新・歌舞伎町ガイド

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音楽、神輿、お笑い、映画……歌舞伎町カルチャー全てを詰め込んだ「KABUKICHO SPECIAL STAGE」

DATE : 2023.04.17

歌舞伎町の縁がどんどん広がる

前日とは打って変わっての晴天となった二日目は『新宿十二社熊野神社 氏子連合 神輿渡御(みこしとぎょ)』からスタート。渡御とは神輿が進むこと。西新宿に位置する十二社熊野神社には13の氏子睦があり、それが集合して二つの神輿を渡御する。

新宿十二社熊野神社 氏子連合神輿渡御

まずシネシティ広場で出発式が行われ、杉山元茂 歌舞伎町商店街振興組合理事長と高野吉太郎 熊野神社総代の挨拶の後、木遣で神輿が出発。

西武新宿駅の前を通り、また歌舞伎町の路地に入っていくと、観光客やラーメン店の行列などと渾然一体となりながら神輿が進む様はまさに圧巻。掛け声とチャンチキのリズムにあてられて、歌舞伎町全体が文字通りのお祭り騒ぎに。

約1時間でシネシティ広場に神輿が戻ると、難波輝守 新宿十二社熊野神社 責任総代の挨拶と一本締めでお開きとなった。

歌舞伎町DEよしもと

次は前日に引き続いて『歌舞伎町DEよしもと』。先ほどまでの快晴が嘘かのように、大粒の雨と雹まで降ってきた。これにはMCのピスタチオ伊地知も苦笑い。

トップバッターのジョイマンは登場するや雨と風でずぶ濡れに。予想外の状況での「なななーなななー」に、同じくずぶ濡れの観客との奇妙な一体感が生まれていた。

続いてのハローケイスケのころには雨脚も弱まり、淡々とアンケートをとっていくネタを進行。笑い声もどんどん大きくなっていく。

ムーディー勝山が登場するとすっかり晴れ間が見え、気持ち良くなったムーディーは当時、着うたで240万ダウンロードを記録した「右から来たものを左へ受け流すの歌」を長めに熱唱。途中で終わりのSEが流され、強制終了となってしまった。この日も全員青を取り入れた衣装着用だったが、普段から青い衣装のハローケイスケは「私は衣装が青いというだけで今日呼ばれました」と告白した。

Kabukicho Music Live Special

『Kabukicho Music Live Special』は、新宿駅前での路上ライブの盛り上がりを受けてシネシティ広場で行われてきたイベントのスペシャル版。

大阪出身のシンガーソングライター、YuMeの力強い歌声が広場に響く。2曲目の「Have a nice day!」のサビではタオルを回し、オーディエンスを盛り上げていく。4月29日に控えているワンマンライブへの意気込みを語りながら、ロックテイストの激しい曲を連発した。

路上ライブで47都道府県を制覇した一華ひかりは、Novelbrightや松任谷由実のカバーを織り交ぜながら、経験に裏打ちされたパフォーマンスを披露。10月19日にはZepp DiverCity (TOKYO)でのワンマンが決まっているが、「いつかZepp Shinjuku (TOKYO)でも」と決意を固くしていた。

最後に登場したKIMIKAは、1曲目「PARISBROW」をバキバキに踊りながらソウルフルに歌い上げる。陽が落ちかけている時間帯に、アーバンな曲調がよく似合う。レディー・ガガ本人の前で歌った思い出の「Shallow」や、オーディエンスのリクエストに即興で応えたAI「Story」などのカバーでも喝采を浴びた。終わりには「109路上LIVE」から彼女を応援してきた元・SHIBUYA109エンタテイメント社長で、現在、TSTエンタテイメント社長の木村知郎 が花束を渡し、激励した。

KABUKICHO MUSIC NIGHT

二日間のラストを飾るのは「#音楽がつないでくれた」がテーマの『KABUKICHO MUSIC NIGHT』。

日本の音楽を世界に伝導するDJ和は、いきものがかり「ブルーバード」、DA PUMP「Rhapsody in Blue」、松田聖子「青い珊瑚礁」など、「青」をコンセプトにJ-POPや邦ロックをクイックにミックスしてオーディエンスを沸かせる。「この場所ならこの曲もかけなくちゃいけない」と椎名林檎「歌舞伎町の女王」をプレイし、YOASOBI「群青」に繋げてフィニッシュ。セットチェンジ中にMCの山崎あみがSNSに投稿された「#音楽がつないでくれた」エピソードを読み上げ、コブクロやSPYAIR、竹原ピストルなど、辛い時期を支えてくれた音楽への感謝が綴られていた。

2人目は崎山蒼志。飄々とした佇まいとは裏腹に、叩きつけるようなギターストロークと唯一無二の歌唱で聴くものを釘付けにする。石崎ひゅーいとの共作「告白」を挟み、ラストは「Samidare」。15歳のときにこの曲をバラエティ番組で披露したことがデビューのきっかけだが、最近同年代のミュージシャンに「あのとき見てたよ」と言われることが増えたことで「音楽は繋いでくれる」と感じているそうだ。

大トリを務めるBLUE ENCOUNTの田邊駿一は、「ポラリス」「バッドパラドックス」を続けて弾き語り。「九州出身で歌舞伎町には縁もゆかりもないんですけど、今日で一番の縁が作れたと思います」とうれしそうに話す。盟友バンドI-RabBitsの猪野進一の鍵盤をバックに椎名林檎「歌舞伎町の女王」と「ユメミグサ」をしっとり歌い、「青」でステージを去るが拍手は鳴り止まない。アンコールの「もっと光を」を観客とともに合唱し、この二日間を締めくくった。

『KABUKICHO SPECIAL STAGE』

日時:2023年4月15日(土)、16日(日)

場所:KABUKICHO TOWER STAGE+歌舞伎町シネシティ広場

 

主催:歌舞伎町商店街振興組合 / 歌舞伎町二丁目町会 / 東急㈱ / ㈱東急レクリエーション

共催:㈱TSTエンタテイメント

協力:一般社団法人 歌舞伎町タウン・マネージメント / CONNECT歌舞伎町2023 / 新宿ロフト / shinjuku SMAURAI

後援:新宿区

全体管理:㈱東急エージェンシー

制作:㈱ライツアパートメント / ㈱レキップ・トロワ

運営:㈱東急エージェンシープロミックス

公式サイト

text:張江浩司