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【NEXT UP! #16】COCOA:世界が驚く、唯一無二のアニメーションダンス

歌舞伎町

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NEXTUP
DATE : 2026.03.30
劇場、ライブホール、屋外ステージ、路上ライブスペース、ナイトクラブ──さまざまな“表現の場”が、東急歌舞伎町タワーにはある。ダンサー、シンガー、アイドル、DJ…。そこで日々パフォーマンスを行うクリエイターたちの顔ぶれもまた、幅広い。

あらゆる価値観が交差する歌舞伎町に集う次世代の才能たちの、過去・現在・未来に迫るインタビューシリーズ「NEXT UP!」。

第16回は、ダンサーのCOCOAが登場。独学で学んできたアニメーションダンスの腕を存分に発揮し、「Kabukicho Street Cypher」で優勝を果たした際のパフォーマンスを収めた動画は、Instagram上で2000万回以上の再生回数(2026年3月時点)を記録し大きな話題を集め、グローバルな知名度を獲得。世界から注目を集める12歳の彼女に、これまでの歩みやこれからの目標について聞いた。

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<NEXT UP!的 推しポイント>

  1. 無数の靴を履き潰し…超ストイックな練習量

  2. 再生回数2000万回超。国内外からの高い注目度

  3. 独学で極めるオリジナルのアニメーション。新ジャンル確立を目指して

COCOA(ココア)

2013年7月生まれ。千葉県出身。飲食店の娘として生まれる。保育園に入園してからは毎日大泣きしていたが、園庭で音楽が流れると踊っていたことがダンスを始めるきっかけに。5歳でダンススクールに通うようになりヒップホップを習い始める。小学校3年生のときにはガールズヒップホップのレッスンも開始。父親がお店の一部を改装してスタジオを作り、毎週先生に来てもらい練習をしていた。その後アニメーションダンスに興味を持ち、独学で動きを研究。アニメーションダンスを基盤として、音楽や物語、感情表現を重ね合わせてどんなジャンルも踊りこなす「ココアニメーション」の確立と国内外への発信を目標としている。

主な実績

「マイナビDANCEALIVE 2026 KIDS KANTO vol.0」(2025年12月21日 優勝)
「ALL DANCE SOLO CONTEST 2025」 FINAL 優勝
「Kabukicho Street CYFPHER」(2026年1月14日)優勝
「SUKI-1 ダンスバトル」(2026年1月18日オーバーオール総合優勝) など

Instagram

—Beginning— 
泣き虫の園児がダンスに出会うまで

― ダンスを始めたきっかけを教えてください。

保育園に入ってお母さんと離れたくなくて泣いてたんですけど、園庭で朝の体操の音楽が流れると泣いていても踊っちゃって。それを見たお父さんとお母さんが「ダンスを始めてみれば?」って言ってくれたのがきっかけです。

― 実際にダンスを習い始めてみて、すぐに楽しめましたか?

最初に行ったスクールの雰囲気がちょっと怖くて、通うのを辞めちゃったんです。でも、その後に保育園の友達が通っていた別のダンススクールに行ったら、そこの先生がすごく優しくて、踊ることが楽しいと思えて、今でもそのスクールに通っています。スクールに行くとわからないところや新しい動きを先生が教えてくれるので楽しいです。

― 最初に習ったジャンルは?

最初はヒップホップを習いました。スクールに入って1ヶ月後にイベントがあったので、「本番までにちゃんと振り付けを覚えるからイベントに出たい」って先生にお願いして、お父さんと猛特訓しました。K-POPの曲をやったんですけど、ちょっと女性らしい仕草を入れたいと思って振り付けを自分で変えちゃったんです。それでも先生は怒らずにいてくれたし、お父さんもお母さんも「個性を大切にしよう」と言ってくれていました。そのあと、小学3年生のときからプライベートレッスンでガールズヒップホップを習い始めました。家がアジア料理のお店をやっているんですけど、お父さんがお店を改装してスタジオを作ってくれたので、そこで練習をしていました。今でもお店の外に大きい鏡を出して、雨と雪の日以外はそこで練習をしています。

ダンスの楽しさを教えてくれたヒデ先生(右)、コンテストの楽しさを教えてくれたみく先生(左)

― プロを目指したきっかけは?

