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歌舞伎町の真ん中から新宿を音楽の街に『Kabukicho Music Live vol.1』レポート

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Kabukicho Music Live イベント 音楽
DATE : 2022.12.09

11月19日 快晴にこだまするギターと歌

一華ひかり

2日目のトップバッターは一華ひかり。「ゴジラの前で歌えてうれしい」と微笑み、オリジナル曲「ソファ」からスタート。バラードながら軽快なレゲエのリズムも組み込まれ、晴天にぴったりだ。「先日、沖縄の路上でライブをやってきて、47都道府県で路上ライブ制覇しました! 新宿は路上をはじめた場所なので、帰ってきました」と感慨深そうに話し、BoAやMISIAなどのカバーを披露した。

全国でのホールツアーを目的としたクラウドファンディングは1日で達成し、来年10月にはZepp DiverCity(TOKYO)でのワンマンライブも決定しているなど、まさに絶好調。「今年のはじめに、2年以内にメジャーデビューするとみなさんと約束したので、これも必ず実現させます!」と決意を新たにして歌ったのが最新曲「桔梗の花束」。集まったファンと一緒に集合写真を撮り、なごやかな雰囲気のまま幕を閉じた。

— シネシティ広場で歌ってみていかがでしたか?

一華:雑音もないし人通りも多くて、路上ライブをやるにあたってはすごく快適な場所でした。47都道府県を周ったときはサバイバルみたいな感じだったので(笑)。こうやってちゃんと警備してくださってるので、心のゆとりがありました。ハトがちょっと怖かったですけど(笑)。

— 大きい会場でのライブと、路上ライブの違いはどんなところですか?

一華:路上ライブは不特定多数の人に観ていただけるし、解放的で。私は路上のほうが好きなんです。思う存分、出したいものを出し切れるんです。もう出会えないような出会いもありますし。ただ、アーティストとして成長していくには、ライブを重ねてパフォーマンスを磨いていきたいとも思ってます。

— 来年、Zepp DiverCity(TOKYO)でのワンマンがありますが、目の前のビル(東急歌舞伎町タワー)にもZeppが入る予定です。

絶対に出たいですね! 私の新宿なので(笑)。来年はワンマンとツアーがあって、その先にメジャーデビューだったりとか、もっともっと大きなステージに立っている自分を想像しながら進んでいきたいと思っています。後々は世界に通用するようなアーティストになれるようにがんばります!

一華ひかり

千葉県市川市出身。クリアボイスを武器としている日本のシンガーソングライター。
幼い頃に劇団四季のライオンキングに魅了され、芸能界の道を志す。 2018年の春に4年生大学を卒業後、一般企業に就職するが夢を諦められず、退社。
2019年から動画配信アプリ“ミクチャ”のアーティストライバーとして約一年活動するも、もっと多くの人に音楽を届けるべく、2020年から路上ライブを開始。
翌年には路上ライブで日本全国を回る『錬磨修行の旅』をスタートさせ、47都道府県を無事完走。
2022年 10 月には、名古屋・仙台・大阪・東京の4都市ワンマンライブツアー「谺する世界」を開催。同月の30日には、神田明神ホールにてFinal公演「~響き~」を開催し、大盛況で幕を下ろした。
2022年11月19日には、最新曲”桔梗の花束”の MV が日テレ系音楽番組「バズリズム 02」にて紹介される。
彼女の勢いはとどまることを知らず、翌年10月19日には、Zepp DiverCity(TOKYO)でのワンマンライブを控えるなど、今話題の女性ソロアーティストである。

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パクユナ

三重県出身で韓国にルーツを持つパクユナは、アコースティックギターを抱えて斉藤和義の「歩いて帰ろう」から歌いはじめた。続いてスピッツの「チェリー」をカバー。アカペラが伸びやかに青空に広がっていく。

オリジナル曲「おとぎ話」をトラックに合わせてパフォーマンスし、いきものがかりや中島みゆきのカバーも披露。最後に「少し悲しいけど、前向きになれる曲です」と話しながら、亡き親友との思い出を綴った「歩み」をまっすぐ歌いきった。

— シネシティ広場で歌ってみていかがでしたか?

パクユナ:普段、新宿で路上をやるときは南口や東南口でやるんですけどすぐにストップがかかってしまって。いろいろ移動しながらやるので、ファンの方をすごく待たせてしまうこともあるんです。なので、こうやって公認で路上ライブができるのは、とても大きな一歩だと思います。今日はすごくのびのび歌えました。上京する前は三重と愛知を拠点に活動していたんですけど、やっぱり東京に比べると路上でやっている人も少なくて。特に新宿はたくさんの方々がパフォーマンスしてて、すごく勉強になりますし、繋がりもできますね。

— カバー曲はどういった基準で選曲しているんですか?

