新宿・歌舞伎町の一角にある「新宿ゴールデン街」。
狭い路地が入り組んだエリアに約280店もの小さな飲み屋がひしめき合うこの街は、ディープでミステリアスな雰囲気が魅力ながらも「気になっているけど敷居が高そう……」「どこに行ったらいいかわからない」と感じている人も多いのでは?
今回はそんな方たちに向けて、歌舞伎町のさまざまなエンタメを味わいつくすオンラインサロングループ『HELLO KABUKICHO』が、特別なツアーをご用意。ゴールデン街の魅力を堪能してもらうべく、初めて行く方やお一人さまでも行きやすいイチオシの3店舗をご案内するツアーを、11月29日(金)に開催しました!
ここでは、当日のツアーの一部始終をお届けします。
花園神社に集合し、ゴールデン街ツアーに出発!

今回のガイドを担当してくださるのは、新宿~御苑~四谷エリアの地域密着型のフリータウン誌『ジェイジー』やガイドブック『いまこそ行きたい!新宿ゴールデン街』の発行人・大森徹哉さんと編集長・赤木一之さん。ゴールデン街に魅了され、ゴールデン街をこよなく愛するお二人によるガイドのもと、3軒をめぐります。
時刻は18時30分。月末の華金ということもあり、歌舞伎町はいつにも増して多くの人で賑わっています。そんな浮き立つ街のムードに包まれながら、ゴールデン街ツアーにいざ出発です!
一軒目~ゴールデン街で生まれ育ったママのいる「BAR ロベリヤ」へ
ゴールデン街に一歩足を踏み入れると、頭上に連なる色とりどりの看板たちがお出迎え。いくつもの狭い路地に、個性豊かな飲み屋がぎゅうぎゅうとひしめき合っています。
そんなこの街特有の風景を楽しみながら、一同はあかるい花園5番街にあるバー「ロベリヤ」へ。
「ようこそ~!」と、明るい笑顔で迎え入れてくれたのは、ゴールデン街で生まれ育ち、母親のお店を継いで2代目ママとしてお店に立つ玲子さんと、同級生のりえママのお二人。

カウンター8席前後の店内いっぱいの人数でお邪魔し、みんなでさっそく乾杯を。話題は玲子さんが幼少期の頃の街の思い出話に……
「今では考えられないかもしれないけど、私が小さかった頃は八百屋や魚屋、クリーニング店もあって、お店を営業しながら普通にここで人が生活していたんです」と玲子さん。2、3階建ての木造長屋が連なっているこの街では、1階を店舗、上階を住居として暮らしている人が多くいたそうです。

そもそも、この街の歴史を紐解いていくと、ゴールデン街は戦後の「闇市」が発展して生まれた場所。次第に飲み屋街となり、作家、映画、演劇関係者などさまざまなジャンルの文化人たちが集う街として栄えていった、という背景をもちます。
玲子さんの幼少期も、たくさんの文化人たちが夜な夜なお酒を酌み交わしながら、議論に明け暮れていたそうです。

「母がお店をやっていた時代には、男性客ばかりで女性が来ることなんてほぼ無いような街でしたよ。でも今は若い女性ひとりでも来るし、昔のような“怖くて行きづらい”というイメージは無くなってますね」と玲子さん。
りえさんも「街の雰囲気もだいぶ変わりましたね。外国人観光客も多くなって、今はいろんな人に開かれている街になってます」と話をつづけます。

幼少期の貴重な写真も見せていただきながら玲子さんのお話を聞いていると、今とは違うゴールデン街の風景が少しずつ浮かび上がってきます。
まだまだお話を聞いていたい!というところですが、終わりの時間が迫ってきたため、後ろ髪を引かれながら、一同は次のお店へ……

ちなみに、玲子ママとりえママに会えるのは金曜日のみ。ほかの曜日も、お二人同様に魅力的なママが日替わりでお店に立っています。お店ではいつもお客さんとママたちが和気あいあいと楽しいお話を繰り広げられているそう。ぜひゴールデン街に行かれる際には、お店に遊びに行ってみてくださいね!

