2022年11月3日(木・祝)、歌舞伎町シネシティ広場で開催された、DJやダンサー、ドラァグクイーンなど、歌舞伎町を体現するパフォーマーが多数出演する『歌舞伎超祭2022』には、街の飲食店が参加する「歌舞伎町マルシェ」も登場。老舗店から新宿ゴールデン街の人気バーまで、計12店舗が出店してイベントを盛り上げた。マルシェの様子と出店した12店舗を紹介したい。
キッチンカー「キッチンメトロ」
まず入口横で目を引くのが、緑色のキッチンカー。普段は新宿バッティングセンター前に出店している同店の名物は、江戸時代に内藤新宿で育てられていた「内藤とうがらし」を使用した「スパイシーチキン」。今回は他にも「ポテトフライ」や「とん汁」など、キッチンカーで調理したできたての料理を提供。今回のマルシェには「さまざまな年齢層のお客さんに楽しんでほしい」との思いで出店したという。
老舗お好み焼き店「大阪家」
創業42年。24時間営業のお好み焼き屋として、朝から晩まで、多くの人の胃袋を温かく満たしてきた同店。「モダン玉」がイチオシだが、今回は浅草「開花楼」のちゃんぽん麺を使用した「焼きそば」を販売。「このイベントを機に街全体が活気づき、もっとエンタメが溢れる場所になってくれれば」と未来を思い描いていた。
「新宿チーズフォンデュ専門店 安藤ファーム」
21種類から選べるチーズフォンデュが楽しい同店。チーズのスペシャリストとして、今回の歌舞伎町マルシェでは、「プレミアムチーズバーガー」を用意。今回のイベントについて聞くと、「久しぶりのお祭りでうれしい。どんな人も安心して過ごせる楽しい街になれば」と優しい笑顔を見せてくれた。
新宿チーズフォンデュ専門店 安藤ファーム
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-6-13 良川ビルⅦ 2F
営業時間:12:00〜15:00、17:00〜25:00
定休日:月曜
URL:
連絡先:050-5593-0954
「人間レストラン」
さくら通りに店を構えるダイニングバー。ロボットが台頭する世の中で、「人間が人間の為に人間らしくあるお店」がコンセプト。歌舞伎町が「いろいろな人にとって、居心地の良い街になってほしい」と話してくれた同店では、歌舞伎町で録音した音声を収めた「カセットテープ」や、スマートフォンで撮影した歌舞伎町の風景をプリントした「Tシャツ」など、まさにここでしか買えない歌舞伎町グッズを販売。
ダイニング「麦ノ音」
樽生のクラフトビールを飲みながら、プロミュージシャンの生演奏が楽しめるダイニングバー。自家製のオーガニックソーセージをはじめ、お酒に合うフードも多数。今回は外でも食べやすいパッケージに入った韓国のりまき「キンパ」を販売。歌舞伎町への思いを伺うと、「カルチャーが育つ街になってほしい!」と語ってくれた。
「ローソン 歌舞伎町一丁目店」
「I♥歌舞伎町」のネオンを正面にした通りにあり、歌舞伎町を行き交う人々が普段から多く訪れる同店。今回の出店では「お子さまも楽しめるように」と「駄菓子の詰め合わせ」や「唐揚げ」「グリルチキン串」を販売。「歌舞伎町=怖い」というイメージではなく、「外国人も安心して訪れることのできる場になれば」との思いが聞けた。
とんかつ茶づけ「すずや 新宿本店」
新宿で70年以上続く「とんかつ茶づけ」が名物の老舗店。今回、通常店舗では販売していない「ヒレカツサンド」の他、「特製味噌ヒレ串かつ」「チェダーチーズの包み揚げ」を用意。「張り切ってたくさん作っちゃいました。これからもこの街で店を続けていけたら」と控えめに語る店主の姿からは、街への愛が感じられた。
「モーモーパラダイス 歌舞伎町本店」
新宿の本店からはじまり、今では世界70店舗を展開するしゃぶしゃぶ&すき焼き専門店。今回は無添加のオリジナル割下で味付けした、黒毛和牛の「極旨すき焼き丼」を販売。これからの歌舞伎町については、「良い意味で賑やかな街に変わっていってほしい」とのこと。
モーモーパラダイス 歌舞伎町本店
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-20-1 ヒューマックスパビリオン新宿歌舞伎町8F
営業時間:平日 16:00~22:30、土日祝 11:30~22:30
定休日:なし
URL:OFFICIAL SITE
連絡先:03-3208-0135
ゴールデン街「OPEN BOOK」
ゴールデン街にあるレモンサワーの名店。店名に「BOOK」とある通り、店内には、店主の祖父である作家の田中小実昌氏の書籍を中心に本が所狭しと並べられている。今回は名物のレモンサワーの販売はもちろんのこと、新宿ゴールデン街で親交の深い3店舗とともに出店した。
ゴールデン街「BRIAN BAR」
ゴールデン街で伝説と言われたバーが移転して復活。真っ赤なカウンターでおすすめの「氷なしハイボール」を飲めば、歌舞伎町の夜を存分に味わえること間違いなし。賑わうイベントの様子を見て「以前のように、多くの人が行き交う街になれば」と話す。
ゴールデン街「BAR FUJISAN」
ゴールデン街の8番街に店を構える、国産酒がメインの和風バー。お酒はもちろんのこと、日替わりの貝で作る「貝の蒸籠蒸し」も楽しめる。落ち着いた雰囲気の店内で、ゴールデン街で一息つきたい時におすすめ。今回は店名にちなんだ「フジサンサワー」も販売。
ゴールデン街「SKAVLA」
国産クラフトビールとウイスキーを多数取り揃える5番街のバー。常連客も初めての人も居心地よく過ごせると人気の同店。ビールにぴったりの看板メニュー、焼きたての「マルゲリータ」も忘れずに。今回はパーティーにぴったりな「クライナー」も準備して、イベントを盛り上げた。
立候補で集まった歌舞伎町の12店舗が出店し、実に歌舞伎町らしいラインナップだった。多彩な飲食店もまた、歌舞伎町の文化を形作る大切な要素だと感じることができ、ステージパフォーマンスに負けず劣らず、歌舞伎町の魅力を存分に伝えていた。気になる店があればぜひ足を運んでみては!
text:矢野颯子