この攻略に挑むのは、YouTube「バンダイナムコアミューズメント公式チャンネル」内「わくわくバラエティ!もっとファン課!!」でお馴染み、クレーンゲーム愛好者のいわじ課長(岩田裕耳)。巨大クレーンならではの難しさを克服し、景品を確実にゲットするためのコツを伝授! 実践を通じて、「ビッグクレーン」の魅力とその攻略法を深掘りしていく。
クレーンゲーム好き、いわじ課長が「ビッグクレーン」に挑戦!

「わくわくバラエティ!もっとファン課!!」がスタートしたのは2020年12月。以来、いわじ課長は数多くのアミューズメント施設を訪れ、さまざまなクレーンゲームを攻略してきた。「namco TOKYO」を訪れるのは同店開業の2023年4月以来で、「ビッグクレーン」は久々のチャレンジだという。まずは意気込みを聞いた。

「任せてくださいよ! 通常のクレーンゲームよりサイズこそ大きいですが、難易度はそこまで変わらないはずです!」(いわじ課長、以下同)
攻略の第一歩は特性を知ること!「ビッグクレーン」の基本スペック
「ビッグクレーン」は1回500円。筐体向かって左側に獲得口があり、アームは3本爪だ。制限時間の50秒以内なら左右手前奥と自由に動かせ、アームの降下中に再度降下ボタンを押すと、その位置でキャッチする。また、アームから見下ろす目線をモニターが映してくれるのも特徴。最初は、機器ごとのこうした特性を知ることが大切だ。



「取りたい景品が、アームの行動範囲内にあるかの確認もお忘れなく。もし範囲外にある場合は、スタッフさんにいえば景品を動かしてくれますので。スタッフさんは味方です! ましてや『namco TOKYO』のコンセプトは“アソベル・ノメル・ツナガレル”ですから、ぜひ声をかけて仲良くなってほしいですね」


景品が届かない場所や、取りづらいところにある場合、スタッフさんにお願いすると取りやすい位置に景品を移動してくれることもあるそう。スタッフさんと協力することも、攻略法のひとつなのだ。

「あと“アソベル・ノメル・ツナガレル”がテーマなだけに、このフロアの奥ではお酒やおつまみを販売していて、筐体にドリンクホルダーが設置されているのもここならでは。ぜひ飲みながら楽しみましょう!」
獲得口付近の景品が狙い目!いわじ課長が語るクレーンゲームの基本戦略

クレーンゲームで遊ぶ前に、いわじ課長は基本的なコツと心得を教えてくれた。正攻法として覚えておきたいのは、獲得口に近ければ近いほど取りやすいこと。そして全体像をよく見て、あらかじめ何回程度チャレンジしたら取れるかをイメージすることが大切だという。

「景品を獲得口へ移動する途中に、アームが落っことしてしまうケースって“あるある”ですよね。なので、獲得口から近い景品を狙ったほうが勝率も上がります。また、1回で取れるほどクレーンゲームは甘くありません。行き当たりばったりではなく事前にプロセスを考え戦略を立てたほうが、獲得の可能性が高まりますよ」
この日の「ビッグクレーン」はサメとエビフライの2種類のぬいぐるみが景品。「どっちでもいいなら、サメを狙うべきです」といわじ課長は断言する。その理由は?

「サメには胸ビレと背ビレがあるので、アームに引っ掛かりやすいんですよ。一方でエビフライは引っ掛ける場所がなくツルツルなので、アームからすべって落ちそう。あと、サメはふわっとした印象ですけどエビフライは中身が詰まって見えません? たぶんサメのほうが軽いので、取りやすいはずなんです」

狙うはサメ! いわじ課長、クレーンゲームの妙技を発揮

ということで、まずは獲得口から近いサメがターゲット。「この子なら3~4回あれば取れると思いますよ!」と意気込み、挑戦開始。1~2回目は惜しくも逃がすが、狙ったサメはより獲得口へと近いていく。3回目はかなりいい線。もうひといきか!

