新・歌舞伎町ガイド

エリア

FOLLOW US:

人気急上昇中のオネエユニット・ENVii GABRIELLAが、歌舞伎町のナイトクラブで自身の音楽を語る!

歌舞伎町

観る 遊ぶ
ダンス 音楽
DATE : 2024.09.30
“オネエがお届けする総合エンターテイメントユニット”、ENVii GABRIELLA。通称「エンガブ」。

リーダー・Takassyが手がけるハイクオリティな楽曲と、観る者を惹きつけてやまないパワフルなパフォーマンスに、注目度上昇中の3人組だ。今年2024年にはキャリア初となるZepp DiverCity(TOKYO)公演がソールドアウト。YouTubeチャンネル「スナックENVii GABRIELLA」で魅せる切れ味の鋭いトークも人気で、視聴者によるコメント欄の盛り上がりも話題になっている。

そんなエンガブの世界観を作り上げる、メンバーの“こだわり”とは? 彼らのクリエイティブの源泉を探るべく話を聞いた。

今回インタビューの場所になったのは、歌舞伎町のエンターテインメントダイニングバー「KUJIRA ENTERTAINMENT」。サイバーパンクとエンガブが交差する、撮り下ろしフォトシュートにも注目を!

ENVii GABRIELLA

Takassy(タカシ)、HIDEKiSM(ヒデキズム)、Kamus(カミュ)からなる、まさに唯一無二、最強オネエ・ユニット。それぞれが違うフィールドで活躍したのち、2017年3月よりユニットでの活動を開始。“動画で楽しむ新宿二丁目”をコンセプトに、同年よりスタートさせたYouTubeチャンネル「スナック・ENVii GABRIELLA」が話題をよび、チャンネル登録者数約20万人を達成。今なおファンを増やし続けている。また、メインの音楽活動では、YouTubeチャンネルで見られるお茶目な素顔からは想像できない圧倒的なヴォーカル、3人の息の合ったダンスパフォーマンス、さらにトレードマークである、ピンヒールを着用しての華麗なパフォーマンスも大きな話題を呼んでいる。2021年、キングレコードよりメジャーデビュー。

どんなジャンルに挑戦しても、その根底には必ず「エンガブ」という軸がある。3人が表現する多面的な魅力

Takassy。エンガブのリーダーであり、ユニットの楽曲・アートワークを担当。

─ 型にはまらない幅広い音楽性が、エンガブの魅力のひとつです。ジャンルを縛らず活動する理由について、教えていただけますか。

Takassy:もともと3人の好きな音楽ジャンルがバラバラで。それぞれの好きなことは、全部やりたいというか。私たちのやっている音楽は「ポップス」だと考えていて、そもそもポップスとはいろんなジャンルのミクスチャー。だから成り立つ部分もあると思います。

それに、アーティストのもつ一面だけではなくて、多面的な角度で魅せられるようにしたいんです。どんなジャンルに挑戦しても、その根底には必ず「エンガブ」という軸がある。だからこそ表現できる、いろいろな自分たちの形を届けていけたらと思っています。

─ Takassyさんはエンガブ結成前からアーティストとして活躍されていますが、ユニットとしてさまざまなジャンルに挑戦していく姿勢は、ある程度、狙いを定めてやっているんでしょうか。それとも、感覚のままやりたいことに取り組むイメージですか?

Takassy:そこは複合的に考えています。最新の音楽トレンドもリサーチしつつ制作しているのですが、曲が世にリリースされるのは半年以上あとになるので、その頃には流行が移り変わっている可能性もあります。なのであまり考えすぎず、自分の感覚も取り入れています。

それに、3人とも人を驚かすような、意表をつくパフォーマンスが好きなんです。YouTubeの企画やライブのMCでは、バラエティっぽい素の状態を見せているんですけど、パフォーマンスになった途端ガラッと雰囲気を変えたりとか。楽曲をリリースするときも、予想もつかないジャンルで聴く人を楽しませたいんですよね!

HIDEKiSM。企画、マーケティングを担当するユニットのムードメーカー。

─ 楽曲制作の中心はリーダーのTakassyさんですが、HIDEKiSMさんとKamusさんは何か意見することはありますか。

HIDEKiSM:Takassyの作るものに信頼があるので、基本的にはお任せしています。でも、私たちにも折に触れて聞いてくれるんですよ、「今はどんな音楽が好き? どういうのがやりたい?」みたいに。たとえば今年5月リリースの『DVORAKKIA』の制作中は、私自身はチル系の曲をよく聴いている時期で。そのことをちらほらシェアしていたら、汲んでくれました。

