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新宿のレトロな喫茶店5選。 扉を開けてタイムトリップ体験

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コーヒー スイーツ 喫茶店
DATE : 2024.02.16
新宿を歩いていると、度々目にする昭和の香り漂う昔ながらの喫茶店。「おじさんとタバコ」が似合う渋さも味わい深いものとして、令和ではそのレトロな佇まいが映える場所として若者たちの心をくすぐっているという。本記事では、新宿で一際個性を放つ名喫茶5店を紹介。まるでタイムトリップしているかのような、夢心地な体験をお届けしよう。

日の丸ネオンサインが日中のキャバレー世界へと誘う|ニーナナ喫茶

JR新宿駅から徒歩7分、歌舞伎町の奥深くで薄ピンクのレトロな看板に出くわす。昭和創業のキャバレーを改装した「The 27 CLUB」が、オープン前のカフェタイムに営業している「ニーナナ喫茶」だ。

真っ赤なカーペットの階段を足音がしないことにドキドキしながら上り、自動ドアの先へ進むと、正面にインパクト大な目玉(日の丸)のネオンライトが目に飛び込んできた。下が丸見えのガラス張りのステージにミラーボール、ふわふわした羽根の照明、グラス越しにアピールしてくるドル札の束……と、時代も国も飛び越えたような錯覚に陥る。

内装デザインは、アパレルブランド「SON OF THE CHEESE」やサンドイッチ店「BUY ME STAND」を手がけるクリエイター・山本海人氏によるもの

「日の丸キャバレー」時代からおよそ50年間受け継がれているスピリットはそのままに、モダンにアップデートされた空間は、どこか心地よい浮遊感に包み込まれる。

左から「エニタイムサンド」1,200円、「27クラブソーダ・緑(アルコール抜き)」900円(いずれも税込み)

フードは、特製「エニタイムサンド」や「黒のオムライス」、「俺のオレオパフェ」などがラインナップ。ドリンクにコーヒーはもちろん、「大人のクリームソーダ・青/緑/赤]」といったアルコールも楽しめる。メニューはインフルエンサー・老月ミカ氏がプロデュースしている。

猫とピエロが登場する不思議な物語の世界に迷い込む|カフェアルル

副都心線新宿三丁目駅から徒歩8分、新宿5丁目の路地裏にある「カフェアルル」。店の入り口には洋風の骨董品や猫のオブジェなどが所狭しと置かれ、2匹の看板猫までが出迎えてくれる。

店内は全席喫煙可。店の奥には常連客のリクエストで漫画コーナーも設置

創業以来、40年以上変わらず同じ店主が経営する同店。温かなオレンジ色に包まれた店内の随所には、ピエロの人形や猫の置き物、アート作品などが、雑多なようでいて不思議とバランスよく並んでいる。

これらは店主自身のコレクションと、常連客から長年にわたってプレゼントされてきたもの。「飾ると喜んでもらえるから」といって増え続ける、居場所を与えられた幸せな装飾品たちと看板猫に会いに、店には絶えずたくさんの人たちが訪れているようだ。

「インドオムラ」820円(税込)はスープ・サラダ・ドリンク・スナック付き

創業当時から内容も価格もほぼ変えていないという、ハンバーグやナポリタンといった喫茶店ならではの洋食はどれも絶品。店主おすすめの看板メニュー「インドオムラ」は、意外なほどスパイシーで本格的な味だ。

洋風レトロな空間で絶品の和食を味わう|新宿喫茶りこりす

副都心線新宿三丁目駅から徒歩3分。白い建物と赤レンガ、ヤシの木のグリーンのコントラストが印象的な「新宿喫茶りこりす」は、老舗ホテル「たてしな」の食堂部分をリニューアルし、昨年オープンしたばかりの純喫茶。