BAR ロベリヤ
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-1-5 ゴールデン街あかるい花園5番街
電話番号:03-3200-0311
営業時間:19:00~翌1:00
定休日:日
二軒目〜炭火焼きの上質な肉が味わえる「肉人」へ
時刻は20時。そろそろお腹が空いてきた頃合いにぴったりの二軒目は、炭火焼きの美味しいお肉が堪能できる「肉人(にくと)」へ。

こちらのお店は、バーやスナックなど“飲み”がメインのゴールデン街では珍しく、がっつり食事も楽しめる人気店のひとつ。「宮崎産パイン牛」をはじめ、鶏、豚、ラムまで、お肉の部位も選べ、豊富なメニューがそろいます。

本日はツアー限定のメニューとして、辛味噌と酒粕で味つけされた「豚鍋」と飲み放題プランを特別にご用意していただきました。

そして、この店の看板メニュー「親鳥の宮崎炭火焼き」も登場! コリコリとした食感と、ジューシーな味わいがやみつきになる一品です。

「はじめまして」の参加者のみなさまも、美味しいお鍋とお酒によって会話も弾み、楽しいひとときを過ごすことができました!
お鍋で身体もあたたまり、お腹もいっぱい。一同はほろ酔い気分で最後の3軒目へ向かいます。

肉人(2910)
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-1-5 ゴールデン街まねき通り
電話番号:03-3205-2910
営業時間:18:30~翌4:00 ※土曜日のみ24時まで(フードL.O. 23:15)
定休日:日、祝日
http://2910.tokyo
三軒目〜花園神社が望めるオーセンティックバー「bar HIDE」へ

ツアーの締めくくりとなる最後のお店は、ゴールデン街では珍しい静かにゆっくりと飲めるオーセンティックバー。3階まで、急な階段を登った先の扉の奥に「bar HIDE」はあります。

来年で20周年を迎える「bar HIDE」。世代交代の激しいゴールデン街のなかでは、歴史の長いお店です。この地で長年ゴールデン街を見つめてきた店主の軍侍さんが、お店を開いた当初のゴールデン街の様子を話してくれました。

「うちがオープンした頃、この街で営業していたお店は今の半分以下。120店舗くらいしかなかったですね。通りを歩いている人も店に来る人もいつも同じ人ばかりで、当時は閑散としてました」
そんなゴールデン街が、再び活気を取り戻したきっかけとなったのが、2000年に施行された「定期借家法」だと言います。
「定期借家法によって、地権者が空家物件を貸し出しやすくなったんです。これまでの空家物件を全店舗貸し出し、一気に埋まった。そこでさまざまな個性をもったお店が増え、再び街に活気が出てきたんです」

「若い頃に、親に『あんな場所に行ったらダメ』なんて言われて育った40〜50代くらいの方が、今になって初めてゴールデン街に来た、という方々も多くいますね。外国人観光客も増えて世代も国籍も多種多様な人が入り混じって、今では多くの人を受け入れる街となってます」
その言葉どおり、今日のツアーでもたくさんの老若男女がゴールデン街を行き交う姿が見られました。


bar HIDE
住所:新宿区歌舞伎町1-1-10 ゴールデン街G1通り
電話番号:03-3208-6631
営業時間:20:00~翌5:00 ※日、祝日のみ翌3:00まで
定休日:不定休
こうして幕を閉じた今回のゴールデン街ツアー。
「ゴールデン街に行くのは初めて」という参加者もいらっしゃったなか、今回のツアーをきっかけに「また来ます!」と多くの方が仰ってくださいました。
ゴールデン街は知れば知るほど、通えば通うほどより深い楽しみ方ができる街。小さなお店の中で人との距離も近く、たくさんの人と出会うことができるのも、この街ならではの魅力です。幾度となく発展を繰り返しながら脈々と受け継がれてきた深い歴史をもち、その歴史の地層が街の個性を強く支え、唯一無二な「ゴールデン街」という場所を生み出しているように感じられたツアーとなりました。
今回は10人という限られた規模でのツアーでしたが、参加できなかったみなさまも、ぜひゴールデン街に遊びに行ってみてください!
「HELLO KABUKICHO」では、今後も歌舞伎町の多様なエンタメをみなさまと共に楽しめるよう、さまざまなツアーを企画していく予定です。 ぜひ、今後も活動をチェックしてみてくださいね。
▼イベント詳細
新宿まち歩きツアー 新宿ゴールデン街編
※本イベントは終了いたしました
日程:2019年11月29日(金)
時間:18:25集合、23:00解散
集合場所:花園神社(新宿区新宿5-17-3)拝殿付近
参加費:6000円 ※「肉人(にくと)」は飲み放題、食事付き。そのほかの店舗は1杯付き(2杯目以降は実費負担)
参加店:「ロベリヤ」、「肉人(にくと)」、「bar HIDE」
定員:10名
主催:株式会社TSTエンタテイメント、歌舞伎町商店街振興組合
協力:株式会社エイチ・アイ・エス
運営:株式会社H14
text:編集部
photo:宇壽山貴久子