本番まで1ヶ月を切り稽古も佳境を迎えた某日、本作に出演する片寄涼太さん(劔 黄伊右衛門役)・水美舞斗さん(神洲崎 湧水役)・RIKUさん(上宮地 玄武役)の3人に率直な想いを語ってもらった。
片寄涼太
GENERATIONS ボーカル。
2019年には5大ドームツアー、2023年には10周年のアニバーサリーツアーを行う。
2014年にドラマ「GTO」にて俳優デビュー。以降、ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」映画「午前0時、キスしに来てよ」等さまざまな作品で活躍。2019年、マカオ国際映画祭において「アジアン・スターズ・アップ・ネクスト・アワード」を受賞するなど国内外にて注目を集める。本格的な舞台出演は本作が初めてとなる。
水美舞斗
宝塚歌劇団専科所属。
2009年、宝塚歌劇団に95期生として入団。宙組公演「Amour それは…」で初舞台を踏んだ後に花組に配属。2015年「カリスタの海に抱かれて」で新人公演初主演。2018年「Senhor CRUZEIRO!」でバウホール初主演、2021年「銀ちゃんの恋」主演、2023年4月より専科へと移動。同年10月「ME AND MY GIRL」に主演。本作にて初めて宝塚歌劇団以外の外部公演への出演となる。
RIKU
THE RAMPAGE ボーカル。
2014年に開催した「VOCAL BATTLE AUDITON 4」にて候補メンバーとして選出。
同年9月に開催した新木場STUDIO COASTでの武者修行ファイナルで、正式メンバーとなる。2017年1月25日、1st SINGLE「Lightning」でメジャーデビュー。
2022年、ミュージカル「『天使について』〜堕天使編」にて初主演を務める。
異色コラボによる新カンパニー
― 初日に向けて日々どんなお気持ちで稽古に臨んでいらっしゃいますか?
片寄:もうすぐ初日か〜というのが正直な気持ちです。今はまだバラバラになったピースが繋がりきっていない状態なので、僕ら自身も全体像が見えていないんです。だからこそ、どんな作品になるのかなと楽しみにしています。
RIKU:これまでに舞台の経験はあるんですけれど、今回のカンパニーが一番好きですね。たとえ稽古がしんどいときでも、それを決してしんどくさせないカンパニーの雰囲気があるんです。きっと観た人の心の中で生き続ける素敵な作品になる確信が既にあります。
水美:本当に空気のいいカンパニーだなと私も日々感じています。毎日進んでいく事柄に対してみなさんとても前向きに取り組んでいらっしゃって、それは演出の平沼(紀久)さんをはじめとするスタッフのみなさまのお力もあるのだろうなと、カンパニーの素晴らしさを実感しています。
― 水美さんは宝塚歌劇団からの外部出演という形で参加されていますが、稽古場で新鮮に感じることはありますか?
水美:宝塚と全然違うのは当たり前ですが「男性ばかり!」ということ(笑)。トレーニングされているみなさまに囲まれているので、体格の差も含めて何かで補わないときっと女性に見えてしまうと思うんです。だからこそ今まで宝塚で培ってきた技術を活かしながら、実際に近くにいる男性を観察しています。稽古中以外もどう動かれているのか見てますよ(笑)。
RIKU:見られてる〜!(笑)
片寄:何を見られているんだろう(笑)。
― 片寄さんとRIKUさんから見た水美さんはどんな印象ですか?
片寄:“かっこいい先輩”ですね。舞台の経験も豊富でいらっしゃいますし、全体を把握する能力をはじめ、いろんな部分で経験がおありなんだろうなと感じます。
RIKU:“優しい近所のお姉ちゃん”みたいな感じもありますね(笑)。最初からすごくナチュラルに壁を取っ払って接してくださったんですよ。ついさっきも「ポッケのところ何か出てるよ」って教えてくれて(笑)。そういう些細なことでも気付いて教えてくれたり、役者っぽい台本にするお手伝いをしてくれたり。
― 「役者っぽい台本」とは?
