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路上ライブでしか見られない、特大サプライズも! Kabukicho Music Live vol.8

歌舞伎町

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Kabukicho Music Live イベント 音楽
DATE : 2023.10.04
2023年9月12日(火)、歌舞伎町シネシティ広場で『Kabukicho Music Live vol.8』が開催された。路上ミュージシャンの聖地になっている新宿駅前の盛り上がりを受け、昨年11月から定期的に行われているこのイベント。偶然通りがかった人々を巻き込んで新しい路上ライブの可能性を示している。3組の熱演に加え、超ド級のサプライズも起こった今回の熱いライブの模様をレポートする。

暑い日も寒い日も、いつか夢を叶えるために

中谷桃花

ハンドマイク一本を握りしめステージに登場したのは、札幌出身のシンガーソングライター中谷桃花。Hump Back「拝啓、少年よ」のカバーでスタートし、ストレートなロックサウンドに、道行く人も振り返る。続いてのオリジナル曲「アンビション」は、打って変わってアーバンなR&Bだ。「夏の終わりの失恋の曲です」と歌われた「涙花火」は、9月1日に配信されたばかりのバラード。中谷にとってはじめてのリリースで、MVも公開中 。やっと涼しくなってきた風が、歌詞の情景にマッチしている。機材トラブルで中断してしまうも、このライブの模様を生配信しているTikTokのコメント欄には「がんばれ!」「どんまい!」と励ましのコメントが多数届き、もう一度最初から歌い直すことができた。

HY「Song for…」のカバーを挟み、人生で最初に作った曲だという「花束」を披露。大切な人に向けて書いた曲とのことで、「聴く人の背中を押したい」という真摯なメッセージが込められた歌声に、集まった人々もじっと聴き入っていた。「ここからは盛り上がる曲ばっかりでいきます!」と宣言すると、Eill「ここで息をして」のカバー、そしてオリジナル曲「リライアンス」、「センチメンタル」を立て続けにパフォーマンス。オリジナル2曲はどちらもトラップのビートが熱気を高めるダンスソング。「残すところ2曲となりました」というMCにオーディエンスからは「えー!」と名残惜しむ声が。milet「inside you」、Mrs.Green Apple「ダンスホール」の2曲を全力で歌う中谷を鼓舞するように、大きなハンドクラップが送られた。

「路上ライブの経験はそんなにないのですが、こんなにもお客さんが盛り上がってくれるのかと思いました。すごく一体感を感じましたね。めちゃくちゃ楽しかったです! トラブルもありましたけど、無事に最後まで歌えてよかったです。今日のカバー曲は自分の歌声の特徴を活かせるように選びました。芯のある声と繊細な声、両極端が混ざっている性質なんです。自分のストレートな思いを伝えられるような曲と、自分の繊細な部分を出してお客さんに寄り添える曲の両方を歌えました。ソロ活動をはじめてまだ間もないんですが、つい先日ファーストシングルをリリースしてMVも公開できたので、この勢いでどんどん曲を発表していって、いつか武道館に立ちたいです。このイベントにもまた出演したいです!」

中谷桃花

札幌出身のシンガーソングライター。東京を中心に活動中。

ライブ情報はInstagram、X (旧Twitter)にて随時公開。

 

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Rons week

2020年に結成、ギターボーカルのHonamiとキーボードボーカルのMasamiによる二人組Rons week。1曲目は久保田利伸 with ナオミ・キャンベルが1996年に発表した「LA・LA・LA LOVE SONG」のカバー。メインメロディーとハモリを巧みにスイッチして歌っていく様はまるでジャグリングのようで、ツインボーカルならでは。2020年にリリースされたオリジナル曲「One more time」も軽快なポップソングで、聴いている人々も心地よさそうに肩を揺らしていた。「お仕事帰りや学校帰りに遊びに来てくれてありがとうございます!」と感謝を述べると、Vaundy「不可幸力」、小沢健二 featuring スチャダラパー「今夜はブギー・バック」をカバー。「今夜は~」は観客のクラップにのせたアカペラからはじまり、ラップもこなす多才ぶり。

5曲目は楽器を置きハンドマイクで「それでいいの」を披露。Ryugaが提供したバラードだ。続いてはカバーメドレー。泰葉「フライディ・チャイナタウン」、松原みき「真夜中のドア~stay with me」、竹内まりや「プラスティック・ラヴ」とシティポップの名曲詰め合わせで、オーディエンスも大いに盛り上がる。再び楽器を手にし、Da-iCE「スターマイン」、ドラムマシンとアコギのフレーズをループさせてビートを作りCreepy Nuts「のびしろ」をカバー。最後は今年6月にリリースしたアルバム『Find it』に収録されている「Tulip」でライブを締めくくった。

Honami:普通の路上ライブとは全然違って、開放的だったね。

Masami:公式だから安心してできたし、照明もあるから、お客さんの顔も見れたし。すごく素敵な環境だなって思いながらライブしてました。

Honami:野外ライブっていう感覚でした。

Masami:路上ライブやってる人があんまりやらない曲をけっこうカバーしてるんです。ちょっと昔の曲だったり。

Honami:二人ともチルだったりシティポップをたくさん聴いて曲を作っているので、カバーもそういう楽曲が多いですね。私たちに合う曲で好きになってもらいたいなって。

Masami:私が高い声が得意で、Honamiが低い声が得意なので、お互いの個性が出るように選曲したり、歌い方も工夫してます。

Honami:今後はZeppツアーをやりたいという目標があるので、そこに向かってやっていきたいですね。

Masami:今もツアー中なので、まずは11月のファイナルをソールドアウトしたいです!

