一日目は雪の予報、二日目は震えるような寒さのなか、ミュージシャンもオーディエンスもそれに負けない盛り上がりを見せた。
雪を降らせない熱いパフォーマンス
神田莉緒香
シンガーソングライターが集まったYouTubeチャンネル「Goose House」のメンバーとして注目を集めた神田莉緒香。現在はソロでの活動に加え、ニッポン放送『神田莉緒香のKANDAFUL RADIO』のパーソナリティーを務めるなど多方面で活躍している。サウンドチェックを兼ねてランカ・リー=中島愛「ニンジーン Loves you yeah!」をカバー。けっして居心地がいいとは言えない寒さのなか、キーボードが奏でる音と歌声はとても軽やか。東急歌舞伎町タワーの巨大な屋外ビジョンに映る自身を見て「画質が良すぎる!」とびっくりしつつ、新宿の高校に通っていたころの思い出を語る。まだコマ劇場があり、通学にSuicaを使いはじめた、そんな時代に書かれた「両思い切符」を披露した。続いては同じ時期に歌舞伎町でよく映画を見た思い出から『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の主題歌、有坂美香「life goes on」をカバー。
「今の私をリアルに映し出す特技です」と、観客からキーワードを募って即興ソングを作り歌うことに。「昨日の夕飯は?」と問いかけると、返答は「麻婆豆腐」。すぐさま作曲して披露する。次は「紫」、「椅子」、「鳩」、「ホスト」と複数のキーワードが集まったが、これにも当意即妙で打ち返し、オーディエンスも大喜びだった。「真面目な曲もあるんです」とはにかみながら、歌ったのは2015年発表のEP『TOKYO / OSAKA』に収録されている「×」。ひたむきな歌詞がリスナーの共感を誘った。松任谷由実「やさしさに包まれたなら」、SINGER SONGER「初花凜々」、team Le TAO「200%のジュモン」を続けてカバーし、楽しい雰囲気で会場が満たされる。最後は「見上げた君に願うこと」。観客の手拍子にのせてアカペラで歌い出し、エモーショナルな歌をオーディエンスに届けた。
「想像以上に寒いなか、みなさんが一生懸命に聴いてくださったり手拍子で反応してくださったりして、とても楽しみました! すごくいい時間でした。路上でのフリーライブは5~6年ぶりで、どうなることかと思っていたんですけど、天気ももってくれて本当にありがたいです。
このあたりの高校に通っていた頃と比べると、めちゃくちゃ綺麗になってますよね。映画館とかもすごく楽しいし、おいしいご飯屋さんもいっぱい増えたし。気付いたら来やすい街になっててびっくりしました。海外の方もたくさんいて、手拍子でグルーヴを作ってくれたりして(笑)。音楽ってそういうものだよなとあらためて思いましたね。
去年からデビュー10周年ということで活動していて、3月31日に神田明神ホールでワンマンをやるので、まずはそれを大成功させたいと思っています。その後はツアーをはじめたり、リリースも含めて活動の幅を広げていきたいですね」
Snugs
桑原健次、杉田ゆういちろう、SEIICHI、橋場万寿男の4人からなるボーカルグループSnugs。昨年2月以来、2回目の登場だ。この日は体調不良による出演者キャンセルにより、急遽出演時間が変更となったが、そんなことを物ともせずステージ前には大勢のファンが集まった。1曲目は「ARE YOU READY!?」。4人のボーカルが重なり合い、ステージ狭しとダイナミックなパフォーマンスを展開する。「MA・KU・A・KE」、「enjoy」と続けて披露。観客とのコミュニケーションも巧みで、コール&レスポンスもお手の物。ステージを降りてフライヤーを配ると、手にした子どもが大喜びしていた。カントリー調の「私の幸せはあなたの幸せ」では4人そろってステップを踏みながら歌い、「ピエロタイム」は爽やかなダンスナンバー。バリエーション豊富な楽曲でオーディエンスを飽きさせない。
「昼間から歌うのは久しぶり!」とうれしそうにMCして「アオゾラレール」を歌い、続いてバラードの「100年のメモリー」や、「君がいるから」も力強く聴かせた。Zepp Shinjuku (TOKYO)で2月20日(火)に行われるワンマンライブの告知を挟み、「1人でも多くの人に僕たちの声が届けばいいなと思って歌います」と「ハードラー」を披露。伸びやかなアンサンブルがシネシティ広場に響く。熱い応援歌の「持たざる者」、そして感謝の気持ちを込めた「ぎこちないラブソング」を観客と一体になりシンガロングで幕を閉じた。
ゆういちろう「新しい方も立ち止まってくれて、本当に呼んでもらってありがとうございます! 前に出演したときはZepp Shinjukuのワンマン決まってたっけ?」
桑原「やるかやらないか、ちょうど決めてるところだったんじゃないかな。いよいよ直前に迫ってきました。僕らの6年のキャリアでやっとたどり着いたという感慨があります。パンパンにして成功させないといけないなと」
ゆういちろう「ワンマンを成功させた上でまたこのイベントにも出たいですね」
桑原「そうしたら、もっと上の会場も目指していきたいですしね」
ゆういちろう「いろいろ練っているところではありますけど、ワンマンのあとはもっとSnugsを知ってもらえるように、さらなる全国展開をしていこうと思ってます!」