雨にも負けず、歌舞伎町を音楽で照らし出す！ Kabukicho Music Live vol.11レポート

テレビでも聴こえたアノ曲が！

Anna

今年7月に行われたvol.6に続いて2回目の登場となるシンガーソングライターのAnna。最近では書き下ろし楽曲がアニメのテーマソングに起用されたり、歌唱楽曲がCMで使用されるなど、着実に活動の幅を広げている。「寒すぎなかったら観ていってください」と観客を気遣いながらVaundy「怪獣の花唄」、HumpBack「拝啓、少年よ」をカバー。「路上はあんまりやったことないから恥ずかしい」と言いながらも、凛とした歌声を響かせる。オーディエンスからリクエストを募り、先日パーソナリティーを務めるラジオ番組で歌ったという阿部真央「Believe in yourself」、以前に路上ライブでカバーした動画が多く再生された椎名林檎「丸の内サディスティック」などを披露。アニメソングでもある、いきものがかり「ブルーバード」には海外からの観光客の反応もビビッドだった。

自身の曲「cactus」では、なぜか2番から歌いはじめてしまう。TikTok Liveのコメントには「歌詞がごちゃごちゃになっちゃったのかわいい笑」と寄せられ、ファンもレアな場面に遭遇できてうれしそうだ。再びリクエストタイムになり、miwa「ヒカリへ」や、友人であり先日のライブにもゲスト参加した703号室「偽物勇者」をカバー。TVアニメ『ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん』エンディングテーマの「花のように」、アーバンなグルーブが街並みに映える「眠る時にあなたの声を」でライブを締めくくった。

「前回出演したときは雨で30分くらいになっちゃったので、今日はリベンジでした！ 前回はオケも使って歌ったんですけど、今日は沢山のリクエストに応えたくてギターだけのステージにしました。今年はずっと夢だったアニメソングを担当することができたんです!! 大好きなアニメにまた関われるよう頑張りたいです。また今後は都内だけではなくて、地方でのライブを増やして、みんなに会いに行きたいなって思います」

門脇更紗

アコースティックギター一本を抱えて登場した門脇更紗は、「行ける？」とオーディエンスに問うと「えのぐ」を歌いはじめた。影響を受けたというテイラー・スウィフトやアヴリル・ラヴィーンなど2000年代以降の洋楽のエッセンスを感じられるポップソングだ。2曲目の「いいやん」は軽やかなリズムに関西弁を織り交ぜた歌詞が心地いい。地元の兵庫や大阪では路上ライブをよくやっていたといい、その頃カバーしていたあいみょん「マリーゴールド」、阿部真央「ストーカーの唄～3丁目、貴方の家～」、YUI「Good-bye days」を披露。ドラマ『ゆるきゃん△2』（テレビ東京）エンディングテーマだった「わすれものをしないように」を歌うと、観客から「観てたよ！」の声がかかる。

Official髭男ism「tell me baby」のカバーに続いては、自身の曲「白」。力強いギターカッティングが耳に残る。再びあいみょんの「満月の夜に」、兵庫から上京してきたときに作ったという「東京は」、そして「Diamond」を歌い上げると、マイクを通さず地声で「今日は寒いなか本当にありがとうございました！」と感謝を述べてステージを降りた。

「初めましてのお顔がたくさんあったので、すごく自分をアピールできた場になったし、足を止めて貰えてホッとしました。路上ライブが禁止されている場所もたくさんあるなかで、こういう風にイベントを開催していただけるのはめちゃくちゃありがたいですし、あらためて素敵なイベントだなと思いました。海外からの方も立ち止まって動画を撮ってくれていましたね！ あれはどこに載るんだろう（笑）。来年3月3日でメジャーデビュー3周年なので、ワンマンで333人動員を目指しています。路上ライブをたくさんやってもっといろんな方にチケットを届けられたらいいなぁと思います！」

shallm

19歳のボーカリストliaによるバンドプロジェクト、shallm。作詞・作曲も手掛ける彼女は、今回エレキギターを持って登場。意外にも、このイベントでエレキギターを弾いた出演者ははじめてだ。1曲目はメジャーデビュー曲でありドラマ『女子高生、僧になる。』（MBS）のオープニングソングにもなった「センチメンタル☆ラッキーガール」。2010年代以降の邦ロック的なアレンジが、この場所では新鮮に響く。「stardust」、「ハイドレンジアブルー」と立て続けにパフォーマンスし、「呼んでいただいてありがとうございます！」と満面の笑みで挨拶。「いつものライブより持ち時間が長いので」と、ここからはカバーゾーンに。

はじめてネットに歌ってみた動画としてアップした、はるふりfeat.重音テト「右に曲ガール」を歌うと、TikTok配信には「かわいすぎる！」とのコメントが。機材トラブルで一時中断するも、オフマイクで観客とコミュニケーションをとりながら美波「ライラック」、GOUACHE「RED」を披露した。ここでギターの弦が切れるアクシデントが起こるも、「楽しいからいいや」と気にもとめない様子。「がんばります！」と仕切り直して、「短夜の星」、「if 1/2」とスケールの大きい曲を見せつける。最新リリースの「境界戦」、はじめてshallmとして作った大切な「夢幻ホログラム」をエモーショナルに演奏した。

「歌ってて感動しちゃって！ 私のことを知らない人も聴いてくれているんだなと思って、すごくうれしかったです。今日はいっぱいの人に聴いてもらえそうだから、オリジナル曲をたくさんやりたくてエレキギターを持ってきました。やっぱり私はバンドサウンドが好きなので。これからもいろんな人にオリジナル曲を聴いてほしいという思いがあるんですけど、それ以前に自分が一番楽しいのでずっと長く続けていければいいなと思います。超えたい人もいるので、野望をもってがんばります！」