水美:宝塚では台本をいただくときはいつも製本されているんです。今回受け取ったものは紙に印刷されたものがパチンと留めてあるという状態だったので、自分で製本しました。
RIKU:僕は今までの現場もずっとそうだったんですが、水美さんの製本された台本を見て「え、かっこいい!」と思って(笑)。稽古場で席が隣だったので、水美さんに「自分もそれやりたいです!」と言ったら「いいよ!」と。次の日に穴をあける道具とか持ってきてくれて、稽古のあとに半分ずつ分けて製本を手伝ってくれたんです。優しい方だなあって思いました。
何でもありなエンターテインメントだからこそ、丁寧に物語を伝えたい
― これまでご自身が携わってきた舞台やパフォーマンスと本作を比較したとき、どういうところに面白さや難しさを感じますか?
片寄:いろいろな舞台を観に行かせていただく中で、今回の作品がお客様にどう伝わるのかがわからないんです。もちろん「HiGH&LOW」シリーズとしての本筋はわかっているんですけれど、これが舞台の表現でどう伝わっていくのかは蓋を開けてみないとわからない。楽しみもありつつ不安もありつつという感じです。
水美:きっとライブ演出がすごいんだろうなと思います。宝塚ではなかったような構成なので戸惑う部分もありますが、これがHiGH&LOWスタイルだと知ると「なるほど、そこに自分は参加しているんだ!」と改めて感じます。お客様が物語の本筋を追っていく中で、ライブシーンなども楽しんでいただければ。
RIKU:僕にとっても今まで観てきた舞台と全く毛色が違うからこそ、プレイヤーとしてワクワクしています。普段のライブでもそうですが、自分たちが楽しいだけの作り物ってお客様にとっては多分楽しくないんです。エンタテインメントなので、作品の善し悪しはあくまでお客様がどう思うかで決まります。作品の魅力を伝えるには、お客様に丁寧に物語を伝えないといけない。自分たちの力量が試されますね。
― 本作は、戦乱の世が舞台。5つの国が群雄割拠し合戦につながっていくストーリーです。みなさんはそれぞれ3つの国を率いるリーダー的存在の役を演じられますが、現時点でご自身の役をどう捉えていらっしゃいますか?
片寄:黄斬は戦国の世界でイメージする武将然としていないキャラクターなのかなと思っています。人を傷つけることで制するのではなく、何かを守ったり誰かと繋がったりすることで平穏が保たれると考えている人。それだけではダメなのかもしれないという試練にぶち当たるのですが、優しいが故の彼の成長物語を感じてもらえるんじゃないかなと思います。
水美:私が演じる湧水は、そもそもあまり戦ったことがない城主なんです。戦いを目の当たりにしたときの命の尊さを劇中ですごく感じています。何を大切に今を生きるのかということは現代にも通ずるものだと思いますし、そのことを湧水としても私自身としても感じながら役を作っている段階です。千秋楽まで、良い意味で悩みながら湧水と向き合い続けたいです!!
RIKU:玄武は自分以外は全員敵というタイプで、そうならざるを得ない辛い過去があった人物。自分とは全然違う人間なので、あくまで玄武に寄り添うことで役作りをしていこうと思っています。彼にとっては誰かに対して心を開いて歩み寄るということが試練なのですが、それって苦手なことに対して一歩踏み出すことにも通ずる部分がありますよね。そういうところで役の気持ちとリンクさせられたらなと。最初は引くほど嫌な奴なので「こいつ嫌いやわ〜」と思ってもらえたら勝ちだなと思っています(笑)。
2024年は学びと挑戦の年に
― 本作が上演される「THEATER MILANO-Za」は新宿歌舞伎町にありますが、みなさんは普段新宿に行くことはありますか?
片寄:花園神社の酉の市によく行きますね。商売繁盛の縁起物の熊手があるので、最初に去年の熊手を返してからちょっと大きめのものを買うんです。
RIKU:僕は大好きな串カツ屋があります。グルメな友達が連れて行ってくれたお店で、無性に揚げ物が食べたくなったときに行くんです。そのお店ではいっぱい串を食べると表彰されるんですが、1位の人は200本超え。僕も食べることは好きだから挑戦したんです。野菜系を中心に食べて、結果30本でした(笑)。
水美:少ないですね!(笑)
片寄:そんなもんか〜(笑)。
RIKU:表彰は程遠かったです(笑)。
― ちなみにお気に入りの串は?
RIKU:エビフライです!
水美:なんだかかわいいですね(笑)。私は歌舞伎町は降り立ったことがないのですが、新宿はお買い物しやすいので伊勢丹に時々(!?)伺います。
― この機会に行ってみたい新宿のスポットはありますか?
