新・歌舞伎町ガイド

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音楽サーキットイベント『CONNECT歌舞伎町 2022 Move to New Order』最終回!71組のアーティスト出演

DATE : 2023.05.20

おとぼけビ~バ~/新宿Mable

photo by Mutsumi Ikeya

出番20分前には新宿Marbleに入場したものの、会場は既にギュウギュウの観客で埋まっていた。それもそのはず、アメリカの巨大フェス『Coachella 2018』を筆頭に、『SXSW(サウスバイサウスウェスト)』に2017年、2019年、2023年に出演など海外フェス/ツアーで話題をさらい、デイヴ・グロール(FOO FIGHTERS)、トム・モレロ(RAGE AGAINST THE MACHINE)、また、ラーズ・ウルリッヒ(METALLICA)はラジオで彼女たちの曲を流したりと、海外のビッグ・バンドから称賛の言葉を浴びる気鋭ガールズバンド4人組。今日も会場には多くの外国人を見かけた。

photo by Mutsumi Ikeya

豪快にシャウトを決めつつ、多彩なリズムで踊らせ、頭にガンガン突き刺さるキャッチーな歌詞にテンションは上がる一方だ。パンク、ハードコアの前のめりの衝動はもちろん、コロコロと切り替わる予測不能の曲展開もユニーク極まりない。オモチャ箱をひっくり返したようなサウンドに観客はカオス状態に陥っていた。「I am not maternal」においては、まるで阿波踊りのごとく両手を上げて騒ぐフロアの様子に、彼女たちの底知れないバンド・マジックを感じずにはいられなかった。(荒金良介)

photo by Mutsumi Ikeya

石野卓球/シネシティ広場

photo by スズキメグミ

混沌とした歌舞伎町の街中に響く無機質なテクノミュージックに、年齢や性別、国籍も問わないオーディエンスが体を揺らし、光悦の表情を浮かべる。当サイトのインタビューで、以前、CONNECT歌舞伎町に出演し、広場でDJした際の感想を「現実が理想を超えるような風景だった」と語っていた石野卓球だったが。天を突き刺すような東急歌舞伎町タワーを背にDJプレイで魅せ、シネシティ広場に集まる多様な人々を踊らせる光景は想像を超える凄さで、バカな感想だが、「東京ってすごいなぁ! 歌舞伎町ってすごいなぁ!」と大興奮して、踊りまくってしまった。

photo by スズキメグミ

たくさんの歴史とカルチャーとカルマを背負ってきた歌舞伎町に、また新たな歴史やカルチャーが生まれた瞬間に立ち会えたことが本当に嬉しい。(フジジュン)

photo by スズキメグミ

大森靖子/Zepp Shinjuku (TOKYO)

photo by五味茂雄

サウンドチェックからそのまま本編へと突入すると、「新宿」「パーティードレス」と新宿にまつわる曲を続けて披露した大森靖子。痛みや悲しみや苦しみを背負った少女が憑依したような、感情的かつ感傷的な歌声で観客の胸に迫る。感情のまま感じるまま、即興で演奏するように立て続けに楽曲を披露する大森、そのステージを息を呑むように見守る観客。広くきらびやかなZeppのステージが歌舞伎町の路上に感じるほどの近しさを感じる、大森の歌とかき鳴らすギターがギュッと胸を締め付ける。

photo by五味茂雄

短いMCから、生命力ある力強い歌声で始まった「Rude」で後半戦へ突入すると、「この街で歌う私の歌が一番私の歌だなって感じがして、すっごくすっごく好きです!」と「あたし天使の堪忍袋」を披露し、観客と吠え声を合わせる。可憐さとたくましさを兼ね備えた彼女には、確かに歌舞伎町がよく似合う。(フジジュン)

photo by五味茂雄

ギターウルフ/新宿LOFT

photo by マチダナオ

新宿LOFTの堂々たるトリを飾ったのは我らがギターウルフだ。終わってみると、予定時間30分オーバー、アンコール3曲を含む1時間15分に及ぶライヴでフロアを完全燃焼! セイジ(Vo/G)は缶ビールをクイッと飲み干し、いざ演奏が始まると、鼓膜をつんざくノイジーな爆音で観客を強襲する。常軌を逸した爆音ぶりにステージ前方にいた観客が数人ほど後ろに避難する光景も、このバンドの凶暴性を物語っている。

