― 今回、『歌舞伎町 MUSIC CHRONICLE 2023』に出演する3組にお集まりいただきました。この3人で顔を合わせて、お話するのは初めてなんですよね?
サクラ:はい。でも、チョーキューメイさんもHwylさんもSNSでめっちゃ見てます! チョーキューメイさんはライブの衣装も楽曲もめっちゃ可愛くて。メンバーみんなでTikTokで見てたので、お会い出来てすごく嬉しいです! Hwylさんはこの間、対バンさせていただいたんですけど、お酒飲んでふわふわされてて、楽しい方だなと思って見てました(笑)。
りさ:私はみなさんの曲を聴かせていただいたのですが、麗さんの声がめっちゃいいな! と思ってて。対談が始まる前にちょっとお話ししたら、喋ってる声と歌ってる声が全く違ったので、「すごいなぁ!」と思ってました。
麗:私も、ちゃくらさんもHwylさんもTikTokで流れてきて、めっちゃ見る印象で。「Hwylさん、めっちゃいいやん!」と思ってたら、マネージャーが先に繋がってたり(笑)。どちらのバンドも噂には聞いてたので、こういう機会があるのがすごく嬉しいです。
規制ナシになり、やっと青春を取り戻している感がある
― チョーキューメイが2020年、Hwylが2021年、ちゃくらが2022年と、結成時期もかなり近い3組ですが。コロナ禍で様々な規制がある中でのライブ活動を経て、最近ようやく声出し解禁になって、規制ナシでのライブが出来るようになってきて。バンド活動や気持ちの部分での変化は感じてますか?
麗:チョーキューメイは2020年、コロナ禍真っ只中の中で結成して。「音源をいっぱい作ろう!」って、これまでライブに重きを置いていなかったんですが、最近、いっぱいライブをやるようになって、そのタイミングで声出し解禁になって。ちょうど良い感じでやれています。自分たちのバンドが出来上がってきたからなのか、声出し解禁になったからか、どっちが理由かはあまり分からないですけど、そういう反応はやっぱり嬉しいですし。より分かりやすい曲を作ろうと思うようにはなりましたね。
りさ:Hwylはそもそも、お客さん0人とかで。『歌舞伎町 MUSIC CHRONICLE 2023』に誘ってくれた、LOFTグループの横溝さんに呼んでいただいたライブもお客さん0人で、それがすごく悔しくて。0人のライブの映像をTikTokに載せたら、ちょっとずつお客さんも来てくれるようになってきて。そのタイミングと声出し解禁が重なった感じで、「よし、ここからだ!」と思っていますし、ライブをやってて楽しいですけど、それだけじゃダメだと思うことも増えてきて。もっと頑張りたいなと思っているところです。
サクラ:私たちは今年、20歳になる年なんですけど、学生時代はずっとコロナ禍で。それぞれ音楽活動してたんですけど、ライブも出来なくて、青春らしいことがなにも出来なかったので。いま、やっと青春を取り戻してる感があります。「19才」って曲に、<貸したNARUTO早く返して>って歌詞があるんですけど、それを聴いたお客さんが「NARUTO」を持って来てくれたり(笑)。お客さんにもすごい助けられてるし、いまが一番楽しいです! 学生時代が楽しくなかった分、いますごいはっちゃけられてるし、私たちもここからですね。
― いまのバンドは、ライブが出来なかった期間もYouTubeやSNSを効果的に使って、バンドや楽曲を知ってもらう手段もあって。3組ともYouTubeで何万回も再生されてる楽曲を持っていて、ちゃくらも「海月」が37万回再生されていますね?
サクラ:はい。でも、私たちはネットアーティストとか、ネットですごい勢いのあるバンドではなくて、ライブハウスで主に活動していきたくて。「SNSでは可愛いけど、ライブはすごいカッコいいね!」って思われる、ギャップのあるバンドを目指してて。自分たちを知ってもらうキッカケとしてはすごいありがたいですけど、どっちも見てもらいたいです。
― 「海月」がバズったのは、なにかキッカケがあったんですか?
サクラ:なにも知らない学生が、出来心で上げたのがキッカケです(笑)。一週間で何十万回再生ってなって、自分たちの楽曲が世に知れてるという事実が、最初は信じられなかったんですけど。それで知ってくれて、ライブに来てくれるお客さんもたくさんいて。その期待に応えようと思って、いま頑張ってる最中です。
― チョーキューメイはネットとの付き合い方っていかがですか?