水美:目先の稽古に必死でまだそこまで頭が働いていなかったです(笑)。
片寄:僕、劇場が入っている東急歌舞伎町タワーにまだ行ったことがないんですよ。だからあのビルの中がどんな感じなのか楽しみです。確かホテルも入っているんですよね。
RIKU:じゃあ公演中に泊まっちゃおうかな(笑)。今日はもう帰るの無理〜っていうときに(笑)。
― 最後に、作品への意気込みと今年の抱負をお願いします。
RIKU:『HiGH&LOW THE 戦国』という舞台は最高だったなと思える作品にしたいです。初めましてのお客様もたくさんいらっしゃると思うので、その方々にもアーティストとしてではなく一人の役者としてお芝居をお届けすることで、これからの僕たちの活動にちょっとでも目を向けていただけるよう頑張りたいです。抱負としては相も変わらず挑戦することを続ける1年にしたいなと。何かを始めるのに遅いことはないと思うので「思い立ったら即行動」を念頭に置きながら、自分の活動の幅を広げられる1年にしたいと思います。
水美:新たなエンターテイメント!この作品に携わらせていただき、光栄です。貴重な機会とご縁を大切にお客様に楽しんでいただけるよう日々努めたいです!!宝塚だけでは学べなかったことも学ばせていただけているので、きちんと学んで、感じて、宝塚に帰ったときに役者としての幅を広げていけたらなと思います。今年は今まで興味はあるけど出来なかったことや、見逃していたことも含め、何事にも挑戦したいです。そうすることで役者としてだけではなく、人間性も高めていけたらいいなと思います。
片寄:「HiGH&LOW」シリーズの新しいエンターテインメントなので、以前からファンでいらっしゃる方や初めてご覧になる方など、さまざまな角度から楽しみにしてくださっている方の期待に応えられるよう頑張りたいです。今年はアーティスト業はもちろん、個人としてもイチからいろいろなことを勉強する1年にしたいので、どこかで見掛けた際はぜひ温かく見守っていただけたらと思います。
THEATER MILANO-Za公式サイトにてその他のエピソードも含めた記事公開中▼
『HiGH&LOW THE 戦国』
公演日程:2024年1月29日(月)~2月25日(日)
会場:THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階)
チケット料金:S席15,000円 / A席12,000円(全席指定・税込)
チケットお問合せ:ticketbookカスタマーセンター(日本語対応のみ)0570-009-098
企画・プロデュース:EXILE HIRO
演出 : TEAM GENESIS
脚本:平沼紀久・渡辺啓
衣装:有村淳(宝塚歌劇団)
URL:OFFICIAL SITE / THEATER MILANO-Za
HiGH&LOW THE 戦国 × HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotelコラボ宿泊プラン
HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotelでは、THEATER MILANO-Zaで公演予定の「HiGH&LOW THE 戦国」 とコラボレーションした宿泊プランを販売いたします。オリジナルグッズやコラボレーションメニューなどの特典がついた期間限定の特別なプランです。
■宿泊料金
①1室1名利用 99,000円(サービス料・消費税込)
②1室2名利用 121,000円(サービス料・消費税込)
舞台『HiGH&LOW THE 戦国』の鑑賞チケットをお持ちの⽅は、下記特別価格にてご宿泊いただけます。
①1室1名利⽤ 69,300円 (サービス料・消費税込)
②1室2名利⽤ 84,700円 (サービス料・消費税込)
※別途、東京都宿泊税(1泊1名さまにつき200円)を申し受けます。
※客室はDeluxe Roomとなります。
※舞台「HiGH&LOW THE 戦国」の鑑賞チケットは含まれません。ホテル宿泊(朝食付き)のみとなります。
■宿泊者特典
・宿泊者限定グッズ(オリジナルカードキー、BIG タオル、マグカップ、直筆プリントメッセージカード)
・メイキング映像やメッセージ(劔 ⻩伊右衛⾨役 ⽚寄涼太)
・コラボレーションウェルカムスイーツ
・朝⾷ブッフェ
・直筆サイン⼊りポスター等を宿泊者抽選で 10 名様にプレゼント
※宿泊プランの内容・販売などにつきましては、予告なく変更または延期となる場合がございます。
■予約⽅法
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文:松村蘭(らんねえ)
写真:玉井俊行