新・歌舞伎町ガイド

エリア

FOLLOW US:

真冬の寒さにも止めることは出来ない! Kabukicho Music Live vol.13

歌舞伎町

コミュニティ
Kabukicho Music Live イベント 音楽
DATE : 2024.02.05

冬の空に響く三者三様の歌声

ナガトモユリ

雪が降った昨日と打って変わって快晴となった二日目。しかし、かなりの冷え込みだ。トップバッターは宮崎県出身のシンガーソングライター、ナガトモユリ。自身はアコースティックギターを持ち、サポートの鍵盤奏者と二人編成だ。「ひとりってやつは」、「ひらり、ひらり」を澄んだ歌声で披露し、観客に手を振り返すなど和やかな雰囲気でスタート。「歌ってないと寒い!」と笑いながら、YUI「CHE.R.RY」をカバー。路上ライブで一番人が立ち止まる曲だそう。広場を飛ぶ鳩を見て、「お化けと同じくらい鳩が苦手なんです! 鳩がいる道を通れなくてバイトに遅刻したくらい……」とおびえる一幕も。

続いては昨年12月にリリースしたアルバム『Midnight Carnival』の1曲目、「お茶にしようか」。このアルバムのなかでも特に好きな曲だそうで、聴く人をグイグイ引き込むようなパフォーマンスだった。タイトル通りしっとりしたバラード「恋」、「愛についての曲です」とつぶやいて「君が愛なんだ」と二曲続けてラブソングを歌い上げる。最後は新宿で映画を観た直後にピーンときて書き上げたという「end roll.」。この曲にとっての「聖地」で歌うことができた思いもひとしおの歌声だった。

「めちゃくちゃいい時間でした! 立地もすごいし、ステージもあるからみんなも集まりやすいし。遠くからニコニコ観てくれた人もいて、すごく歌いやすかったです。寒かったんで、破れたズボンをはいてきて失敗したなとは思いましたけど(笑)。

人混みが苦手なので普段はあまり歌舞伎町に来ないんですけど、「end roll.」が出来たのが数少ない思い出の一つで。それより前に外国の方に歌舞伎町の映画館の場所を聞かれて答えられなくて悔しかったことがあって、それも思い出したりしました。

去年はアルバムをリリースすることができたので、今年は積極的に人に出会っていきたいと思ってます。私はSNSよりもライブハウスとか、リアルで会った方が強いタイプだと言ってもらえるので、その自分らしさに磨きをかけていきたいです」

ナガトモユリ(ながともゆり)

6月24日生まれ、宮崎県出身。FiLL’s所属アーティスト。日常を切り取った背伸びしない言葉に、どこか懐かしい曲調、少しハスキーな声、小さな体であなたを包み込み、ありのままのあなたを受け入れるシンガーソングライター。2023年12月9日、自身初となる1st ALBUM『Midnight Carnival』をリリース。

official
X
Instagram
TikTok
YouTube

春風詩音

春風詩音は2020年にリリースしたEP『アラベスク』で注目を集め、昨年は地元岡山県の大型野外フェス『hoshioto Camp 23』にも出演を果たすなど、精力的に活動するシンガーソングライター。アコースティックギターを抱えて椅子に座り、うつむき加減で歌いはじめたのは「もう会えないね。」。浮遊感漂う演奏に、シネシティ広場の景色が徐々に塗り替えられていくかのよう。「よろしくお願いします」と短く挨拶し、2曲目の「静寂を明日へ」ではタイトルに反してギターをかき鳴らす。「後ろ(のビジョン)には自分、正面にはゴジラ。この状況に頭が追いついてません」と軽く笑い、続いての「感情」ではグッと抑えた歌い出しから、曲が進むにつれて徐々にエモーショナルが染み出してくる。

風が強くなってきたが、負けずに力強いストロークでギターを鳴らし、歌う「待っていた。」。きのこ帝国「怪獣の腕のなか」のカバーを披露すると、あまりの寒さに耐えきれずパーカーのフードを深くかぶる。しかし「18歳」や、昨年リリースされた「遙か」では繊細なギターワークと歌声で、厳しい環境でもリスナーに歌詞の世界を丁寧に伝えていた。「今年は最初から眉間に皺がよるニュースばかりで、お餅も食べずに仕事してました。私も含めて、ここにいるみんなが少しでもホッとできるように歌います」と最後の曲「23.」を思い切り絶唱。観客に向かって深く一礼するとステージを降りた。

