新宿は、数々の人気占いスポットがひしめく「占い激戦区」。百聞は一見にしかずということで、占い初心者による突撃レポートをお届けする。
カフェのようにリラックスした空間「バランガン新宿店」へ
お邪魔したのは、新宿駅東口から徒歩3分の「バランガン新宿店」。約20人のレギュラー占い師が在籍し、毎月2000人以上のお客さんが訪れるという人気店だ。店内には落ち着いた音楽が流れ、大きな窓から降り注ぐ自然光が清々しい。まるでおしゃれなカフェにやってきたよう。
占い初心者が抱きがちな“恐れ多い”印象は皆無で、とてもリラックスした雰囲気だ。
現役占い師に聞く、占いの魅力って?
まずは占いの魅力を探ろうと、バランガン新宿店に在籍する占い師・実杏先生にお話を聞いた。大学卒業後、CAを長年経験したのち飲食店の女将、IT企業の会社員などを経て占い師になったという異色の経歴の持ち主。占いは独学で習得し、CA時代はよく同僚を占ってあげていたそう。
「CAの仕事というのはご想像の通り、大半が女性で。業務後にホテルの部屋に集まって、女子会が始まるんです。やっぱり女子は占いが好きですからね。当時はまさか仕事になるとは思っていませんでしたが」と笑う実杏先生。
実際に占いに来るのは、どんな人が多いのだろうか。
「お客さんは8割方、女性です。そこはどの店舗も大きく変わりませんが、新宿の街にはいろんな人たちが集まりますよね。そのためか、ご相談の内容はかなりバラエティーに富んでいます。
“夜の街”を舞台にした相談もよくありますね。すごくきらびやかで素敵な世界である反面、やはり多くの悩みを生む場所でもあって。お相手ありきのことですから、うまくいかずに涙を流す相談者さんもいます。一方で、悩みを乗り越えて願いを成就させる方もいるんですよ」とのこと。
恋愛相談はもちろんのこと、さまざまな経歴をもつ実杏先生は仕事のお悩み相談も得意。さらには家族関係やペットの気持ちまで、幅広い相談に対応する。
となると、やはりお客さんの多くは何か悩みを抱えてやってくるのか。
「いえいえ、ごくカジュアルに気軽な気持ちで訪れるお客さんもたくさんいますよ。ゲームセンターに来るような感覚で、若い子たちが2〜3人で連れ立ってやってくることも。当店では10分から体験していただけるので、ちょっと時間ができたときにお茶するような気持ちで来ていただければ」と実杏先生。
“占い師に見てもらう”というと少しハードルの高いイメージがあったが、まったくそんなことはなし。明るく朗らかな実杏先生と接していると、それこそカフェでおしゃべりするようにくつろいだ気分になれる。「誰かと話をして、すっきりしたい」そんな軽い気持ちで訪れることができそうだ。
バランガン新宿店は新宿駅やバスタ新宿ともほど近く、待ち合わせに早くつきすぎてしまった……なんてときにふらりと利用するのも良さそう。時間に合わせて電話やネットで予約することも可能だ。
占いとは“気づき”を与えてくれるもの
「占い師それぞれにモットーがあると思いますが、私としては、占いは“気づき”を与えてくれるものだと思っています。
生まれ持った運勢や、この先の未来を示すだけでなく、本人も知らないご自身の魅力だったり、潜在能力だったりを指し示すものなんです」と実杏先生。
「『私は何がしたいんだろう』『何が向いているんだろう』って自分ではなかなかわからないものですよね。ちいさなことでも、占いを通して何かに気づけるのは、魅力のひとつかなと思います。体験後にお客さんの目がパッと開くような、自己肯定感が上がるような……そんな“気づき”を持って帰ってもらえたら、占い師冥利につきます」(実杏先生)
実杏先生は、占いとは「道を照らすもの」でもあるという。「いくつもある道のなかから、できるだけ正しい道、素敵な道を選べるようにお手伝いできたら。でもどう歩むか決めるのはご本人次第。どの道を選ぶことになっても、がんばれ!と応援しています」
占い初心者が実杏先生の鑑定を体験。悩めるアラサーの明日はどっち?