麗:ネットリテラシーの話ですよね?(笑) みんな、SNSが苦手で。私が結構、TikTokを見るタイプだったんですけど、メンバーはあまり追いつけないみたいで。もともと、ドラムの子がSNSを運用してくれてたんですけど。ある日を境に、「全部自分でやろう」と思って、TikTokもやるようになって。それが3月とか、本当に最近の話なんですけど。SNSを頑張るようになったら再生回数が伸びて、現在も伸び続けているので。いま、まさに人生初体験をしているところです。
― 「貴方の恋人になりたい」のライブ映像は175万回再生を越えて、いまも伸び続けてますが。なにかキッカケはあったんですか?
麗:みんなのTikTok動画の真似をしてライブムービーを上げただけなんですけど、その日のヴィジュアルと撮影してくれた子の腕もあって、いい感じに広まっていきました。でも今年の5月は、まだチャンネル登録3,000人(現在は3.3万人)だったので、いまもまだ信じきれてないです(笑)。
― ライブ映像がバズったことで起きた変化ってありました?
麗:「貴方の恋人になりたい」は1年前の曲で、最近リリースした曲じゃなかったんですけど。それに便乗して、MVを出したりとか(笑)。あとはライブでは絶対やるとか、細かい変化が自分の中にあったし。「みんなこういうのが好きなんだな」と思って、「可愛い路線でいってみようかな?」と思ったり。ひとつ、チョーキューメイの方向性が定まっていくキッカケにはなりました。
― Hwylはネットとの付き合い方、いかがですか?
りさ:私はSNSをほとんどやってないです。メンバーが基本やってくれてて、それが良い感じですね。
麗:みんなの真似してやれば大丈夫だよ(笑)。
りさ:メンバーもそう言ってました(笑)。私はコメントはなるべく、全部返すようにはしているんですが。やっぱり、ライブを観に来てくれるキッカケになるのもSNSですし。いまはとにかく知ってもらうことが一番だから、もっとSNSを頑張ろうと思っています。
歌舞伎町で良い思い出を作りたい
― そんな中、『歌舞伎町 MUSIC CHRONICLE 2023』もバンドを知ってもらう、すごく大きなキッカケになると思うのですが。誘われた時の感想はいかがでした?
麗:私たちは滝田さん(『邂逅』、『BAND WAGON』主催)に誘っていただいたんですけど、滝田さんへの個人的な信頼もあるし、いま話題のアーティストたちがいっぱい出てて。自分たちもそのひと組として呼んでもらえることがすごく光栄に思いますし、ありがたいですし、めちゃめちゃ楽しみで。夏休みの良い思い出が、ひとつ増えそうです。
サクラ:私もこの中に私たちがいるって事実が本当に嬉しくて。チョーキューメイさんやHwylさんもSNSとかでずっと見てたし、対バンしたいなって思ってたので。やっと叶って、すごく嬉しいです。いろんなバンドさんを見ることが、すごい経験と勉強になるので、出演出来て本当に嬉しいです。
― こうして、実際に会ってお話しする機会も出来ましたしね。
サクラ:本当ですね。2人とも本物ですか!? まだ信じてないですよ?(笑)
りさ:あはは。私たちは横溝さんに誘っていただいたんですけど。横溝さんに誘っていただかなかったら、出なかったかな? と思いますし、すごく楽しみです。
― 『歌舞伎町 MUSIC CHRONICLE 2023』は、新宿LOFTのメインステージとバー、新宿MARZと新宿Marbleでの開催。最近、Zepp Shinjuku (TOKYO)がオープンしたり、歌舞伎町にはライブの街という一面もありますが。ライブハウスに出演したり、ライブを観に来たりといった、歌舞伎町の思い出はありますか?
麗:Marbleはよくライブを観に行きますし、別のサーキットライブでもMarbleになることが多くて、出演もしています。新宿のサーキットライブをお客さんとして周ったことがないので、ライブの街という実感がちょっと湧かないですけど。確かに近いところというか、直線上にライブハウスが並んでますよね。
サクラ:私はど田舎出身なので(笑)。こんな高いビルが並んでるところに来ることが、指で数えるくらいしか無かったんですよ!
― サクラさんはどこの出身なんですか?
サクラ:神奈川なんですけど……。
麗:ちょっとヤメてよ、神奈川を田舎というんですか?(笑)
サクラ:いやいや、神奈川なんですけど、すごい外れの方で。私の家から3kmくらい離れたところに馬糞が売ってるんですよ!