「すごく寒かったですけど、路上ライブはライブハウスと違った感じで歌うことが出来るのでとても楽しかったです。昨日も下北沢で雪のなか歌ったんです。2℃だったんですけど、今日の方が寒かった(笑)。

下北沢は最近路上で歌える場所じゃなくなってきていて、新宿でよく歌わせてもらっているんですけど、温かい人が多いです。立ち止まってくれる人も多いですし。

今は月5~6本路上ライブをやっているんですけど、ライブハウスで弾き語りしてる私も観てほしいし、バンドの私も観てほしい。4月にワンマンをやるので、観に来てほしいですね。何を届けるとか、そういうことはあんまり考えていないのですけど、その時の熱を届けられたらいいなって思っています」

春風詩音(はるかしおん)

岡山出身。SSW。「U-FRET×クロサワ楽器ギタ女オーディション」で全国の応募者のなかからグランプリを受賞。EP『23.』のリリース時にはタワーレコード渋谷店での大々的展開、インストアライブの実施。地元岡山県での大型野外フェス『hoshioto Camp 23』に出演を果たした。切なくも儚い歌声を持ちながら、誰もが抱える負の感情さえも肯定してくれる力強さを感じさせる今注目のシンガーソングライター。

X
Instagram
TikTok 
YouTube

YuMe

昨年4月の東急歌舞伎町タワー開業イベント以来の出演となるYuMe。同時期に上京し、半年で2度のワンマンライブを開催、アルバムリリース、ツアーと駆け抜けている。この日は前半にカバー曲を連発。とた「紡ぐ」、back number「ヒロイン」、Uru「それを愛と呼ぶなら」、BAK「不言論」、槇原敬之「僕が一番欲しかったもの」と、ネットで人気のある曲を中心に披露した。合間に挟むMCでは、こうした場所を作ってくれた主催者への感謝や、はじめて自分を観る人への自己紹介など、スムーズにコミュニケーションを取っていく。

「高校生のときから独学で音楽を作りはじめました。きっかけはいろんなところにあるから、みなさんも自分がやりたいことにいつでもチャレンジしてみてほしいです! 去年はTOKYO DOME CITY HALLに立たせていただいたり、いろんな新しいことを経験できました。今年も飛躍の年にしたいです」と、胸の内を語り、オリジナルソングゾーンへ。メロウな「ワスレナグサ」、亡くなった友達に向けて書いたという手紙のような曲「君のいる空へ」を感情を込めて歌う。12月のツアーで初披露した新曲「FULLBRIGHT」ではシンガロングも起こり、ラストの「Promise」では大きな手拍子で会場が一体に。「今日楽しかった人?」とYuMeが問いかけると、オーディエンスみんなが笑顔で手を挙げた。

「なかなか歌舞伎町に来ることはないんですが、こうして大きいビジョンがあったりする場所で歌えるのはすごくうれしいですね。路上ライブをやっているみんなにとってうれしい場所になっていくと思います。たくさんの方の協力あってこそですよね。誰でも自由に歌えるようになったらもっといいのになと思います。

2月9日(金)にはツアーファイナルのワンマンがあるんですけど、前回のワンマンの倍の規模なんです。すごいミュージシャンの方たちとフルバンド編成なので、ぜひ観てもらいたいです。上京1年でここまで来れるとは思っていなかったので。みなさんのおかげなので、やるからには満員にしたいです!」

YuMe(ゆめ)

関西出身のシンガーソングライター。メジャーデビューを目指し2023年上京。半年で2度のワンマンライブを開催し、2023年8月12日に2nd Album『Promise』をリリース。勢いは止まらず昨年12月にツアーがスタートし大盛況を収める。ツアーファイナルは2月9日(金)、Akabane-ReNY-TOP。小学生の頃から独学で作詞・作曲をはじめたという数々のオリジナルソングは一般のリスナーに留まらず、メジャーアーティストやネットリスナー達からも定評があり、愛嬌のあるキャラにパワフルで爽快な歌声というギャップも人気である。

official
X
Instagram
YouTube

イベント情報

日時:2024年1月13日(土)13:00~/1月14日(日)13:00~
場所:歌舞伎町シネシティ広場(東京都新宿区歌舞伎町1丁目19番先)
入場:無料
出演アーティスト:
【1/13】神田莉緒香/Snugs
【1/14】ナガトモユリ/春風詩音/YuMe
主催:歌舞伎町商店街振興組合
後援:新宿区
協力:株式会社TSTエンタテイメント/MOTCHAN NO HEYA – もっちゃんの部屋 –

text:張江浩司
photo:落合由夏

こんな記事もおすすめ