─ ふだんからメンバーのお話をよく聴いていらっしゃるとは、さすがはリーダーです。

Takassy:いやいや(笑)。

HIDEKiSM:でも本当、すごく(会話の内容を)拾ってくれるんですよ! Kamusが不意にいい出した“豪華ネェサン”とか、私が“ハッピーハッピーウェイウェイドンチー”とかわけのわからない言葉を発していたら、「それゴロいいじゃん」なんて曲にしてくれました(笑)。なので、Takassyが中心ではあるんですけど、3人のテイストが織り混ざっているんです。

Kamus。ユニットの振付けを担当。

─ 不思議と3人らしくまとまっていくんですね。

Takassy:そうですね。作品によって作り方は変わりますが、完成形がちゃんと「3人の曲」になるように、普段から2人の意見をキャッチするようにしていて。HIDEKiSMとKamusが「なんか好きじゃないな」って曲はやりたくないんですよね。最終的にはやっぱり、3人でパフォーマンスしている姿がイメージできる曲を作るようにしています。

─ 作詞におけるこだわりはありますか? 聴く人の背中を押すような、まっすぐな強さを感じる言葉に、勇気をもらっているファンも多いです。

Takassy:「わかりやすく伝わる」ということが第一です。とくにアルバムのリード曲だったりとか、気持ちのこもった曲だったりは、あえてシンプルな言葉にするように心がけています。難しい言葉選びもかっこいいんですけど、エンガブではストレートに、一聴して意味がわかることを大切にしていますね。

3人で作り上げる圧巻のパフォーマンス。インスピレーションの源を探る

─ MVやライブパフォーマンス、ビジュアルなど、作品ごとに作り込まれた世界観もエンガブならでは。3人でアイデアを出しながら作り上げているそうですが、クリエイティブへのインスピレーションはどんなときに浮かびますか?

HIDEKiSM:映画、音楽、舞台……好きなエンタメに触れていると、参考になることは多いです。どういうもので人は楽しむのかな? 涙するのかな?とか考えながら。

でも、日常のなかで、影響を受けないものってないと思うんですよね。こういう、KUJIRAみたいな場所に来ても、誰かと会っても、日々生きているとインスピレーションを受けている気がします。

─ 特別なにかをインプットしようとしなくても、作品に表れるものなのでしょうか。

HIDEKiSM:そう思います。(Kamusに)いかがですか?

Kamus:私?(笑)。私はもともとショービズの世界にいたこともあって、今でも時々遊びにいかせてもらっているのですが、そのときインスピレーションを受けることが多いかな。ショーを観に来るお客さんにはいろんな人がいますよね。だからこそ、全部の演奏曲がすべての人に均等に“刺さる”ことはないと思うんです。

映画なんかもそうですけど、全部観たあとにセリフを一字一句覚えていることはなかなか難しい。でも、そのときの自分にハマった「このシーン」は頭にしっかりと残るじゃないですか。記憶に刻まれるワンシーン、そういう瞬間を逃さないように、吸収するようにしています。私たちのパフォーマンスを観たお客さんに、ひとつでも多く何かを残せるように……そんな気持ちで向き合っています。

Takassy:そうですね、私は常に作品作りのことを考えているんですけど……まず、同じ音楽界隈からは、インスピレーションを受けないようにしています。「真似した」って思われるのがすごくいやで。自分も真似されたくないんですよ! それこそ、違うジャンルのものを“マッシュアップ”させるのがすごく好きなので、本や絵画、お芝居なんかを参考にすることが多いです。

たとえば「絵画が動きだしたらどうなるんだろう?」とか。そういうところを、作品の世界観づくりに活かしています。

─ 世界観の作り込みは、まず「コンセプトありき」で始まるイメージですか?

Takassy:基本はコンセプトありきですね。アルバムもライブも、衣装もそうです。私たち3人とも、コンセプトやストーリーを考えるのがすごく好きで。どの作品にも「裏設定」というか、必ず物語の筋を用意しています。

ただ、受け手の解釈を限定したくないという思いもあって。その内容は、あえてあまりいわないようにしています。ファンのみなさんの「考察」をSNSで見るのも楽しいんですよ。「全然違うよ!」と思うこともありますが(笑)。

Kamus:「そういう考え方もあるんだ」みたいなね。

Takassy:逆に「近い! なんでわかったの!?」というときもあったり。私たちからしてみると、そういう面白さがあるんです。

ステージでは綺麗に見られたいし、かっこよく見られたい!

─ ライブではハイヒールでバキバキに踊る姿が印象的ですが、あのパワフルさの秘訣を教えてください。

Takassy:……意地だよね。

HIDEKiSM・Kamus:あはははは!