「ターゲットの配置次第で、どこを持ち上げるかが変わります。このサメは他の景品の中に埋もれずに上に乗っかっている状態なので、周囲の干渉がありません。通常は重心の真ん中を持ち上げるのがセオリーですが、この場合は獲得口に向けて頭が下がっているので、おしりのほうを持ち上げるのもいいんじゃないかな。やってみます!」

いわじ課長の読みどおり、尻ビレがある後方を狙って上げつつ、頭から獲得口へ落とす作戦は見事成功。1匹目は計4回でゲットした。
サメだけにジョーズでしょ!? 奇跡の一手が炸裂!
勢いづいたいわじ課長は、次に薄紅色のサメをロックオン。すると2匹目はなんと、1回で1本釣りするという奇跡の展開!

「サメだけに、ジョーズでしょ!? 配置的にラッキーポジションだと、稀にこういうこともあるんですよ。で、その下にいる水色のサメちゃんも取れそうですよね。ということで次はあの子を狙います!」

続いて3匹目のサメにロックオン! 2匹目のように一発とはいかなかったが、回を重ねるごとに水色のサメは獲得口のほうへ。コツをつかんだいわじ課長は、アームの爪をどう食い込ませるかが成功へ導くポイントだという。
「このサメちゃんの場合、胸ビレの周辺に食い込ませるのが効果的です。このヒレがうまく引っかかればこっちのもの。あとはやっぱり、できるだけ隣と干渉してない子を狙ったほうが取りやすいですね」
そして3匹目も4回で成功。ラストは頭よりも軽い尾ビレを持ち上げ、ずらして落っことすスタイルでゲットした。

あえて難易度の高いエビフライを狙ってみた
次はエビフライにトライ。「サメより取りにくいはず」とのことだがどんな戦略で臨むのか?

「ちょうどさっき、目の前のサメを2匹取ったことで、手前のエビちゃんの周りが空きました。しかも、景品の山の上に乗っている状態なので取りやすいはず。この子を狙いますが、ここは正攻法ですね。いかに芯を狙って持ち上げられるかが勝負どころです」
うまくつかめた! と思ったが、やはりエビフライはサメより重量級。胸ビレのような突起もないのですべりやすく、スルッと落ちてしまう。

「でも、繰り返すうちに少しずつゴールへ向かっていますよね。ここで気を付けたいのが、さっきサメちゃんがいたくぼみにエビフライの頭を落とさないことです。ここにハマッてしまうと、頭が重いので取り出しにくくなってしまうんですよ……。でもアッ!」
なんと、注意していたもののエビフライの頭がくぼみにダイブ。いわじ課長は「マジか~」と頭を抱えるが、ゴールは目と鼻の先だ。ターゲットは変えず、成功するまで攻める作戦を貫く。「う~ん、やっぱり重いなぁ……」と苦戦しながらも、なんとか頭頂部を獲得口の近くまで引っ張り出せた。

最終的に7回での奪取となったが、ラストはきれいに高く持ち上げてゲット。「くぼみにハマらなければ、3回ぐらいでいけそうだったんですけどね~」といわじ課長はくやしさをにじませるも、うれしそうだ。

クレーンゲームの難所に挑戦! “引きずり”を克服せよ

では、獲得口から遠い場所にある景品だとどうか。ターゲットを選んでもらうと、そこはやっぱりセオリー通り。埋もれずに山の上にあって、隣との干渉が少ないサメに決めた。「この子なら、5~6回やれば取れる気がします!」と課長。

隣接するぬいぐるみはつかまず、ターゲットのサメだけを狙い撃ちする技術はさすが手慣れたもの。ただ、しっかり全体を持ち上げるには的確に重心を狙わなければならない。「あ、また引きずっちゃった。こうなると、距離がある場合不利なんですよね~」といわじ課長は難しがる。

「引きずると、摩擦がある分アームに負荷がかかって落ちやすくなりますよね。獲得口から遠いとそれだけ移動するわけだから、ひきずる距離も長くなる。だからやっぱり、なるべくゴールに近い景品を狙ったほうがいいんです」

また、端のくぼみなどに落とさないようなルートを通ることも注意すべきポイント。くぼみに落とすことがNGであることは前述したが、端に落ちてアームが届かない、なんてこともあるからだ。4匹目のサメはその点も踏まえ、なんとか6回でゴールへ。しかも最後は、かなりがっちりつかめたようだ。

