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歌舞伎町レシピvol.1「とんかつ茶づけ 新宿すずや」の豚汁

歌舞伎町

インタビュー 食べる
レシピ
DATE : 2020.06.12
歌舞伎町にある名店の、あの味を自宅で再現! 
新型コロナウイルスの影響により、まだまだ積極的に外出しづらい状況がつづいています。そこで「歌舞伎町レシピ」では、家庭でも簡単にできる人気店のレシピをこの街きっての職人&シェフがご紹介。
第1回目は1954年創業の老舗とんかつ店「とんかつ茶づけ 新宿すずや」の「豚汁」レシピをお届けします。

歌舞伎町と歩んできた老舗の隠れ名物

1954(昭和29)年、歌舞伎町で創業した「すずや」。茶房からはじまったこちらは、長らくこの街で愛されてきた老舗だ。ここならではの名品「とんかつ茶づけ」をはじめ、特製パン粉で揚げるサクッとジューシーなとんかつは、この街を訪れる人の活力の源となってきた。

創業当時から多くの人々に親しまれてきた「とんかつ茶づけ」(1630円)。ごはんや味噌汁、漬物に付け合わせの茹で炒めキャベツ等、とんかつ以外はすべてお代わり自由。「野菜もたっぷりとって栄養バランスのいい食事を楽しんでほしい」と、街・人と歩んできた同店らしい想いが込められている。

そんな「とんかつ茶づけ すずや」で教えてもらうのは、隠れた名物という冬季限定メニュー「豚汁」のレシピ。勤めて10年になる調理部長の森山さんに、お店ならではの工夫を案内いただきながら作ってもらった。

教えてくださるのはこの方!

調理部長・森山和昭(かずあき)さん。「『豚汁』は冬季に日替わりの汁ものとして出しています。秋葉原店では通年で食べることができるのですが(プラス120円、おかわり自由)、9割の方がおかわりする人気ぶりです」(森山さん)

「ご家庭で材料もそろえやすく、年間を通して食べてほしい一品」と森山さんは話す。家庭料理の定番である「豚汁」だが、職人が仕立てると一体どんなおいしさになるのだろうか? それでは、自慢のレシピをどうぞ。

隠れ名物「豚汁」の作りかた

具沢山な「豚汁」は、旨味あふれるコク深い一杯

3つの工夫でぐっとお店の味に

「レシピはいたってシンプル。ほんのひと工夫が大事なんですよ。ポイントは大きく3つあります」と森山さん。

1)野菜を炒める際はごま油を使う

2)ゴボウは皮を剥かずに、笹がきに近い薄切りに

3)肉は豚バラ一択

材料はこちら

大根とニンジンはいちょう切り、たまねぎは粗めのみじん切りにしておく。豚肉とジャガイモ、こんにゃくは食べやすい大きさにカットしてOK

▼4人分(時間約20分)

豚肉・・・150g

ゴボウ・・・1/3本

ニンジン・・・1/4本

大根・・・約4cm分

タマネギ・・・1/2個

ジャガイモ・・・1個(小さめサイズなら2個)

こんにゃく・・・100g

ダシ汁(かつお&昆布)・・・100cc

醤油・・・大さじ1

砂糖・・・ひとつまみ

ごま油・・・小さじ1

味噌・・・100g

飾り用の長ネギ・・・少々

1)具材を炒める

ごま油をフライパンに入れ、中火で豚肉を炒める

「ごま油を使うことで風味がよくなり、豚バラの脂がおいしい甘さを加えてくれます」(森山さん)。

ある程度火が通ったら、そこにゴボウを加えよう

香りがたってきたらニンジンも入れ、油が回るまで炒めたら一度置いておく

「ゴボウは皮を剥かず薄切りにすると、ふわっと香りがたちますよ」(森山さん)。

2)別の鍋でダシを火にかける

煮立ってきたら砂糖とタマネギを入れて、沸騰するまで強火で煮立たせる

3)アクを取りながら煮立たせる

おたまで余分なアクを取っていく

「すべての工程で大事なのが、こまめにアクを取ること。こまめに見ながら煮立たせてくださいね」(森山さん)。

4)野菜を加えながら煮込んでいく

煮立ってきたら大根、こんにゃくもイン

「ここから約3分、アクを取りながら強火で煮込み続けましょう」(森山さん)。

3分後、ジャガイモを加えたら…
炒めておいた野菜も入れましょう

「このタイミングで、火加減を中弱火に! ここからさらに10分煮込みますが、5分経ってアクが抜けてきたら弱火にしてください」(森山さん)。

10分たったら醤油を加えてひとまぜ

5)味噌を溶く

ザルを使ってみそを溶き、少しばかり煮込む

「味噌を溶いたあとに沸騰させると香りが飛んでしまうので、煮立つぎりぎりの火加減を保つのがコツです」(森山さん)。

完成!

香りが出てきたら完成の合図

ひと工夫でプロの味に

コク深く素材の味わいが染みた「豚汁」は、リピーターが多いのも納得なうまさ

レシピのポイントは「コクと香り」。ほんのひと工夫でここまで変わるのかと、老舗らしい細かなコツには驚くばかり。
森山さんに聞いた3つのことに気を使ってみたら、いつもの一杯がぐっとおいしくなるはず。

text:金城和子
photo:編集部

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