Ronsweek

2020年7月結成。メンバーは、ギターボーカル Honami (石川県出身 ※写真左)とキーボードボーカル Masami (茨城県出身 ※写真右)の2人。正反対な2人の歌声が奏でるハーモニーが特徴。

2023年6月にリリースした初のフルアルバム『Find it』を引っ提げたツアー『Find it – LIVE TOUR 2023-』が開催中。8月からツアーは始まり、全国5都市6公演を予定している。

 

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ざらめ

最後に登場したのは福島県出身のシンガーソングライター、ざらめ。アコースティックギター1本を抱えてステージに登場し、「ざらめです、はじめます」と短く挨拶するとスピッツ「チェリー」をカバー。凛とした歌声が伸びていく。2曲目は椎名林檎の「丸の内サディスティック」を披露。一転して迫力がある巻き舌歌唱だ。続く「スイミー」は彼女のデビュー曲。訥々と、しかし力強い声で「自分の居場所を見失わないように」というメッセージが歌われた。続く「キライキライ」では、TikTokのコメントに「泣きそう」「生で聴いてたら泣いてた」などのコメントが寄せられ、遠くのリスナーにも届いていたようだ。学生時代の放課後を切り取ったという「心が星になった夜」は、アップテンポのバンドサウンドと切実なメロディーが交差していた。

ここで、「次の曲はこの方と一緒に歌いたいと思います。優里さんお願いします!」と唐突に呼びかけると、観客の後ろからシンガーソングライターの優里が登場。サプライズに歓声をあげそうになるオーディエンスを「しー」と優里が制する。ざらめは音楽ライブ『Red Bull Jukebox 2023』に優勝して優里からの楽曲提供を勝ち取っており、その新曲「+1」がこの場で初披露されたのだ。

「はじめまして、シンガーソングライターの優里です。僕も路上ライブ出身なので、辛さも楽しさも含めて一番わかっているつもりです。夏は一日中歌って汗臭くなったり、冬は手がかじかんでピックが持てなくなったり血だらけになったり。いつか夢を叶えてやると思って歌っていました。でも、新宿から家に帰ったら将来への不安に駆られて……。何度も夢を追いかけるのをやめようと思いました。何度も何度も。それでも、やっぱり自分の歌が歌いたい。聴いてる人の心を震わせられる歌を歌いたい。諦めそうになった回数よりも、一回だけ、諦めない回数が多かったんです。」

優里が路上ライブへの熱い思いを語り、歌い出した2人。交互に歌いながら、最後にはユニゾンで2人の歌声が熱く交わる。歌い終わると「僕と一緒にがんばりましょう!」と観客にエールを送り、優里はステージを去った。予想していなかったうれしい事態になかなかオーディエンスの興奮も冷めず、ざらめに温かい拍手がいつまでも送られた。

「いつもの路上ライブだと整った環境じゃないから、今日は目一杯歌えたので本当によかったです。前の方にいたお客さんがいつも来てくれてるファンのみなさんばかりで、ちょっと感極まりました。この景色を見れたこともそうですし、路上ライブの集大成っていう感じもします。優里さんと一緒に歌えたのも、路上ライブでははじめてだったので、本当にうれしかったです。今年はフォロワー1万人を超えること、優里さんとコラボすること、大きいステージで歌うことを目標にしていたんですけど、全部達成できたんですね。なので、次は自分のことを好きな人だけで会場を埋める、ワンマンライブを目標にがんばります!」

ざらめ

福島県出身、20歳のシンガーソングライター。都内を中心に路上ライブで活動中。優里が出演した音楽ライブ『Red Bull Jukebox 2023』にて優勝し楽曲提供を勝ち取った。その後、サウンドクリエーターチームCHIMERAZによってプロデュースされ、1st Single「スイミー」で2023年4月にデビューを果たした。

その後も「パラレルワールド」「ブレーメンfeat.優里」と言ったヒット曲を歌うシンガーソングライターBAK、CHIMERAZが手がける2nd Single「キライキライ」をリリース。7月には3rd Single「心が星になった夜」がリリースされた。YouTubeチャンネル登録者数約150万人の「優里ちゃんねる【公式】」の企画動画にも多数出演している。変幻自在のボーカルで、聴く人を魅了する次世代を担うシンガーソングライター。

 

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優里

千葉県幕張出身。あらゆる楽曲を、“優里の世界”として歌いこなす力強い歌声を持つシンガーソングライター。2019年6月、Instagram、X(旧Twitter)、TikTokへの歌唱動画投稿をはじめ、その歌声がSNSやYouTubeで拡散され注目を集める。

同年10月25日には、「かくれんぼ」で歌われた“彼女”のその後を女性目線で描いたアフターストーリーとなる「ドライフラワー」をデジタルリリース。iTunes総合チャート1位、Apple Music総合トップソングランキング1位及びTOP100 JAPAN1位、オリコン週間ストリーミングランキング1位、Billboard Japanストリーミング・ソング・チャート“Streaming Songs”1位にランクイン。各ダウンロード・ストリーミングサイトなどで48冠を記録。

YouTubeチャンネル「優里ちゃんねる」での活動など、これからのさらなる活躍が注目の新時代のハイブリッドアーティストである。

 

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イベント情報

日時:2023年9月12日(火)18:00~

場所:歌舞伎町シネシティ広場(東京都新宿区歌舞伎町1丁目19番先)

入場:無料

出演アーティスト:中谷桃花/Rons week/ざらめ

主催:歌舞伎町商店街振興組合

後援:新宿区

協力:株式会社TSTエンタテイメント/MOTCHAN NO HEYA – もっちゃんの部屋 –

text:張江浩司

photo:落合由夏

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