います。なんとなく始めたんですよね」

趣味程度にやっていたことが、次第に全国からオファーを受けるようになっていくのは、「現場を重ねるうちに」というDJあるあるなのだそうだ。

「初めはいわゆる“身内のパーティー”で短時間DJをやらせてもらう。何回かやるうちに時間が延びたり、いわゆる“メイン”みたいな時間を任せてもらったり。そこにいた他の知り合いや、そこで知り合った人に『DJよかったよ、今度うちでやってみない?』と声をかけられる……そういう風に段々お呼びがかかるようになっていくんです」

一方、Sam is Ohm(以降サム)さんも、ダンスミュージックの世界へ足を踏み入れるきっかけはダンスだったそうだ。

「ヒップホップやR&B、エレクトロなどさまざまなジャンルの音楽でダンスをやっていた関係で、ダンスミュージックへの興味は自然とあったんです。なのでクラブへ行くことはそんなにハードルは高くなかったように感じますね。普通に遊びに行っていました」

ダンスミュージックが好きで、お客さんとして行っているうちに、その空間そのものが好きになったのだとか。

「クラブにいるお客さんってすごくハッピーそうで、多幸感あふれる空間だなと思ったんです。それで、この空間を作っている“DJ”になりたいと思いました。ダンスも楽しかったのですが、当時は少し部活とかスポーツの性格が強くて少し疲れてしまっていたんですよね。同じダンスミュージックに携わるなら、ダンスより『とにかくハッピーな空間になるように』しているDJの方が僕に向いていたんだと思います」

その後のDJとしてのステップはサムさんも首をかしげる。

「DJのなり方って難しいですよね(笑)。いつからDJかというと、本当に自分が名乗った瞬間からだと思いますよ。とはいえクラブやミュージックバーでプレイしているDJは、呼ばれないとプレイできない。まずは知り合いから、その次は“知り合いの知り合い”から……という感じで、徐々に呼ばれるようになっていきますね。僕の場合は“いきなり本番”な感じでした。ある日、知り合いに『できるよね?』みたいな感じで頼まれて。なので、やっぱり現場を重ねていくことが今に繋がったんだと思います」

“音楽を超えた“過ごし方? クラブシーンは空間ビジネスだ

いつの間にか、クラブシーンと共に生きるようになったおふたり。クラブの最大の魅力は何なのだろうか。

「クラブって、すごくシンプルに“非日常”じゃないですか? そこにいる人がどんな日常を生きているかがまったく関係ない。隣で踊っている人は、どこかの会社の偉い人かもしれないし、無職の人かもしれないし、旅人かもしれない。ただ“この音楽が好き”という共通項でたまたま同じ時間に同じ場所にいる。それって凄いことじゃないですか?」とチビケルさん。

クラブという場所でないと出会わない人と出会える……。確かに、レストランで知らない人と出会わないし、仕事で“まったく違う世界の人”と出会うこともなかなかない。バックグラウンドが違う人に自然と出会えるのはクラブ最大の面白みなのだ。

クラブラバーがこぞって言う「知り合いが増える」ということの真髄はここにあるのだろうか。

「クラブは空間ビジネスなんですよね」と話すサムさん。

「カラオケボックスや居酒屋など、お金を払って楽しい時間を過ごす場所は世の中にたくさんあると思うんですが、クラブはオープンな場所であり、いろいろな人にコンタクトをする機会が多いところが他の場所と違うと思います。別にナンパとかでなくとも、同じような音楽が好き、同じようなお酒が好き、同じようなダンスが好き……などで繋がれますよね」

音楽を楽しむだけでなく、人々の出会いやコミュニケーションの場としての「ソーシャルな場所」だというクラブ。「話しかけなきゃ!」と気負わなくても、お酒や音楽、空間の力で自然と会話が生まれるのだ。

「クラブはソーシャル」というのは比喩でもなく、自分のコミュニケーション次第でどうとでもなるし、相手の受け方次第でも変わるとサムさんは語る。

「だからあまり期待しすぎない、押し付けないというのは大切かもしれませんね。あくまでもコミュニケーション次第だから、いくら共通項があっても、話しかけなきゃ始まらないし、逆に話しかけても相手が嫌だったら成立しない。それを理解すればすごく楽しい場所になりますよ」

来なきゃわからない、その魅力。みんなが思うほど怖い場所じゃない

今回「クラブに行ったことがない」という学生を相手にその魅力を語ってくれたDJのおふたり。話をしてみてかなり新鮮だったと声を揃える。

「すごく真面目だなと思いましたね、どんな場所なのか、どうすればいいのか、こういうことに困らないか、など、たくさん質問してくれた。ただ、僕らが想像している以上にクラブに対して“怖い”というイメージを持っているんだなと思いました」と苦笑いするチビケルさん。

現在は風営法がきちんと遵守されるクリーンなクラブが多く、その点は安心してほしいと語るが、やはり犯罪の温床であるかのような怖い場所というパブリックイメージが強いことに驚きを隠せない。

「怖いからなんだろうけれど、どういう場所なのか、事前にみんな知りたいんだなと思いましたね。お金を出すなら、失敗したくない、好きな場所を選びたいという思いが伝わって来ました」とサムさん。

近年は、音楽以外の、ファッションやアートなどさまざまなコンテンツを楽しめるクラブが増えてきているという。

「もちろん基本的には音楽を楽しむ場所なので、音楽を聴いて踊って楽しんでほしいですが、今はどのクラブもSNSで情報を発信しています。そこでピンと来た場所に行って、自分なりのクラブの楽しみ方を見つけるのもアリだと思いますね」

まずは、Instagramなどでお店の雰囲気を知り、行ってみる。その空間や流れている音楽が気に入ったら、その同じ空間が好きな人と出会ってみると、本当にクラブの魅力がわかるかもしれない。

ChibiChael (チビケル)

2000年、東京都世田谷区生まれ。
幼少期にマイケルジャクソンに感化され音楽、ダンスにのめり込んでいく。世界的ダンサーでありアーティストのケント・モリ氏との出会いにより、マイケルジャクソンオフィシャルイベント等出演。
唯一無二のグルーヴや音楽センスを武器にプロデューサー、DJ、ラッパーとして活動している。

またインターネットテレビ局ABEMAの番組ABEMAMIXにレギュラーDJとして出演し、年間ベストDJを視聴者投票で決定するABEMAMIXAwards2021ではSilver Prizeを受賞し、大きな話題を呼んだ。

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Sam is Ohm

Producer / DJ
aimi、Kick a Show、倖田來未、KEN THE 390、G.RINA、MALIYA、lyrical school、Leon Fanourakis、ZEN-LA-ROCK、
様々なアーティストへ楽曲、REMIXを提供し、また、CP CAMPANY、SAMANTHAVEGA、NOAH clothing、大正製薬、doublet paris collection
CM楽曲やショー音楽、劇伴音楽も担当し幅広く活動中。
音楽を作る事を念頭に置きつつ健康にも気を使っていきたい。

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MASHUPエンカル部

MASHUPの活動をサポートする学生メンバーが発足した「MASHUPエンカル部」。
気になるエンタメ・カルチャーに関わる人々が「好きになったきっかけ」や「楽しみ方」をヒアリングしながら、魅力について探っていく活動です。

 

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写真:玉井俊行
文:MASH UP!KABUKICHO編集部

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