Takassy:本当に難易度が高い、ひたすら手こずるようなダンスを、踊れるようになるまで30分ぶっ続けでリハーサル……とか、時々やります。3人ともええかっこしいだから(笑)。綺麗に見られたいし、かっこよく見られたい。ステージでかっこわるい姿を晒したくなくて、いかに自分たちをよく見せる努力の延長上に本番があるみたいな。

─ エンガブの“ダンス担当”といえばKamusさんですが、お2人のパフォーマンスはどうですか?

Kamus:いやあ、私は2人ともすごいなと思うんです。私はダンスメインですが、2人は歌いながら踊るじゃないですか。体力も日に日に、パワーアップしているのを感じます。おかげさまでステージもどんどん大きくなっているので、それに見合うように大きく大きく見せるパフォーマンスにこだわっています。

振り付けもいただいたものをただ踊るわけではなくて、ヒールを履いて立ったときの見え方とか、踊りやすさとか、3人でしっかり話し合って、パフォーマンスに落とし込むようにしているんですよ。

Takassy:曲を作るのは私ですけど、結局のところはこの3人で構築して、ひとつのエンターテインメントを作るということになるので。作品をお客さんの前に出したときに、私たちの思った通りのイメージで伝わるか──そこがやっぱり、最優先だと思っています。

「私たちが本気で向き合っている分、ファンのみなさんも本気で応えてくれる」人気YouTubeチャンネルの舞台裏に迫る

─ さて、メンバーの3人が働く架空のスナックをイメージしたYouTubeチャンネル「スナックENVii GABRIELLA」も人気です。3人のおしゃべりに「元気が出る」という声も多数。動画の企画はどのように進めるのですか?

Takassy・Kamus:(揃ってHIDEKiSMを見る)

HIDEKiSM:なんでしょう(笑)。やっぱり、観る人に楽しんでもらえるのが大前提なので、それを念頭に動画の企画は立てています。今まででもう、ショート含む800本以上動画を出しているんですけど。

─ 量が半端ない。

HIDEKiSM:そうすると人気の動画は自ずとデータでわかってくるので(笑)、私たちにどんなコンテンツが求められているかも数字で参考にしつつ、エンターテイナーとしていかに面白いことをするか、3人で話し合っています。ただ最近は、3人が食ってしゃべるだけでも楽しんでいただけているようで。本当にありがたいなって思いながら……くっちゃべってる動画ばかりですみません(笑)。

─ 最近(取材当時)はオリジン弁当を食べながらお話していましたね。あれはなぜだったんですか?

一同声を揃えて:(撮影場所の)近くにオリジン弁当があったから(笑)。

─ (笑)。

HIDEKiSM:「最近Uber Eats高くない? オリジン弁当でよくない?」みたいな。

Kamus:YouTubeを始めたばかりのことは恋愛相談企画なんかも人気だったので、また復活させようという話もしています。なんかこう、ズバッという系が求められているのかな?

─ 視聴者がふだんモヤモヤしていることに対して、代わりに何かいって欲しいのかもしれませんね。

Takassy:なんでしょうねー。本心ではわかっているけど、いって欲しいんだと思います。「ブス! そういう考え方がブス!」って(笑)。

─ 視聴者のみなさんからの反響はいかがですか?

Takassy:私たちが本気で向き合っている分、ファンのみなさんも本気で応えてくれているのを感じますね。私たちが話す内容に対して、コメント欄で真剣に意見をくださったり。私たちのトークを見ながら、一緒に女子会に参加してくれているような、そんな気持ちでいてくれているのかな。本当に、「3人の動画」というよりも、見てくださっている人がいるからこそ成り立っているチャンネルだと思っています。

3人それぞれの「新宿」のイメージは?

─ みなさんは新宿にどんなイメージを抱いていますか? おすすめスポットなどもありましたら、ぜひ教えてください。

Takassy:私は昔から、渋谷よりも池袋よりも新宿派です! 学生時代はほとんど新宿でしか遊んでいなかったです。新宿は適度に落ち着いていなくて、でも落ち着いている部分もあって、「ちょうど中間」なイメージ。東京23区内でもかなりの知名度がありながら、すごくラフな部分もあって、その絶妙なアンバランスさが心地いい。

Kamus:私は青森出身で、上京して初めて住んだのが新宿だったんです。勝手に第二のふるさとだと思っています(笑)。なんでもある街だから、自分の選び方次第でどんな楽しみ方ができるのが魅力。なので……「おすすめスポット」はありません! カラオケでも、ボウリングでも、カフェでも飲み屋でも、どこに行ってもきっと面白いことになるはず。

HIDEKiSM:いや〜、新宿はすごい街ですよね。私は10代、20代といろんなエリアで遊んでいましたけど、カミングアウトしてから新宿によく行くようになりました。2丁目があって、歌舞伎町みたいな歓楽街もあって、新大久保のようなコリアンタウンもあれば、サブカルっぽいゴールデン街もある。一言でいうと「ごった煮」です! 全部詰め込んだみたいな街で、飽きないですよね。