photo by マチダナオ

GOTZ(B/Vo)はマイクを加えたままクラウドサーフしたり、後半は「SUMMERTIMES BLUES」を演奏後、フロアにいる観客(オーストラリア人)をステージに上げてギターを弾かせ、そのまま怒涛のセッションへと突入。セイジはハンドマイクで叫びまくり、クラウドサーフして会場を内側から激しく焚きつけ、ステージとフロアを無効化させるアグレッシヴなパフォーマンスを魅せつける。その勢いは本編で収まり切らず、アンコールに入ってもデストロイかつカオティックな演奏で新宿LOFTを焼け野原状態にする。掛け値なしの、最狂のロックンロールに大勢の観客が酔いしれた。(荒金良介)

photo by マチダナオ

ZAZEN BOYS/Zepp Shinjuku (TOKYO)

photo by 五味茂雄

「MATSURI STUDIOからやって参りました、ZAZEN BOYS!」の口上で始まったのは、Zepp Shinjukuステージの大トリを務めたZAZEN BOYS。「刺激が欲しくてたまりません」と始まった「SHIGEKI」から、鋭さといなたさが同居する向井節全開。「Cold Beat」の緊張感あるセッションでガッチリ心を掴むと、「Himitsu Girl’s Top Secret」、「Weekend」とライブ定番曲が続き、待ってましたと歓声が上がる。脳みそ揺らされる歌と演奏に心地よくトリップし、心と体を委ねるオーディエンス。

photo by 五味茂雄

「荒木町とか行ってね、飛び込みで居酒屋にパッと入ってね。中瓶、あとポテサラ」なんてMCから、「ポテトサラダ」の注文が入るとライブも後半戦。熱気立つフロアに放たれた、本編ラストは「RIFF MAN」、打ち鳴らすリフとリフ、耳から飛び出る昇り龍。スリリングな演奏で最後の最後まで観客を魅了し、音楽の愉しさやライブの魅力をしっかり届けて『CONNECT歌舞伎町2023』を締めくくった。

photo by 五味茂雄

終演後、鳴り止まぬ拍手の中、『CONNECT歌舞伎町』実行委員長がステージに登場。「「歌舞伎町の新しい時代が来るな」と思えたイベントだったと思います。これからもみんな、歌舞伎町に遊びに来て下さい。歌舞伎町の音楽を楽しんで下さい」と挨拶し、8年続いた『CONNECT歌舞伎町』の終了を宣言。歌舞伎町と音楽のマッシュアップが生み出す、新しい時代に期待したい。(フジジュン)

イベント情報

■開催日  2023年4月23日(日)

■開場   12:00

■開演   12:15~22:00

■会場   Zepp Shinjuku(TOKYO) / 新宿BLAZE / 新宿ロフト / MARZ /Marble / shinjuku SAMURAI / シネシティ広場

■主催   CONNECT歌舞伎町実行委員会 / 歌舞伎町商店街振興組合

■URL   公式サイト / Twitter / Facebook

■出演アーティスト

ZAZEN BOYS / cinema staff / THE BACK HORN / DOPING PANDA / ギターウルフ / あねそかり / 宇宙団 / おとぼけビ~バ~ / 999999999 / くだらない1日 / CRYAMY / PSYSALIA 人 / THE ティバ / サバシスター / jujoe / 関取花 /SEVENTEEN AGAiN / TENDOUJI / toitoitoi / NAkidZ / BAD ATTACK / Panorama Panama Town / FILTER / ポニーテールスクライム / メレ / MONO NO AWARE / LUNKHEAD / ルサンチマン / レイラ / 石野卓球 / chelmico / 水曜日のカンパネラ / 大森靖子 / MOROHA / KOTORI / NIKO NIKO TAN TAN / bacho / MASS OF THE FERMENTING DREGS / YAJICO GIRL / シンガーズハイ / イギリス人 / Aivy / 終活クラブ / Apes / ジュウ / pavilion / THE STEPHANIES / the myeahns / w.o.d. / cali≠gari / ザ・チャレンジ & ONIGAWARA / SuiseiNoboAz / Klang Ruler / 大橋ちっぽけ / セプテンバーミー / downt / AAD (from-いわき) / New Action! / ザ・シスターズハイ / ARuA / Caroco / kazuyuki.ito / ぴーすけ∞ / Miu❥ / みつつき / 柳光江 / Hinano / いとうせいこう is the poet / THIS IS JAPAN / xiangyu / Kingo

text:フジジュン、荒金良介