― あははは! え、肥料としてですか? そんなの初めて聞きました(笑)。
サクラ:綺麗な青空! 美味しい空気!って感じで、すごいど田舎なんですよ。
麗:ヤッバイ、マジか!(笑)
サクラ:だから、歌舞伎町ってすごい都会のイメージだし、歌舞伎町のライブハウスにも出たことが無くて。どんな雰囲気になるのか、すごい楽しみなんです。
りさ:私、歌舞伎町でぼったくられたことがあって。メンバーと飲んだらすごい高い金額取られて、「二度と来ねぇわ!」って(笑)。だから横溝さんに誘われてなかったら、出なかったです……。
― 歌舞伎町に良いイメージが無かったから、あまり近づきたくなかったんですね(笑)。
りさ:そうなんです。だから今回、歌舞伎町に良い思い出を作りたいんです。
― 大丈夫、きっとこれで歌舞伎町のイメージも変わりますよ(笑)。普段のライブは下北沢が多いですか?
麗:そうですね、すっごい好きな街ってわけじゃないんですけど、気付いたら下北が多いですね。
りさ:私たちもメンバーと出会ったのも下北だったので自然と。
サクラ:ちゃくらも下北が多いです。なんでだろ? 吸い込まれてますね(笑)。
― やっぱり下北沢ってライブハウスも多いですし、そこに集まる若いバンドやお客さんも多いから、必然的にライブの回数も多くなるって感じですかね。コロナ禍も経て、現在のライブハウスを支えているバンドたちを、あえて令和のバンドという言い方をしますが、令和のバンドの特徴や共通点、そこから生まれるシーンはなにか感じますか?
麗:自分は20年ちょっとしか生きてないですけど、例えば30年前とかは、メインの機器がスマホじゃなかっただろうなと思って。いまはTikTokとかで情報を集めたりするから、そういうところで盛り上がってるバンドにお客さんがいっぱい来たり。そのスタイルが、令和だなと思いますね。
― いま、バンドの公式HPも無かったりするけれど。確かに簡単なプロフィールと音源や動画と、ライブ情報があれば、それ以上の情報は不要だったりしますね。
麗:SNSがHP代わりみたいな感じだったりしますからね。
サクラ 動画も載せられるし、知ってもらいやすいですよね。
― スマホとSNSとライブハウスが直結してる感はありますよね。スマホを見て、SNSやサブスクで気になるバンドがいたら調べて、ライブに行って。ライブで気に入った曲があったら、またスマホで調べて聴いて、より深く知ってという。
麗:結局、バンドやってる人だけじゃなく、誰にとっても、スマホが生活のメインになってるからでしょうね。自分たちも無いと生きていけないものになってますし。
サクラ:スマホが無い時代が分からないくらい、スマホが当たり前にあったし。当たり前のように使って生きてますからね。
― なるほど。スマホやSNSも当たり前に活用しながら、ライブハウスでの生のライブの良さも理解してるのが、令和のバンドの特徴なんですね。では、さっきも少し話題に出ましたが、お互いのバンドの印象と、他のバンドに負けない自分たちのバンドの魅力や特徴を教えて下さい。
麗:チョーキューメイは正式メンバーにピアノがいて、ピアノの旋律を大事にした曲が多いんですが、ギターは私しかいなくて、ギターをガッチガチに弾くタイプのバンドではないので。ギターサウンドがメインのちゃくらさんの音とか聴くと、すごく良いなと思いますし、「私たちって、あまり他にない音をやってるんだな」と改めて思います。耳がチョーキューメイに慣れているので、他のバンドを聴いた時に「新鮮!」と思ってしまうんです。ギターが強めに出てるサウンドを聴いて、「これもいいなぁ」と思って普通に憧れます。
Hwylさんは弾き語りで使うようなビート感があって、チョーキューメイにはないビートなので。「暮らし」とかもノレるし、歌詞の言葉数が多いんだけど、メロディやサウンドにすごくマッチしてて。私たちはあまりやらない手法というか、チョーキューメイにはない音が聴こえてすごいなと思いました。
りさ:ありがとうございます。私もめちゃくちゃ2組の曲を聴いてきたんですが、ちゃくらさんは「海月」がめちゃいいなと思って。歌声と曲がすごく合ってていいなと思って、曲を見たら、作詞作曲は違うメンバーさんがやってるんですよね?
サクラ:そうなんです。
りさ:それで歌と曲がマッチしてるのがすごいなと思いました。「よだか」はサクラさんが書いてて、そっちを聴いたら「この人が書いてるな」ってことが分かったので、それがめちゃくちゃ良いなと思いました。チョーキューメイさんはいま喋ってるトーンからは考えられない高音が出たり、演奏もばちくそ上手かったり、とにかくキャッチーで。TikTokでよく聴いてるので、お風呂場でも歌っちゃうくらい頭から離れなかったりして(笑)。とにかくキャッチーだと思います。
麗:嬉しいです、ありがとうございます。
― そんな2組にも負けないHwylの強みや魅力を上げるなら?