でっかい会場に見合う、最高の3人を目指していきたい

─ この秋スペシャルEP『DVORAKKIA β』が発売となりました。ミニアルバム『DVORAKKIA』の収録曲を再構築し、その世界観を拡張・補完する内容となっています。注目ポイントをずばり、教えてください。

Takassy:何といっても、1曲目に収録の“melamela”です! メジャー1stシングル『Moratorium』のころにはすでにできていた曲なんですが、ずっと音源化せずにライブでしか披露していなくて。ずっと「音源化してほしい」といっていただいていたのですが、ここにきてやっと実現しました。

そのほかの曲も、再構築して「完全版」になっています。新たにアレンジしている部分もあるので、まっさらな気持ちで新曲として楽しんでいただけたらと思います。

─ 10月には、東京・大阪でハロウィンライブも予定されています。題して「DVORAKKIA β 〜Halloween Villains Night〜」! どんな内容になるのか、ヒントをいただけますか?

HIDEKiSM:タイトルにもう、「ヴィランズ」と入っているくらいですし、ハロウィンらしい夜になるのではないでしょうか? スペシャルゲストとして、ドラァグクイーンのドリアン・ロロブリジーダさんにも来ていただきます! なんか、オカマってヴィラン扱いされがちじゃないですか? どうしたってプリンセス側になれないみたいな……そんな位置付けになるのかな? どうなのかな? とお伝えしておきます(笑)。

Takassy:「ヒント」だからね。

HIDEKiSM:エンガブのダークサイドな楽曲が好きな方には、きっと満足していただけると思います!

Kamus:会場も素敵なんですよ。

─ 味園ユニバースと東京キネマ倶楽部ですね! どちらもレトロでシックな雰囲気たっぷりで、エンガブにもハロウィンというテーマにもぴったりです。素敵な夜になりそうですね。では最後に、今後の展望を教えてください。

Kamus:今年はミニアルバムをリリースして、“ゴリゴリ”なイメージだけじゃない、エンガブの「チル」な一面を見てもらえたかなと。これからもみなさんに、いろんなエンガブを見ていただきたいです。楽曲もステージも、楽しんでいただけることをたくさんできたらいいなと思っています。

Takassy:今年は初めてZepp DiverCity(TOKYO)のステージに立つことができました。YouTubeを始めたころは、お客さん20人でファンイベントをやっていたこともあって……。(Zeppという)節目がひとつ、今年あったので、これからもっともっと大きな場所へファンのみなさんを連れていきたい。「こんなに大きいところまで来ることができたんだ」と、一緒に成長を感じていたいです。それが展望というか、希望ですね。

HIDEKiSM:私もライブ会場をもっと大きくしていきたい。そのためには私たち自身もレベルアップしていかなきゃなと。まだエンガブのライブを観たことがない人、YouTubeから出会った人、そんなみなさんにも会場に足を運んでもらいたい。とにかく「でっかい会場でやりたい」! それに見合うような最高の3人になっていけたらいいなと思っています。

DVORAKKIA β 〜Halloween Villains Night〜

公演日程:2024年10月19日(土)  17:00開場/18:00開演
会場:大阪 味園ユニバース
チケット料金:
GOLD ATLANTIS SEAT 15,000円(最前列・お土産付き)
SILVER LEMULIA SEAT 10,000円(ダンスフロア内指定席・お土産付き)
指定席 8,000円

【SOLD OUT】公演日程:2024年10月26日(土)  17:15開場/18:00開演
10月27日(日)  [昼公演] 13:15開場/14:00開演、[夜公演] 17:15開場/18:00開演
会場:東京キネマ倶楽部
チケット料金:
GOLD ATLANTIS SEAT 15,000円(1階最前列・お土産付き)
SILVER LEMULIA SEAT 10,000円(2階指定席・お土産付き)
1階指定席 8,000円
1階注釈付指定席 8,000円

※チケット代は全て税込、ご入場時にドリンク代が別途必要です
※未就学児入場不可

チケット販売:ローチケ
OFFICIAL SITE

ENVii GABRIELLA 「ENGA部 大感謝祭2024」

会場でのご参加は「ENGA部」会員の方限定とさせていただきますが、
配信はどなたでもご視聴いただけます。

公演日程:2024年12月8日(日) Club Mixa(池袋)
【1回目】OPEN 13:30/START 14:00
【2回目】OPEN 16:30/START 17:00
全席指定 ¥9,000(税込)

※会員確認のため、入場時に「ENGA部」マイページをご提示いただきます
※未就学児童入場不可
※1会員につき2枚まで(同行者も会員であることが必須となります)

文:徳永留依子
撮影:坂本美穂子

こんな記事もおすすめ