ガールズヒップホップの先生がD.LEAGUEのサブステージで踊るから見においでと誘ってくれて、初めてプロリーグを見たんです。前から見ていたKADOKAWA DREAMSっていうダンスチームもいて、「やば!かっこよ!」って衝撃を受けました。他のグループを見たときも世界観に感動して、自分もこんなふうに踊りたい、プロになりたいと思うようになりました。

― アニメーションダンスを始めたきっかけは?

2年前くらいにYouTubeでアニメーションダンスを見てハマったんです。それでお父さんとアニメーションをやってみようということになりました。お父さんはダンス経験者ではないんですけど、一緒にああしてみようこうしてみようっていう感じで考えてくれて、アニメーションの動きをどんどん取り入れていきました。

—Essence— 
「唯一無二」を目指す研究と試行錯誤

― アニメーションもこれまでと同じ先生に教えてもらっているんですか?

アニメーションは独学です。ヒップホップの先生に「アニメーションをやりたい」って伝えたときは「先生はヒップホップが専門だからちゃんと教えられないけど、やってみよう」って言ってくれて。アニメーションの基礎はポッピンっていうジャンルになるんですけど、先生がわざわざポッピンを習いに行って私に教えてくれたり、知り合いのポッピンのダンサーにいろいろ聞いてくれたり、いっぱい応援してくれています。

― 独学で学ぶ難しさはありますか?

自分らしく学んでいけるので楽しいです。他の人に似るのは嫌だし、唯一無二でいたいので、そのためにはどうしたらいいか考えていろいろ試しています。いろんなアニメーションダンサーの動きを少しずつ真似して、それを自分なりに変形させて取り入れています。

― COCOAさんは今年の4月から中学生になるわけですが、学校生活とダンスはどうやって両立させているのですか?

今は週1回ダンススクールに行っていて、あとは学校から帰ってきたらお店の外で練習しています。16時くらいに帰宅したら21時とか22時くらいまでは練習です。練習しすぎてスニーカーが1ヶ月に1、2足壊れます(笑)。練習が終わったら、次の日に練習するテーマを決めることを習慣にしています。今日チャレンジしたことがまだまだ足りなかったら同じことをしたり、また新しくテーマを決めたり、日によって変わっていきます。

― その習慣はダンスを始めた頃からあるのですか?

アニメーションを始めて少し経った頃からですね。テーマを決めないと、よく考えずに練習メニューを組んでしまって、練習が甘くなっちゃうんです。プロダンサーになるにはどんどんうまくならなきゃいけないし、毎日うまくなるにはどうしたらいいんだろうって考えて、テーマをしっかり決めれば深い練習ができそうだねってお父さんと決めました。そういう振り返りを習慣にしてみると、そもそも練習量が足りなかったことにも気づいて、練習時間も増えました。

― 寝ても覚めてもダンスに没頭している日々なんですね。今までの活動を振り返って見て、一番苦労したことは何ですか?

アニメーションを始めてからバトルに出たときは、予選で勝ち上がれなくて辛かったです。勝つためにはポッピンの基礎である「ヒット」を打つことが必要だったんですけど、私はヒットではなくアニメーションがやりたくて。技術力もなかったから、なかなか勝ちに結びつかなくて。わざわざ遠方のバトルに行ってもすぐに負けて帰宅することもありました。家に帰ったらまたすぐ練習を再開して、コツコツ基礎練をしたり、どんなダンスが予選を上がれるのかとか分析したり、バトルについても考えるようになりました。

少しずつ予選を上がれるようになって、独学でアニメーションをしていると言うと、いろんなジャッジの人にびっくりされて。「そのまま独学で続けて、誰にも習わないよ方がいいよ」と言われることも多くなりました。誰かに習っちゃうとその人のスタイルに影響されちゃうので、私の目指すスタイルは独学が向いているんだと思います。

― 徐々にCOCOAさん独自のアニメーションダンスが確立されて、評価もついてきているわけですね。最近で一番手応えを感じた出来事は何ですか?

