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「音楽でその世界観を届けたい」。高橋洋子が新宿を『エヴァンゲリオン』に染める夜

歌舞伎町

インタビュー
エヴァンゲリオン 東急歌舞伎町タワー 音楽
DATE : 2023.05.24
東急歌舞伎町タワー内にオープンしたライブホール「Zepp Shinjuku (TOKYO)」にて、2023年5月28日、YOKO TAKAHASHI EVANGELION ultimate Live「月十夜」(以下「月十夜」)が開催される。
TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』主題歌 「残酷な天使のテーゼ」などを歌ったことで知られる高橋洋子さんが、『エヴァンゲリオン』をテーマとした楽曲を披露する自身初の有観客単独ライブ。そこで彼女がいかなるパフォーマンスを披露するのか、注目度は非常に高い。

今回は高橋洋子さんに、「月十夜」開催に向けた意気込みや、2023年5月10日に発売された「EVANGELION ETERNALLY」の裏話、そして子どもの頃からよく足を運んでいたという新宿の思い出について聞いた。

新宿、それはかっこいい不良の街

― まずは高橋さんが思い描く新宿の印象から伺えればと思います。

実は私、幼稚園のときは新宿のすぐ近く、初台に住んでいたんです。なので新宿は気軽に来れる、生活に密着した場所という印象があります。ただそれと同時に、尖ったかっこいい不良が集う場所というイメージも持っています。

― かっこいい不良、ですか。

そう、常に時代を先取りしているかっこいい不良。だからこの街にはいつも惹きつけられるんです。特に歌舞伎町周辺はその空気を強く感じますね。

― そんな歌舞伎町にも新しく東急歌舞伎町タワーが完成しました。

私自身、タワー建設前でこの場所がまだ更地のときに『残酷な天使のテーゼMATSURI SPIRIT』という楽曲のPR映像撮影を行っているんです。そこにこんな立派なビルが建つなんて、すごく感慨深いです。これまでは歌舞伎町を上から一望できる建物がなかったですしね。

― 歌舞伎町を上から見たいという想いは以前からあったのでしょうか?

ありましたね、歌舞伎町ってちょっと離れた位置から見たい世界がたくさん広がっているのでここからなら覗き見ることができて、念願が叶った感じがします。ここからの風景を見ていると、街を俯瞰して見られることはもちろん、自分の人生も俯瞰して見る視点を手に入れられる気がします。

HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROTAL Hotelで開催中のコラボルーム「LIFESTYLE HOTEL EVA」にて。

― なるほど。そしてこのタワーからは、カルチャーの発信もなされます。

その一環として、東急歌舞伎町タワーと『エヴァンゲリオン』とのコラボ(EVANGELION KABUKICHO IMPACT※2023年5月28日まで開催)も行われていますよね。『エヴァンゲリオン』シリーズのアンバサダーを務めている私にとって、これはすごく光栄なことだと感じています。以前から新宿って『エヴァンゲリオン』がすごく似合う街だと思っていたんです。今回のコラボもすごくしっくりきています。これまでも『エヴァンゲリオン』関連のイベントが新宿で開催されてきたという経緯もあり(かつてこの場所にあった映画館「新宿ミラノ座」は、テレビシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』の劇場版のメイン上映館であり、新シリーズ含めた 全作品を上映。隣接するシネシティ広場でも公式イベントが行われた)、作品と街の間に言い知れない縁がある気がしています。

テレビ放映されたときの歌声を再現し続けたい

エレベーターホールにはアスカの姿が。

― 5月28日にZepp Shinjuku (TOKYO)で開催される「月十夜」についてお聞きしたいです。企画はどのようにスタートしたのでしょうか?

このライブは、2016年から開催していた、『エヴァンゲリオン』関連楽曲を歌うワールドツアーのクライマックス公演として企画していたものなんです。

― 東急歌舞伎町タワーが完成する前から企画がスタートしていたと?

そうなんです! 以前から新宿にランドマークとなるタワーが建設されることと、その中にライブホールができることは聞いていましたから、ワールドツアーのゴールをこの場所にしようということは決めていました。結果的にワールドツアーがコロナ禍で一時凍結になってしまったので、今回は改めて『エヴァンゲリオン』の素晴らしさを音楽を通して伝える、ゴールではなく再スタートのライブですね。

― コロナ禍でステイホームの時期も経ましたが、心境の変化はありましたか?

『エヴァンゲリオン』に対する想いが強くなったように思います。ステイホームの期間にいろいろな形で『エヴァンゲリオン』に触れた人がいるのを耳にしていて、その間にアーティストとして皆さんにどんな歌声を届けるべきかを考えさせられました。

― 高橋さんが届けたい歌声はどういったものなのでしょう?