りさ:歌詞で韻を踏んだりよくしていて。理由はそこしかないです。
麗:そんなことないですよ!(笑)
― サクラさんは2バンドの印象と、他に負けないちゃくらの強みはどこですか?
サクラ:チョーキューメイさんはステージの衣装がホントに可愛くて、曲とすごいマッチしてて。TikTokで見た時に、「これ、絶対バズるじゃん!」と思って。これはただのバンドじゃないと思ったし、すごい好きだなと思いました、可愛い!
麗:ありがとうございます。でも、映ってるのは私だけだからね(笑)。
サクラ:メンバーのみなさんは普通の服着てるんですか?
麗:周りのメンバーは、ヤバくない程度の衣装を着てます。
サクラ:そうなんですね(笑)。Hwylさんは私、歌詞厨なので、「暮らし」の歌詞にすごい親近感が湧いたし、すごい心地良くて。大好きです!
りさ:ありがとうございます。
サクラ:で、ちゃくらの他に負けないところは、SNSだけ見ると、ただの可愛いガキに見えるんですけど。ライブに来てもらうと、ステージの上では暴れまわってカッコいいっていう、ギャップですね。そこを自分たちでも押し売りしていきたいです(笑)。
― りささんが言ってくれた、曲を書くのがサクラさんだけじゃないところも強みですね。
サクラ:そうですね。曲もいろんな曲調があって、飽きないって言っていただけてすごいありがたいですし。これからも色んな曲調の中に、色んなちゃくららしさがあるって曲を、いっぱい作っていきたいです。
今後の活動と『歌舞伎町 MUSIC CHRONICLE 2023』に向けて
― では、それぞれのバンドの現在の活動、今後の活動について聞かせて下さい。
りさ:ブランデー戦記さんのツアーに呼んでいただいて、初めて広島と福岡にもライブをしに行くので、気をつけて行ってきたいと思います。Hwylは今年の5月まで東京でしかライブしたことがなかったのですが、最近は大阪などにも呼んでいただく機会があり、ありがたいです。
麗:チョーキューメイは12月24日(日)に、渋谷WWWでワンマンをやるんですが。チョーキューメイ史上、一番大きなキャパでのワンマンに挑むので、それを目標に置いていて。一人でも多くの人に観に来て欲しいので、TikTokもそれで始めたし、路上ライブも増やしていきたいし、ライブの本数も増やしていこうと思ってます。12月24日がクリスマスイブでもあり、私の誕生日なので。チョーキューメイを祝って欲しいし、私のことも祝って欲しいです(笑)。記念すべき日なので、たくさん集まって欲しいです。
サクラ:ちゃくらは9月4日(月)~8日(金)の5DAYSで、『ちゃくら下北沢武者修行&侵略大作戦』っていうイベントを企画していて。5日間連続、5つのライブハウスで対バンライブをやるという、ちょっと大きなことをやろうとしていて。いま、対バンさんにお声がけをしているんですけど、それに向けて頑張ってます。
― では、最後にそれぞれ『歌舞伎町 MUSIC CHRONICLE 2023』に来てくれるお客さんへのメッセージや意気込みを聞かせて下さい!
麗:2023年8月10日は、歌舞伎町で一緒に楽しみたいと思います!
りさ:たくさん素敵なアーティストさんが出るので、自分も楽しみますし、お客さんにも楽しんでもらえるように、精一杯頑張ります!
サクラ:ちゃくらもめっちゃ気合い入れて頑張ります。先輩方、よろしくお願いします!
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歌舞伎町 MUSIC CHRONICLE 2023
開催日 :2023年8月10日(木)
開場 :13:00
開演 :13:30
会場 :新宿LOFT HALL / 新宿LOFT BAR / 新宿MARZ / 新宿Marble
チケット:前売り 4,900円 / 当日 5,400円
※ドリンク代別600円
【オンライン】e+サイトより
【店頭販売】新宿LOFT・新宿MARZ・新宿Marbleにて。
主催/企画/制作:歌舞伎町 MUSIC CHRONICLE 制作委員会
協力 :新宿LOFT / 新宿MARZ / 新宿Mable
お問合せ :kabuki.music.chronicle@gmail.com
URL :Twitter
Tect:フジジュン
Photo:MAYUMI