「クレーンゲームの景品には大小問わず、ど真ん中の芯があるんですね。ミリ単位でズレちゃうんですけど、そこを完璧にとらえると吸いつくようにつかめることがあって。今のはその感覚でした!」

ここまで、サメ4匹とエビフライ1本の計5体をゲット。「2匹目は一発で取れましたし、今日の僕はめちゃめちゃ調子いいっすよ」といわじ課長も得意げだ。ここまで「ビッグクレーン」を操作し、気付いた特性はあるのだろうか。

「アームの爪はなかなか強力でいい感じですけど、上下させるたびに3点爪の角度が変わるので要注意です。あとモニターは状況に応じて見る感じで、過信しすぎないこと。僕はもともと肉眼を信じるタイプですが、降りてきた爪がどこに入るのかは直接見たほうがいいと思います」
埋もれた重量級の景品はどうやって攻略する?
クレーンゲーム攻略の大前提となるのが、取れそうな景品を見極めること。加えて、獲得口から近かったり、周囲にスペースがあって取りやすかったり。また、なるべく軽いほうが取りやすいなどは前述の通りである。
では、もし取りにくい景品を狙った場合はどれぐらい手こずるのだろうか。あえて、バッドポジションでもチャレンジしてもらった。

「取りにくい場合はスタッフさんを呼んだ方がいいこともありますけど、試しに自力でやってみましょうか。手前にちょっと埋もれているエビフライを狙いますね」

しかし、そもそも重いエビフライの上にサメが乗った状態。2回トライしたものの、アームがうまく刺さらずほぼ動かない。そこでスタッフコールし、位置は変えずに上に出してもらうことにした。これで少しは取れそうな状況に。

しかし何度かやってみたものの、エビフライの頭が獲得口と逆のほうを向いていることもあり、なかなかアームでつかむことができない。「重いほうが進行方向と逆になると、引きずる際の負荷が大きいのでより難しいんですよ」といわじ課長。

つかんではすべり落ちてを繰り返す膠着(こうちゃく)状態が続く。スタッフさんに手伝ってもらってから、ここまででもう計5回。事態はなかなか好転しない。
「景品が密集してると、やっぱり難しいですね。隣のサメをかわそうとすると、今度は逆側のアームがほかのサメに触っちゃって。ほら、今、エビフライとサメの2体を一緒につかみましたけど、爪の力が分散されるのですべり落ちちゃうんですよ」

そうはいいつつも、少しずつだがエビフライは獲得口のほうへ向かう。しかし、さらに5回チャレンジしたところでいわじ課長の手がストップ。そして、申し訳なさそうな顔で次のように申し出た。
「すみません……。ちょっとずつ動いてはいるんですけど、手前に転がってきた関係で、アームがこれ以上先まで行かないです。もう1回、スタッフさんに助けてもらってもいいでしょうか。アームの可動域まで戻していただくのと、やっぱりエビちゃんの頭を獲得口のほうに向けたいなと」

「重い」「すべりやすい」「遠い」「埋まっている」「向きが逆」といった悪条件は、これまで幾多のクレーンゲームを攻略してきたいわじ課長でも難攻不落ということか。しかしこうして、仕切り直しの再チャレンジがスタート。「これは絶対取りますよ! あと5回ぐらいかなぁ」と、あらためて集中モードに。
「とはいえ、ほんとにこのエビチャンは強敵ですね。ここで注意するべきポイントは、2点。ひとつは、下にいる水色のサメをつかまないようにすることです……といいながら、いま一緒に持ち上げちゃっていますけど、これは悪い例」

アームの位置や、爪が降りる際の角度をシミュレーションしつつ、エビフライだけをつかむ絶妙なさじ加減が求められる。なるほど、こうして間近で見ると実際は非常に高度なテクニックを要するのだろう。
「そしてもうひとつのポイントは、獲得口の手前にあるくぼみに頭をつっこまないことです。ここに重い頭が入ると抜け出しにくくなってしまいますから」
執念のエビフライ攻略戦! しっぽの罠を突破せよ

相変わらず、重さがあるエビフライは上げては落ちるを繰り返すため、少しずつしか動かない。しかし獲得口手前のくぼみにハマることもなく、なんとかあと一歩のところまできた。ついにフィニッシュか!と思いきや、いわじ課長曰く新たな問題が出てきたとか。

