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舞台「パラサイト」6/5開幕│映画と異なる結末に「うまい!」

DATE : 2023.06.05

2023年6月4日(日)、歌舞伎町に新しくオープンした劇場「THEATER MILANO-Za」にて、翌日2023年6月5日(月)から始まるTHEATER MILANO-Za オープニングシリーズ COCOON PRODUCTION 2023『パラサイト 』の合同取材会が行われた。

出演する9名のキャストと演出家の鄭義信が一同に会し、舞台への意気込みが語られた。

前列左から、伊藤沙莉/宮沢氷魚/古田新太/江口のりこ/鄭 義信。後列左から、恒松祐里/山内圭哉/真木よう子/キムラ緑子/みのすけ。

第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画“初”となるパルム・ドールの受賞を果たし、第92回米アカデミー賞では非英語作品として史上初の作品賞受賞のほか監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の計4部門受賞という快挙を成し遂げた、映画『パラサイト 半地下の家族』の舞台化となる本作品。

舞台では、堤防の下にあるトタン屋根の集落から始まる(撮影:細野晋司)

 映画と異なり、90年代の日本が舞台の脚本について古田氏は「さすが鄭さん。日本を舞台に貧富の差が出ている。映画とは結末も異なって、うまい!となるだろう」と舞台の完成度の高さについて話した。みのすけ氏は「映画では登場しない役。映画だと旦那の役を息子として演じている」、恒松氏演じる永田家の長女は「映画と違ってギャルです。90年代の女子高校生が元気だった時代の女の子です」と明確な映画との違いが語られる一方、山内氏から「映画よりも家族という関係が色濃く出ている。その分、やるせなさ感がでてくる」という舞台作品としての魅力の話も。演出家の鄭氏は「人間ドラマ・濃い人間関係を強く描いた。お互いの思いが錯綜するドラマになっている」と本作で描く人間ドラマについて力強く語った。

高台の豪邸で暮らし、次第に金田家に<寄生(パラサイト)>されていく永井家(撮影:細野晋司)
高低差のある舞台設定を見事につなげる舞台美術も魅力のひとつ(撮影:細野晋司)

 新しい劇場・THEATER MILANO-Zaに立ってみた感想を聞かれると、「新しい。きれいだけど難しい。工夫でよいものを届けようとしているので、ぜひ足を運んでほしい」という古田氏の意気込みに出演者も大きく頷いた。

また、今回、関西が舞台ということで、関東出身のメンバーの関西弁の完成度について質問されると、関西出身の出演者からは口々に「習得が早い」「ばれないのでは?」と絶賛。

それを受けて宮沢氏が「すぐアドバイスくれる人が身近にいたのはありがたかった」と稽古中の雰囲気の良さを話すと、伊藤氏は取材陣からの「関西弁で演じるのは楽しいですか?」という質問に笑顔で「はい!」と答えた。

一見シリアスな作品にも見えるが、「わきあいあいとした楽しい舞台を作ろうとした」と出演者が口々に話すように、舞台は笑いの絶えない作品でもあった。出演者たちの生き生きとした演技から人間ドラマを感じるとともに、舞台ならではに仕上がった本作品をぜひご覧いただきたい!

THEATER MILANO-Zaオープニングシリーズ COCOON PRODUCTION 2023 『パラサイト』

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[東京公演]
公演日程:2023年6月5日(月)~7月2日(日)
会場:THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階)
お問い合せ:Bunkamura 03-3477-3244(10:00~18:00)
公式サイト

 

[大阪公演]
公演日程:2023年7月7日(金)~7月17日(月・祝)
会場:大阪・新歌舞伎座
お問合せ:新歌舞伎座テレホン予約センター 06-7730-2222(10:00~16:00)
公式サイト

text:MASH UP 編集部