新宿の「歴史」を手土産に
お菓子の向こうに、新宿の歴史が見えてくる。戦前からある店や、人気菓子の発祥になった店など、この地を代表する2店のお菓子を紹介。
花園万頭 新宿本店「花園万頭」/新宿で最も長い歴史を持つお菓子
明治39年創業、昭和5年には現在の新宿5丁目に店を構え、今も続く和菓子屋「花園万頭 新宿本店」。屋号は、近くにある花園神社にあやかって付けられたのだそう。名物のおまんじゅうである「花園万頭」は、販売が始まってからずっと変わらず新宿を代表する銘菓だ。なめらかなこし餡と、しっとりと蒸し上げられた外皮。新宿のおみやげを探すならまずはこれ。シンプルな美味しさが愛され続ける、新宿の長い歴史を背負った逸品だ。
大角玉屋「元祖いちご豆大福」/日本ではじめて作られた定番の和菓子
新宿中心地から少し離れた、曙橋エリアにある老舗の和菓子屋「大角玉屋」。1912年創業。昭和60年、洋菓子ブームが落ち着いてきた頃、ショートケーキの上に乗っているいちごが三代目社長の目に留まり、そこからヒントを得ていちご豆大福の販売をスタート。すると、たちまち大ブームに。今では定番の和菓子として人気のいちご大福だが、ここが発祥の店と言われているのだそう。誰でも知っているお菓子が誕生した場所として、その歴史を辿るように、大角玉屋のいちご大福を味わってみてほしい。
新宿の「文化」を持ち歩く
全国的にも有名な、新宿の文化的背景を感じる観光スポット。その場所にちなんだ、目にも楽しいグッズを紹介。
東京都庁「キーホルダー」/地上202メートルの場所で手に入れる定番おみやげ
西新宿にある東京都庁。少し意外だけれど、この場所も有名な観光スポットだ。45階にあるのは、地上202メートルの高さから都内を一望できる展望室。東京スカイツリー、東京タワーはもちろん、空気が澄む冬の時期は富士山を望むことも。絶景を楽しんだらおみやげコーナーへ。ここでは迷わず、都庁の建物が刻印された「キーホルダー」を選ぼう。名前と日付が印字できる記念メダルにキーホルダー用の部品を付ければ完成。大都会のど真ん中で手に入れる「ザ・おみやげ」なアイテムは、ここでしか買えないレア感があり、持っていると会話のきっかけにもなりそう。展望室、おみやげ売り場は、ともに入場無料。
新宿の「特産」をちょっとしたギフトに
新宿にも「特産品」がある。自分で楽しむのはもちろん、ちょっとしたギフトにもぴったりなアイテムを紹介。
新宿中村屋「新宿コーラ」と「新宿ジンジャーエール」/インドカリーの名店から生まれた新名物
新宿3丁目にある1901年創業の老舗、新宿中村屋。インドカリーや中華まんが有名だが、ここでゲットしたいのは、コーラとジンジャーエール。「カリーを召し上がりながら、またはカリーを召し上がったあとに楽しめるように」と総料理長の監修により作られた「新宿コーラ」と「新宿ジンジャーエール」は、甘味やスパイスが絶妙にブレンドされ、どこか懐かしい味わいの一品。レトロなガラス瓶で飲める特別感もうれしい。つい新宿の街を背景に撮影したくなる、瓶に貼られた新宿の街並みが描かれたラベルなど、「飲む」以外の楽しみ方もたくさん。差し入れや手土産に持っていけば、喜ばれること間違いなし。
内藤とうがらし「江戸風味七色shichimi」/贈る人を選ばない新宿みやげ
江戸時代、宿場町があった内藤新宿で育てられブームになった、内藤とうがらし。約400年の時を超えて、同じ新宿で内藤とうがらしを復活。以降、歴史ある新宿の名産品として人気を集め続け、百人町にある内藤とうがらしの売店には日々お客さんが絶えず訪れるように。春には内藤とうがらしの苗の販売もあるが、ちょっとしたギフトに贈りやすいのは、内藤とうがらしを使用して作られた「江戸風味七色shichimi」。和山椒、けしの実、青のりなどがブレンドされ、色鮮やかで風味豊かな調味料は、贈る人を選ばない最高の新宿みやげだ。
文:藤原ひかる