パクユナ:事前に決めることはなくて、その場の雰囲気に合わせてます。年配の方が多いなと思ったらその世代の曲を歌ったり、若い人が多いとTikTokでバズってる曲をやったりしますね。今の時代はSNSで知ってもらうことが多いですけど、実際に生で歌を聞いて立ち止まってもらうっていうのも一つの出会いだと思うんです。まったく自分のことを知らない人に無料で歌を届けられるという醍醐味があるので、こういうイベントだったり環境が広がってほしいと思いました。

— 今後の目標を教えて下さい。

年明けのワンマンに向かって一直線にがんばっていくんですけど、私は韓国人なので韓国の路上でも歌いたいなと思ってます。いろんなところで歌いたいですね。

パクユナ

三重県出身。20歳のシンガーソングライター。

高校1年生で軽音楽部に入部したのをきっかけに音楽活動を始める。5年間地元を拠点にソロ活動の傍らバンドやユニット活動も行い、今年10月に上京。

ハイトーンのハスキーボイスで特徴的な声を持ち、現在は関東を拠点に活動中。

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橋本桃子

橋本桃子は「新宿でいつも歌っている曲をやります」と、ギターでスピッツ「空も飛べるはず」を弾き語り。2曲目はオリジナル「春の音」。イントロのリズミカルなギターカッティングが、観客の肩を揺らす。Aimerのカバーをはさみ「僕は幽れい」、「緑の月」と歌い、MCは言葉少なく淡々と音を紡いでいく。

「もう時間ですかね? 終わらないとまずい?」と、もっと歌いたいという名残惜しさを感じさせながら、最後の曲は「限りなく儚い青」。宮城出身の彼女が震災を経験し、「それでも私たちは学ばないんだなって。暗い曲じゃないつもりなので、聴いてください」とギターを爪弾き、熱のこもったパフォーマンスでこのイベントを締めくくった。

— このイベントで歌ってみていかがでしたか?

橋本:止められる心配がないっていうことが一番ですね(笑)。精神的に安定していられるので。あと、建物の反響で自分の声が聴こえるのもやりやすかったです。普段の路上だと何も聴こえなかったりするんですよ。路上の良さって、出会うはずじゃなかった人に出会えることなんです。そこからライブハウスに来てくれる人も多いですし。今後も、路上とライブハウスを並行してやっていきたいですね。

— 今後やってみたいことはありますか?

音楽をはじめたきっかけは、ELLEGARDENの細美武志さんが石巻のライブハウスに弾き語りで来てたのを観たことなんです。なんでもいいから歌いたいと思って弾き語りをやったんですけど、本当はバンドで音楽をやっているときが一番「音楽やってるな!」という喜びが強くて。なので、バンドとコラボするようなライブはやってみたいです。来年は、まだ詳しく言えないんですけど自分のなかでは大きなことがあるので、そこに向けて聴いてくれる人を増やして楽曲をちゃんと届けたいなと思ってます。

橋本桃子

宮城県東松島市出身。
高校2年生の時にギターを始め、シンガーソングライターとしてライブを始める。2年間仙台の専門学校で音楽活動を行いその後2017年に上京。
人の命や自然の美しさを歌詞で表現。
自分の中から湧いてくる言葉とメロディーを優しさや切なさも感じる淡い声で歌いあげるシンガーソングライター。


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帰り道でちょっと泣いちゃって(笑)

最後に、今回のブッキングに尽力したYouTube「もっちゃん。」さんに、この2日間について話を聞いた。YouTubeチャンネル「MOTCHAN NO HEYA – もっちゃんの部屋 -」 で路上ライブをしているミュージシャンの動画を毎日アップし、誰よりも路上ライブを応援しているもっちゃんは、「めちゃくちゃ感動しました」と満面の笑顔だった。

もっちゃん:東京の、新宿の、歌舞伎町の真ん中で公認の路上ライブができてることがまだ信じられないんです。1日目の帰り道でちょっと泣いちゃって(笑)。いつもはいつストップが入るかわからない状況でライブしているので、歌に集中できないと思うんです。それが今回のように、安心して、しかも不特定多数の人に観てもらえる環境でライブができるのは本当にすごいことだと思います。もちろん、反対する人もいると思うんですけど、そういう人たちにも迷惑をかけないかたちで、こういった機会や場所がどんどん増えてほしいですね。

イベント情報

日時:2022年11月18日(金)18:00~21:00、19日(土)13:00~16:00

場所:歌舞伎町シネシティ広場(東京都新宿区歌舞伎町1丁⽬19番先)

入場:無料

出演アーティスト:consado、CAIKI、ScarFace、一華ひかり、パクユナ、橋本桃子

主催:歌舞伎町商店街振興組合

後援:新宿区

協力:一般社団法人歌舞伎町タウン・マネージメント、株式会社TSTエンタテイメント、MOTCHAN NO HEYA – もっちゃんの部屋 –

text:張江浩司
photo:落合由夏

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