去年の12月に開催された「マイナビDANCEALIVE 2026 KIDS KANTO vol.Ø」は楽しかったですね。いつもだったらこういうときはお父さんがいて、一緒に作戦を立ててくれるんですけど、このときはお父さんは会場に入らないで外の駐車場で待っていたんです。自分一人で会場に行って、自分なりに作戦を立てて踊りました。ちゃんと自分で考えて自分のダンスを踊ることができて、それが勝ちにつながったのがすごく嬉しかったです。

—Future— 
憧れられるダンサーになるために

― COCOAさんは「Kabukicho Street Cypher」にも度々出場されていますが、さまざまジャンルのダンサーと交わるこのイベントは、COCOAさんにとってどんな場所ですか?

「Kabukicho Street Cypher」は無料で参加できるし、色々な人に見てもらえるので毎回楽しみにしてます。海外のお客さんが多くて、踊っていると歓声が上がって会場の空気もあたたかくて、他の日本のバトルとは空気が違うなって感じます。

年の離れたお兄さんお姉さんとも友達になれたし、バトルだからこそ出てくる動きがあるのが楽しいんです。もちろん、力を出しきれなくて悔しい思いをすることもありますけど。

― 2026年1月の「Kabukicho Street Cypher」で優勝したときのパフォーマンス動画は、Instagramで2000万回以上の再生を記録していますよね。海外の方にもCOCOAさんのパフォーマンスが届いたことで、モチベーションや気持ちに変化はありましたか?

動画を見てくれた人たちからは、「アニメーションがスムーズだね」って反応が多くて嬉しかったです。足をスムーズに動かすことは、自分が気をつけていることだから、それが伝わってるんだな、って。「音の取り方が日本人離れしてるから、海外に行ったらもっとウケるはずだよ」ともよく言われます。今回動画をきっかけに海外の人からの反響が多かったので、やっぱり海外のバトルにも参加しに行きたいなって思うようになりました。

― あのパフォーマンスをしているときは、どんな心境でしたか?

あのときは相手のダンサーさんがすごく上手で、勝てるか不安だったんですけど、なぜかいけるって自信があって。2ターン目に大好きな曲がかかったので、音ハメもできてめっちゃ嬉しかったです。

― COCOAさんが「良い踊りができた」と感じるのはどんなときですか?

パンッとスイッチが入ったときです。スイッチが入ると自分の世界に入って無意識に指先までコントロールしながらアニメーションを踊ることができます。バトル中に友達と話したり遊んじゃったりするとそのスイッチが切れちゃうので、集中力を取り戻すのが大変ですね。

― Instagramのプロフィールには「どんなジャンルも踊ってみせる!!」と書かれていますが、今後チャレンジしたいことは?

「COCOANIMATION」っていう新しいジャンルを作りたいです。アニメーションダンスをベースにして、音楽や物語、感情表現を重ね合わせてどんなジャンルも踊りこなすのが私が形にしたいスタイルです。そのために今はいろいろなアニメーションダンサーの動きを自分なりに解釈して、それを組み合わせていきたいと思っています。世界のバトルにもCOCOANIMATIONで出たいです。

― 最後に、将来の目標を教えてください。

みんなに憧れられるダンサーになりたいし、COCOANIMATIONをやってみたいなって言ってもらえるようなジャンルにしていきたいです。あとは、やっぱり世界のステージやすごい面子のジャッジが揃っているバトルにも出ていきたいですね。

文:飯嶋藍子

インタビュー写真:谷川慶典

サイファー写真:鈴木大喜

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