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『歌舞伎町 MUSIC CHRONICLE 2023』ライブレポート│トンボコープ・Hywl・パーカーズ・ちゃくら・the quiet room・チョーキューメイ

DATE : 2023.08.21

歌舞伎町に新たな音楽の歴史を生み出すべく、新進気鋭の“令和のロックバンド”を中心とした出演者が集結! 8月10日(木)新宿ロフト、新宿MARZ、新宿Marbleと、歌舞伎町のライブハウスを舞台にしたサーキットイベント『歌舞伎町 MUSIC CHRONICLE 2023』が開催された。平日ながら、夏休みの学生を中心としたライブキッズが歌舞伎町のライブハウスに押し寄せ、どのアクトも大盛況。ライブハウスシーンの新たな時代の幕開けを実感させた、このイベントの模様をレポートする。

トンボコープ

photo by シユ(鈴木灯)(TwitterInstagram

「CHRONICLEって言葉の意味を調べたら、“年代記”とか“編年史”って意味らしく。勝手な解釈ですけどトッパーってことは、『歌舞伎町 MUSIC CHRONICLE』という新しい本の1ページの1行目に、“トンボコープ”の名前が載るっていう、大事な役割を任せてもらえたと思ってるので。歴史に残るライブを一緒に作りたいです」

新宿Marbleステージのトッパーとして登場したトンボコープの雪村りん(Gt&Vo)がMCで、このステージに挑む想いと意気込みを熱く語る。

photo by シユ(鈴木灯)

フロアを埋め尽くす観客を前に、新しい歴史の始まりにぴったりな「ストーリーモンスター」で痛快に爽快にライブの幕を開けた彼ら。「俺はあんたと一緒に最高の1日の始まりを作りに来たんだ」と告げると、勢いそのまま「むかしむかし」を放つ。

photo by シユ(鈴木灯)
photo by シユ(鈴木灯)

壮大な曲で高い演奏力や表現力を見せつけ、エモーショナルな曲で聴く者の胸をギュッと締め付け、軽快に跳ねるビートで踊らせてと、短いステージに自身の魅力を凝縮したトンボコープのアクト。<今が最高じゃん>と高らかに歌う「Now is the best!!!」で、熱い手拍子や共に口ずさむ観客と一体感を生み、ライブは最高潮の盛り上がりを見せる。新しい歴史の幕開けに相応しい印象的なライブだった。

photo by シユ(鈴木灯)

Hwyl

photo by シユ(鈴木灯)

大きな歓声と拍手で迎えられて新宿Marbleのステージに登場すると、普段はラストに演奏してるという「Treasure」でライブがスタート。タイトで力強い演奏と情熱的なボーカルで、ど頭からクライマックスのような盛り上がりを見せてくれたのは、Hwyl。あきたりさ(Vo&Gt)とクマダノドカ(Gt)が丁寧にギターを重ね、静かに始まった「わからないよな」とライブが続き、歌や演奏にどんどん感情が乗っていくのが分かる。

photo by シユ(鈴木灯)
photo by シユ(鈴木灯)

「毎日、一生懸命生活する人にこの歌を送ります」と始まったのは、彼女らの名前を広く知らしめた「暮らし」。音源や動画だと、部屋で一人浸るイメージだったこの曲だったが、気持ちの込もった演奏と、顔を紅潮させながら歌うあきたの悲痛なボーカルが胸を直撃し、楽曲やバンドのイメージが大きく変わったし、この感動を会場にいる人たちと共有出来たことが嬉しかった

photo by シユ(鈴木灯)

新曲「さすらい」で始まった終盤戦は、「戯れ言」、「SIREN」と続き、アグレッシブなステージで大きく盛り上げると、とびきりの笑顔を見せてフィニッシュ。MCで話してた歌舞伎町でぼったくられた苦い思い出も、この日の良い記憶できっと上書きされたはず(笑)。

パーカーズ

photo by シユ(鈴木灯)

「こんにちは! POPS日本代表、パーカーズです!!」と、新宿Marbleのステージに元気に登場。明るくポップな「君が好き」の跳ねるビートで観客を踊らせると、牧歌的な曲調にみんなが手拍子を合わせた「ハッピーをちょうだい」で会場を温かい雰囲気に包む。メンバー一丸となって楽しもう、楽しませようとする明るいステージに、フロアが笑顔で溢れる。

photo by シユ(鈴木灯)

「夏、一緒に楽しんで行きましょう!」と始まり、アッパーな「BERRY」、哀愁あるミディアムチューン「こんな夏がいい」とサマーソングが続いて、夏色に染めたライブ中盤戦。「やりたいことを絶対やって、後悔しないようにして下さい!」と熱いメッセージを送り、「みんなの背中を押せるように」と、たっぷり気持ちを込めて歌い上げた「Good Bye」は、明るくハッピーな前半戦とのギャップもあり、すごく心に染みた。

photo by シユ(鈴木灯)
photo by シユ(鈴木灯)

ギターイントロに「ワァ!」と歓声が上がり、会場中の手拍子が起きたのは「運命の人」。サビの<運命の人>のフレーズに拳と歌声が上がり、多幸感に包まれる会場。ラストはギターを置いた豊田賢一郎 (Vo&Gt)が、ハンドマイクで一人ひとりに丁寧に届けるように歌った「Frank」で、<未来はこの手のなかにある>と力強く宣言。4人が去った後も会場にしっかり熱気と余韻とが残る、熱い熱いライブだった。

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