「気になるのは、エビフライのしっぽが下がっちゃっていること。これだと頭を持ち上げたときにしっぽが引っかかってしまうんじゃないかなと。ほら、そこのサメのヒレとヒレの間に挟まっているでしょ?」

確かに。このままでは頭を動かそうにもしっぽがストッパーになってしまいそうだ。そこでいわじ課長は、一度しっぽの部分を持ち上げ、この干渉をなくすよう試みるとのこと。
「ただ、エビフライは隣のサメと密接してるのでしっぽだけ動かすのは難しいです。まずは一度、サメの巻き込みを承知でやってみますね」

しっぽの巻き込み解消には2回かかったが、干渉はクリアに。エビフライの角度もほぼ水平で、うまく持ち上げられれば獲得できそうな。ラストスパートへ向かう心境はいかに?

「やっぱり、このエビフライは重心をとらえるが難しいんですよ。先端を持ち上げるとしっぽが下がって引きずる一方、後方を狙うと今度は頭が持ち上がらなくて動かないというジレンマにハマりやすい。どうしよっかなぁ」
そこでいわじ課長が狙った位置は、中心から少しだけ後方部分。頭は獲得口のほうを向いているので、そのまま自重でゴールに落ちてくれることもあるだろうという見立てだ。

すると、なかなか全体が持ち上がらないエビフライをひょいっと持ち上げた。「おっ、いいぞいいぞ!」といわじ課長も前のめりになるが、もう一歩のところで落下。しかし今度こそ本当にあと一歩だ。

「いやぁ、最後まで手強いですね。でも、これはさすがにいけますよ。次でエビちゃん、仕留めます!」

こうして、ついにゲット! 2回のスタッフコールを経て、計20回ほどトライ&エラーを繰り返した埋もれエビフライとの死闘が、ついに終結した。

「時間はかかりましたが、なんとか取れてよかったです。いやぁ、まさか最後にここまでのラスボスが控えていたとは。このエビちゃんは、過去イチの強敵だったかもしれません」
ビッグな筐体は得られる面白さも強大!

最終的に、サメ4匹とエビフライ2本を獲得したいわじ課長。今日の感想を振り返ってもらった。
「序盤はサクサク取れて天才かと思ったんですけど、エビフライに挑戦したら、やっぱりこれがふだんの実力かなと。でも難しいからこそ攻略法がたくさんひらめくし、これぞクレーンゲームの面白さですよね。すごく楽しかったです」
「ビッグクレーン」ならではの魅力も存分に感じたという。

「シンプルに、これだけ大きいとそれだけで面白いですよね。遠くから見ても『なんだこれ?』って興味が湧きますし、やってみたくなる。それに、通常のタイプより細かいところがわかりやすいから、作戦の立てがいがあるんですよ。プレイも見やすいから、大勢で楽しめる点もいいですね。人数が多ければ多いほど盛り上がると思います!」
YouTubeの「わくわくバラエティ!もっとファン課!!」は、2025年で活動5年目を迎える。当初はなかなか景品を取ることができず、収録にも長時間かかっていたという。
「それなりにクレーンゲームの経験はあっても、通うほどではなかったですから、ほぼ初心者ですよね。だから当時は、クレーンゲームが得意な店舗スタッフさんに教わりながらやっていました」
収録を重ねるごとに腕前も上達し、2~3年で独り立ちできるようになったとか。そして今では、筐体を見ただけで難易度などがわかるようになってきたという。

「実際の手さばきはもちろん、アームの強さとか、何回で取れそうだなとか。今日の景品はぬいぐるみでしたけど、箱に入ったおもちゃがあったり、お菓子があったりもして。箱の場合は表面がツルツルしているから、また別の攻略法があるんですよね」
もちろん「namco TOKYO」にも「ビッグクレーン」以外のゲームはあり、景品も多種多様。訪れた際は、ぜひいろいろなクレーンゲームを楽しもう。また、「わくわくバラエティ!もっとファン課!!」もさまざまな動画をアップしているので、こちらもぜひチェックを!
文:中山秀明
写真:坂本美穂子