極力テレビで流れているものに近い歌声を届けたい、そう考えています。アニメソングってアニメを見た人の心の中にあるもので、私の一存で変えていいものじゃないと思うんです。なので、できるだけ皆さんの心の中にある歌声に寄り添って、再現できるような歌声にしたいんです。

― 改めて歌声を聴くのが楽しみになります。「月十夜」では作中で使用された曲以外の『エヴァンゲリオン』関連楽曲も披露するかと思います。

遊技機搭載用に制作された楽曲や、作中で使用されていない楽曲も多くありますからね。中には普段なかなか披露しない曲もあるので楽しみにしていてほしいです。

― ここぞとばかりに披露する曲もあると。

「『エヴァンゲリオン』楽曲は全部チェックしている」という人にとっても充実した内容になるかと思います。ただ、同時に「残酷な天使のテーゼ」と「魂のルフラン」くらいしか知らないという人にもぜひ来てほしいんです。知られざる楽曲と出合う場になると思います。

― その2曲以外にも素敵な曲は多くありますからね。

そう、素敵であると同時に、その一つひとつから『エヴァンゲリオン』の空気が感じられる。このライブを通してそれを体感してもらい、好きな楽曲を増やしてもらいたいと思っています。

― 今回のライブだからこそできる体験ですね。現在に至るまで『エヴァンゲリオン』シリーズ関連楽曲が制作されているのはどうしてだと思いますか?

ストーリーの人気はもちろんですが、『エヴァンゲリオン』が音楽的に優れた作品だったことも一因としてあると思うんです。作曲家の鷺巣詩郎先生が制作した劇伴が本当に素晴らしくて、いまだに聴いただけで映像が浮かぶ曲もたくさんあると思います。あの印象的な音楽があるから、そこからインスピレーションを受けた音楽も生まれる。そのおかげで今でも多くの楽曲が生み出され続けているんだと思います。

YOKO TAKAHASHI EVANGELION ultimate Live「月十夜」

マキシシングル「EVANGELION ETERNALLY」に込めた想い

― 5月10日にはマキシシングル「EVANGELION ETERNALLY」もリリースされました。

ここ数年、配信で『エヴァンゲリオン』関連楽曲をリリースさせていただくことが何度かありました。そんな中で、配信した楽曲をCDとして持ちたいという声も多くいただいていたんです。そのリクエストに応えるべく、リリースしたのが今回のCDなんです。

― なるほど、リクエストによる部分が大きいと。

はい。ただ、今は配信で音楽を聴く人が多いのでその状況でも手に入れたくなるCDはどんなものなのか、それはすごく考えさせられました。結果的にCDならではのスペシャルをたくさん詰め込んだので、そのあたりを楽しんでいただきたいです!

― その“スペシャル”について、言える範囲で教えてほしいです。

まず、配信されているものとCDではマスタリングが違うんです。配信と比べるとCDの方がより高クオリティな楽曲が収録できる。それに合わせてベストなマスタリングを施しました。あとは手元に置く“もの”としての楽しさにもこだわっています。

― “もの”としての楽しさですか?

そうなんですよ。まずはジャケット、このイラストにファンだったら滾らずにはいられないでしょ? これは『エヴァンゲリオン』シリーズでメカニックデザインを担当した山下いくとさんによるものです。加えてケースを開けると……ここから先は手に取っていただいてからのお楽しみにしようかな(笑)。

― ケースを開けた先にもお楽しみが待っているんですね!

もうすごいお楽しみがありますよ! 私は初めて現物を手にしたときに、感動して声が出ちゃいました!ぜひとも手に取って、ご自身の目で内容を確認してほしいです。

― 気になりますね……! 加えて今回のCDには新曲「罪と罰 祈らざる者よ」も収録されます。

この楽曲は『シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース × バンダイナムコ』プロモーションソングとして作ったものなんです。大森俊之さんが作曲したものを私が歌う、このタッグで送る“いかにも”な曲にしてほしいというオーダーをいただきました。

― 大森俊之さんと高橋洋子さん、「魂のルフラン」でも知られるタッグですね。

そうなんですよ。しかも今回、大森さん以外にも「魂のルフラン」と同じスタッフが合計5人も関わっているんです。あれから26年、みんないまだに一線で活躍していることに感激しちゃいました。

― それはすごいですね! 制作はどのように進められたのでしょうか?