何事も、実際にやってみるのが魅力を知る近道!ということで、占い初心者のつばささん(仮名)・28歳が実杏先生の鑑定を体験。最近転職したばかりのつばささんだが、悩みをかかえていてもなんとなく自分のなかで完結させてしまい、あまり人に相談することはないそう。
「本格的な占いは初めて。お付き合いして3年の彼氏がいるので、そろそろ結婚も意識しています。そのことを相談してみようかな」とつばささん。
早速ブースに足を踏み入れ、実杏先生とご対面へ。まずはつばささん本人の名前と生年月日を確認し、そしてさらりと「今日占いたいお相手の方はいますか」聞く実杏先生。自然と恋愛相談の流れに。
「彼氏とちょこちょこ結婚の話題は出ているのですが、あんまり具体的な方向にいかないので、ちゃんと考えているのか?とちょっとモヤモヤしています……」(つばささん)
「なるほど。3年お付き合いしているなら、そろそろ答えを出してほしいですよねえ」(実杏先生)
つばささんの思いに、優しく同調してくれる実杏先生。生年月日からふたりの相性をみると、「とても適した相性です」とのこと! 「ふたりが同じ方向を向くことで、何かを成し遂げられる関係です。ビジネスパートナーや、夫婦にはぴったりの相性ですね。ただ、恋愛期間が長引くとあまりよくないかもしれませんね」
落ち着いた優しいトーンで話す実杏先生に、つばささんも真剣な表情だ。
話題が変わるタイミングには、その都度実杏先生が「ここまでで何か質問はありますか?」と丁寧に確認してくれる。思わずつばささんからも、「実は……私が些細なことを気にしてしまって、穏やかでいられないときがあって」と、秘めていた気持ちがこぼれる。その一つひとつに実杏先生は真摯に向き合っていく。
カードを使って結婚のタイミングやお相手の考えを見ていくと、案外、近い将来に動きがありそうな予感。「彼の決心が言葉になったら、つばささんが行動力を発揮して引っ張っていきましょう!」と具体的なアドバイス。「わかりました!」とつばささんも笑顔で納得。
続いて、転職したばかりの仕事のお話をすることに。
「前の仕事は4年半勤めていたのですが……」(つばささん)
「(しみじみと)なるほど、大変だったでしょう」(実杏先生)
どうしてわかるんですか?と驚きの表情のつばささん。
「なぜかというとね、過去に“悲しみのカード”、少し前の環境に“絶望のカード”が示されているんです。これらを2枚出すのは、相当な職場だったのでは。つばささんはよく心折れずに、がんばってきたと思います。
ただ今年はいい流れが来ているので、このタイミングで転職できたのは大正解。
今の職場は信頼できる人がたくさんいるようです。まだまだ前職の疲れが残っているでしょうが、周囲の人を信じて頼って、だんだん自分のペースを掴んでいってくださいね。もともと仕事運も持っているほうなので、きっと大丈夫!」(実杏先生)
その後は、飼っている猫ちゃんの相談をし、制限時間いっぱい、さまざまなお話ができたつばささんだった。実杏先生も猫好きとあって、最後まで温かいムードに。時に真剣に、時に笑顔あふれる20分間があっという間に終了!
客観的な視点で「大丈夫」と言ってもらえて、前向きな気持ちになれた
さて、鑑定を終えたつばささんに感想を聞くと、「めちゃくちゃ当たっていました!」と爽やかな笑顔。
「前職について、詳しく説明する前から『大変だったね』と言い当てられたのには、びっくりしました。
転職して環境が変わった今、焦る気持ちになることも多いこの頃。でも、客観的な視点で『大丈夫』と言ってもらえて、前向きな気持ちになれました。初めての占いでしたが、まったく緊張せず楽しかったです」(つばささん)
もともと占いを信じるほうかというと、「いいことは信じるし、悪いことは信じない派」。だからこそ、「きっと悪いことも言われるんだろうな……と覚悟してきたのですが、ポジティブなことを伝えてくれてうれしかったです」とのこと。
今回の体験をきっかけに、「自分のペースでがんばればいいんだ」と、日々の過ごし方も変わりそうな予感だ。
生きていると大なり小なりモヤモヤは溜まっていくもの。そんなネガティブな気持ちをそっと取払い、背中を押す力が、占いにはあるのかもしれない。
占いで日々のモヤモヤをリフレッシュ。激戦区・新宿でぜひ楽しんで
「気持ちを吐き出すだけでもいいんです。誰にも言えないことを、私たちに話してもらえれば」と実杏先生。具体的な悩みをかかえている人はもちろん、なんとなく気持ちが晴れない……そんなときにふらりと訪れるのも良さそうだ。なんだか、エステやサウナで心身を「ととのえる」ようなイメージにも近い気がする。
心をすっきりリフレッシュしたいとき、次のおでかけの選択肢に「占い」を加えてみよう。冒頭でも記したように、新宿には人気の占い店がたくさん。“ちょっと時間ができたときにお茶するような気持ち”で、ぜひ楽しんで!
実杏先生
バランガン新宿店所属の占い師。占術方法はスピリチュアルタロット、宿曜占星術、西洋占星術、ヒーリング、顔相、カウンセリング。独学でタロットを学び、現在まで約1万人以上の人を幸せへと導いてきた。飲食店の女将、企業の営業、声優、タロット講師など、異色の経歴をもつ。包み込むようなやさしさの中に聡明さとユーモアが詰まった鑑定は、相談者様の心を明るく、軽くしてくれる。
文:徳永留依子
写真:坂本美穂子
イラスト:Kobie Yummy