2023年8月19日(日)、真夏のシネシティ広場で「歌舞伎町BON ODORI」が開催された。
2019年8月に開催され、来年以降も期待されたイベントであったが、新型コロナウイルスの影響で実現に至らず、4年越しの開催であった。
広場の中央に櫓がたてられ、櫓の中央には「歌舞伎町」と大きくかかれた特大サイズの赤提灯が輝いていた。
入り口には、いつも新宿バッティングセンター前にあるキッチンカーが、今回の祭の盛り上げ役として、新宿名物、内藤とうがらしを使ったスパイシーチキンや、生ビール、レモンサワー、そして祭りに合わせてラムネのどぶ漬けなどが祭りにぴったりな商品を販売していた。
日も暮れてきた頃、東急歌舞伎町タワーのビジョンで「歌舞伎町BON ODORI」の映像が流れはじめ、18時過ぎから徐々に音楽が流れ出すと、道行く人が期待感を込めて広場の前で足を止めだした。
今回の盆踊りナビゲーターは、全国の盆踊り大会をプロデュースし、中野盆踊り大会を主催する鳳蝶美成(アゲハ ビジョウ)氏。中央の櫓で手本を踊ってくれる。
また、和太鼓アイドル・東京おとめ太鼓が和太鼓演奏を務め、彼女たちのパフォーマンスに、多くの人が歓声に沸きながら魅了されていた。
第一部では、伝統的な古典盆踊り、そして第二部では、YOASOBIの「アイドル」などの流行りの音楽から、「ダンシング・クイーン」や「GO WEST」、「ダンシング・ヒーロー」「ヤングマン」など耳なじみの懐メロが流れ、子どもから大人まで、海外の旅行者も一緒になって、踊りの和がどんどん広がっていった。
振付を完璧にマスターする海外旅行者の人もいれば、振付なんか気にせず音楽に合わせて踊りまくる人、缶チューハイを飲みながら踊りを眺める人など、様々な人がそれぞれの時間を楽しんでいた。
そして、盆踊りもそろそろ終わるころ、待ってました!と言わんばかりに「歌舞伎町の女王」が流れると、会場だけでなく道行く人からも歓声が沸き起こり、最高潮の盛り上がりを見せた。
最後に「EZ DO DANCE」を踊りきると、みんな笑顔で汗だくになりながら、お互いに拍手を送り合った。
そして、会の最後、歌舞伎町商店街振興組合副理事の大塚氏の挨拶が行われ、「これからももっとみなさんに歌舞伎町を楽しい街だと思ってもらえるような取り組みをやっていきたいと思います」という言葉に、期待を込めた大きな拍手が向けられた。
コロナ禍の風評被害により、「歌舞伎町」という名前が感染の象徴のように思われていた頃からすると、4年越しの盆踊りの復活は、街の復活の象徴のようなイベントであった。今後の歌舞伎町の発展を願って、今日の踊りが天まで届いてほしい。
text&photo:MASHUP編集部