まずは大森さんに作曲をしていただいて、それを元に一度ミーティングを設けたんです。そこで出来上がった曲を揉んで、その場ですぐに大森さんに再調整を施していただいた。その間、私は大森さんのスタジオでお菓子食べながら待っていました。勝手に冷蔵庫を開けたりしながら(笑)。

もう長い付き合いですから、大森さんのことは大先輩なので尊敬しつつも、兄のように慕ってもいるんです。それで2時間ぐらい待っていたらバッチリなメロディが完成、あとはそこに私が歌詞をつけていった感じです。

― 作詞はスムーズにいったのでしょうか?

すごくスムーズでした。曲を聴いた時点で自然と言葉が出てきて、そこにオーダーで指定された言葉を組み込んでいったらつまずくことなく完成しました。これだけの言葉を紡ぎ出させる大森さんの楽曲、改めてすごいと思わされました。

― 最後に、本楽曲も披露するライブ「月十夜」に向けた意気込みをお聞きしたいです。

皆さんの中にある『エヴァンゲリオン』を大切にする場所にして、その場にいるすべての人でひとつのライブを作り上げていきたいと思っています。その結果、その瞬間しか味わえない空間が作れたらいいのではないかと。遊びに来てもらえると幸いです。

高橋洋子

1991年「P.S. I miss you」で、ソロ歌手としてメジャーデビュー。レコード大賞新人賞、有線大賞新人賞を受賞する。メジャーデビュー前は1987年から久保田利伸や松任谷由実などのコンサートでバックコーラスやスタジオミュージシャンとして活動。

代表作は、1995年に放送されたテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』主題歌 「残酷な天使のテーゼ」、1997年に公開された『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』主題歌「魂のルフラン」で、どちらも現在に渡りセールスが続いている。累計販売枚数総計約175万枚、配信では230万DL/ストリーミングで1億回再生。

これまでにシングルCD29枚、アルバム13枚、ベストアルバム8枚を発売。海外でも精力的にライブパフォーマンスを行う実力派シンガー。

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YOKO TAKAHASHI EVANGELION ultimate Live「月十夜」

開催日:2023年5月28日(日)
開場:16:00
開演:17:00
会場:Zepp Shinjuku(TOKYO)
チケット:
1階スタンディング自由席 8,800円
2階スタンディング自由席 8,800円 ※SOLD OUT
※いずれも限定お土産グッズ「ネックストラップ付き 特製『月十夜』観測記念カード(エヴァンゲリオン仕様)」付き。
※ご入場の際に別途ドリンク代が必要です。
※3歳以上は有料となります。
ローソンチケット 追加チケット販売
追加チケットの販売受付はライブ当日の5月28日(日)14:59までとなりますので、まだご購入を検討されている方はこの機会にぜひお買い求めください。

販売期限:5月28日(日)14:59まで
発券期限:5月28日(日)15:59まで
※お近くのLAWSONの店舗にて発券いただけます。

なお、会場での当日券販売はございませんので予めご了承ください。

お問合せ:ローソンチケットインフォメーション

■配信情報
ライブの模様は国内・海外配信いたします。
【配信日】
2023年5月28日(日))16:00開場/17:00開演

【見逃し配信期間】
公演終了後見逃し配信公開から 2023年6月4日(日)23:59まで
※見逃し配信公開までは、しばらくお時間をいただく場合がございます。

【配信ライブチケット販売期間】
2023年5月10日(水)18:00~2023年6月4日(日)18:00

【配信チケット金額】
3,000円(税込)

【チケット販売ページURL(Stagecrowd)】
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海外配信の対応国・地域
北中米(アメリカ / カナダ / メキシコ)
南米(ブラジル / ペルー)
オセアニア(オーストラリア / ニュージーランド)
アジア(韓国 / 台湾 / 香港 / マカオ / シンガポール / タイ / マレーシア)
ヨーロッパ(イギリス / ドイツ / フランス / イタリア / スペイン)

「EVANGELION ETERNALLY」

■高橋洋子「EVANGELION ETERNALLY」ジャケットビジュアル
©カラー

発売日:2023年5月10日(水)
価格:1,980円
品番:KICM-3378
収録楽曲:
M1.罪と罰 祈らざる者よ(新曲)
『シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース × バンダイナムコ』プロモーションソング
M2.Teardrops of hope
パチンコ『Pゴジラ対エヴァンゲリオン ~G細胞覚醒~』搭載曲
M3.Final Call
パチンコ『新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~』搭載曲
M4.what if?
M5~M8 上記4曲のOff Vocal Ver.
メーカー特典:ジャケットイラストステッカー
発売元:キングレコード株式会社

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文:一野大悟
写真:齋藤誠一

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