椅子やテーブルなど、昭和の趣が感じられる“古き良きもの”は残しつつ、トルコランプなどエキゾチックな要素も取り入れた内装は、シックで落ち着いた雰囲気。テーブル席に着くと店内が一望でき、重厚感のあるカーテンや照明などを眺めながら心ゆくまでくつろげる。

存在感抜群でありながら、目に優しく癒しを与えてくれるトルコランプ

オープンから15時までのランチタイムには、「生姜焼き定食」や「唐揚げ定食」、「豆乳トマトカレー」といった、ボリューム満点の幅広いメニューが並ぶ。「自家製プリン」などのデザートも含め、すべて手作りというのも納得の味だ。

ご飯・肉大盛無料の「生姜焼き定食」1,200円(税込)

18時までのカフェタイムのあと、バータイムは23時まで営業しており、カクテルや夜カレーなどが楽しめる。夜の喫茶店で一杯やるのも良さそうだ。

1,500客のカップを眺めながら極上の一杯を堪能|自家焙煎珈琲凡

JR新宿駅東口からほど近く、雑居ビルの地下にある「自家焙煎珈琲凡」。細く薄暗い階段を下り、扉を開けると表の雰囲気とは一変。店内へ真っ直ぐに伸びる木製カウンターを目にすると同時に、ふわりと優しくコーヒーの香りに包まれる。

ポットとして使う南部鉄器をお湯で温めてからコーヒーを移すという一手間も惜しまない

店内設置の小型焙煎機で、こだわりの豆を毎日使う分だけ時間をかけて焙煎。オーダーを受けてから豆を挽き、香りを損なわないようにお湯の温度にも気を配りながら、一杯ずつ手間をかけて丁寧に淹れてくれる。

コーヒーは、店主が長い年月をかけて各国で集めてきた約1,500客ものカップで提供。一つひとつの柄とブランド名、原産国や製造年に店主のコメントが書かれた解説カードが添えられる。この手製のカードのコレクションを楽しみに、訪れる常連客も多いのだとか。

「大人のショートケーキ〜和栗の秋〜」1,700円と「珈琲(ぶれんど)」 1,400円(いずれも税込)

コーヒー以外のメニューは、国産の苺や栗と生クリームを使ったショートケーキとガトーショコラのみ。いずれも素材と製法にこだわり抜いた、ここでしか出会えない店主自慢の逸品だ。

美しいステンドラスに囲まれながら創業60年の歴史に浸る|珈琲西武本店

JR新宿駅から徒歩5分、新宿区役所の裏に“和”をテーマに昨年オープンした「ハナミチ東京 歌舞伎町」の2階に、老舗喫茶「珈琲西武本店」が移転。1階には大きなショーケースが置かれ、本物そっくりな食品サンプルを眺めているだけでもウキウキする。

創業当時から美しさを保っているステンドグラスと照明器具

広々とした店内は至るところに創業60年の重みが凝縮。椅子やテーブルの脚、そして店の象徴であるステンドグラスは、当時のものが修復されて使われているのだそう。年輪を感じるインテリアが鎮座する空間は、新しい時代のエッセンスも纏い、誰にとっても居心地の良い場所となっている。

「新宿特製オムライス」や「西武カレー」といった昔ながらのメニューはもちろん、一度は食べたい「自家製プリン・ア・ラ・モード」や迫力満点の「西武パフェ」など、目でも楽しいデザートも人気。

左から「西武パフェ」1,100円と「アイス珈琲」750円(いずれも税込)

ふかふかのソファに身を委ねながら、大胆なデコレーションのパフェをつつく。友人とのおしゃべりも弾み、時間を忘れて長居してしまいそうだ。

新宿の名喫茶で、束の間の異次元体験を

日々さまざまな人々が行き交う新宿に、歴史を刻み続ける名喫茶。扉を開ければ、それぞれ異色のレトロな世界と温かな店主が迎えてくれる。訪れた人はレトロな香りと共に、五感をふるわせる体験ができるに違いない。

文:朝倉奈緒

写真:瀧川寛

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